第18話 パーティ情報共有(2)
「説明を続けると、ステータスで自分が取得しているスキルが見えるようになる」
2人のステータスが表示されたので問題なく話を進められる。ここからはステータス表示を見ながら説明できるので簡単だ。
「なるほどね。これは確かに便利だわ」
「うん」
「ところで一番下にある加護って何かしら?」
「ああ。そこはこれから説明する。ここの加護に表示されているのは俺が持っている能力だ。パーティメンバーにも使えるようにしたから2人のステータスにも情報として表示されているんだ。さっきステータスは俺のスキルだって説明したけど、正確には加護の【生体掌握網】の機能の1つだ」
「機能の1つということは他にもあるってことね?」
「その話はこの後するとして、先に【成長促進】について軽く説明する。これは多分そのままでも意味は分かると思うが、この加護があるとスキルの成長速度が早くなる。これから実際に鍛錬や狩りをすれば実感できると思う」
【成長促進】に関しては言葉で説明するより、鍛錬での結果を見てもらえばよく分かると思う。
「実際にどれぐらい早い?」
興味を引かれたのかサラが尋ねてきた。
「そうだな。数か月でスキルが★1から★2に上がるくらいには」
本当は新しいスキルを覚えて、☆0から★2に上がるぐらいに早いんだが、今は★1から★2にと言ったほうが分かりやすいだろう。
「……驚くほど早い」
「そうね。私が何年も鍛錬したのがバカらしくなってくるわね」
「ステータス表示はいつでも見ることが出来るから、確かめておいてくれ。それで何か分からないことがあれば聞いてくれれば答えるから」
「ついでに1ついいかしら?」
「どうぞ」
「私は剣術と体力強化、敏捷強化のスキルを持っているのは分かるんだけど、スキルレベルの後ろにある数字は何かしら? 冒険者ギルドで見た時は、こんなのは表示されなかったと思うのだけれど」
なかなかしっかりと確認しているな。ギルドの表示では、スキルレベルまでしか表示されないからな。
「確かにギルドの表示ではそこまで出ないな。これはそのスキルがどこまで熟練度を稼いでいるか数字で表示されている」
「えっ。今の熟練度を数値化しているってこと?」
「そうだ」
「そんな機能、聞いたことがないわ」
「不思議な能力」
ソフィアとサラが驚いて呟いた。
「他には無い機能だろうな。そのおかげで鍛錬では助かっているけどな」
「そうね。自分の努力が目に見えるっていうのは有難いわね」
「また何かあったら聞いてくれ。それで話が【生体掌握網】に戻るんだが、さっき他にも機能があるという話をしたんだが、その説明をしたい」
2人の顔を確認して問題が無さそうなので続ける。
「【生体掌握網】に、新たにスキルを取得出来る機能がある。取得できるスキルは限定的だが、その機能を使って2人に新たにスキルを取得してもらいたい」
俺が問答無用で勝手に取ってもいいんだろうけど、2人は俺の奴隷というわけではないから、自分達で選んでもらったほうがいいだろう。
「よく分からないのだけれど、取得出来るスキルを選べるということかしら?」
「ああ。取得できるスキルは個人差があるみたいだから、皆同じスキルが取得できることは無いが、それでも多くのスキルが取得できると思うぞ」
「そうなのね」
「分かった」
「じゃあソフィアから取得可能なスキルを表示するから、その中から覚えたいものを選んでくれ」
「分かったわ」
スキルの取得に関しては俺しか操作できないので、俺が表示したソフィアのステータスにリストを出して確認してもらった。
「へー。こんなに取得できるスキルあるのね。あっ。槍術スキルがあるわ。手解きしてもらったんだけれど、スキルに出てこなかったから諦めたのよね」
「手解きしてもらったら、すぐにスキルを覚えられるものなのか?」
そんなに簡単だったら、スキル持ちも多そうだが。
「時々、それで覚える人もいるのよ。普通は何年も鍛錬しないと覚えられないのだけれど」
普通はそうだよな。【生体掌握網】を持ってる俺でも★1になるまでそれなりに時間かかるし。
「私ずっと槍を装備したいと思っていたのだけれど、この際、装備を変更してもいいかしら?」
「それは俺に聞く必要はないぞ。ソフィアの好きにしていいんだが。そのためにスキルを選んでもらってるしな」
「そう。ありがとう」
ソフィアにスキルを取得してもらったので、ステータスを確認する。
ステータス
================
名前 ソフィア
種族 人間
年齢 25
スキル
戦闘 剣術★1 ( 0.15 )
槍術☆0 ( 0.00 )
身体 体力強化★1 ( 0.08 )
頑健強化☆0 ( 0.00 )
筋力強化☆0 ( 0.00 )
器用強化☆0 ( 0.00 )
敏捷強化★1 ( 0.05 )
魔抗強化☆0 ( 0.00 )
特殊 料理☆0 ( 0.00 )
気配希薄☆0 ( 0.00 )
解体☆0 ( 0.00 )
魔力視☆0 ( 0.00 )
遠見☆0 ( 0.00 )
魔法 生活魔法☆0 ( 0.00 )
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
================
スキルの傾向としては近接アタッカーだな。魔法スキルについては生活魔法以外は表示されなかった。やはり魔法スキルは適性者が少ないようだ。
「何だかステータスを見ていると、すぐに鍛錬を始めたい気持ちになってくるわね」
「その気持ち分かります」
「もちろん鍛錬ならいつでも付き合うぞ」
エレノアとリリーがソフィアのステータスを覗き込みながら言った。同じ近接メイン同士、気になっているのかもしれない。
「次はサラだな」
「うん」
サラは俺が表示したリストを見ながら、欲しいスキルを選んでいった。
選ばれたスキルを取得していった結果、サラのステータスを表示する。
ステータス
================
名前 サラ
種族 人間
年齢 25
スキル
戦闘 槌術☆0 ( 0.00 )
盾術☆0 ( 0.00 )
身体 体力強化★1 ( 0.03 )
頑健強化★1 ( 0.22 )
筋力強化☆0 ( 0.00 )
器用強化☆0 ( 0.00 )
敏捷強化☆0 ( 0.00 )
魔力強化☆0 ( 0.00 )
魔抗強化☆0 ( 0.00 )
特殊 気配希薄☆0 ( 0.00 )
解体☆0 ( 0.00 )
並列思考☆0 ( 0.00 )
魔法威力☆0 ( 0.00 )
魔力回復速度向上☆0 ( 0.00 )
魔力視☆0 ( 0.00 )
命中精度☆0 ( 0.00 )
魔法 生活魔法★1 ( 0.45 )
土魔法☆0 ( 0.00 )
回復魔法★1 ( 0.34 )
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
================
回復魔法は元々持っていて、俺以外での貴重な回復持ちになるのは分かっていたが、新たに土魔法を取得していた。これでこのパーティも前衛、火力ともにかなり充実してきた感じがする。
「属性魔法を覚えることが出来るとは思わなかった」
サラがあまり表情を変えてはいないが、ステータスをずっと凝視して確認している。ひょっとしたらかなり嬉しいのかもしれない。
「2人も新しいスキルを覚えたところだから、暫くは鍛錬中心で進めていこうと考えている。始めは町の外で。ある程度熟練度が上がったら、ダンジョンに入ってみようと思う」
「分かりました」
「はい」
「了解だ」
「ええ。問題ないわ」
「分かった」
皆の熟練度が近い水準になってきたら、次の予定を考えていくかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます