第28話 夜が明けて
目が覚めると同時に、人の暖かい温もりに包まれていることが分かった。両脇はともかく体の上にも抱きつかれている。心地よいしっぽの感触があるので、上に乗って寝ているのはフォノンか。
頭の中がスッキリしている。昨日は想定内とも想定外とも言える冒険者との戦闘のせいで、頭の中がモヤモヤしていた。だが今はモヤが晴れた感じがする。これも3人のおかげか。
本来はこんなところで性交するヤツはバカじゃないのかって思ってしまうとこだ。だが今回俺の事を思って癒してくれた3人には本当に感謝している。
結局、早くに目が覚めたがフォノンが目覚めるまでそのままで待ち続けることにした。
「3人とも昨日はありがとうな」
「礼を言われることではありません。それに私達を守ってくださったのです。そんなシオン様に寄り添えることを私は嬉しく思います」
「主さまと私達は一心同体です」
「主殿を支えることは私達にとっては当然のことだからな」
「まあ、なんだ。今後ともよろしくな」
面と向かって言われると急に恥ずかしくなってきた。ビジネスライクな関係で良いと思ってたんだけどな。やっぱり一緒に生活していると情が湧いてくるんだな。
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
「よろしくです」
「ああ、よろしく頼む」
気分を変えるためにドアを開けて外を伺うと、どうやら雨のようだ。
何故雨が降っているのに携帯ルームがこんなに静かなのかと思ったら、聖域で雨が弾かれていた。なるほど。聖域は雨が降っている状態だと存在がはっきり分かってしまうな。意外なところに弱点が有ったな。しかし、聖域を使用するのは夜が基本だし、侵入者を知らせてくれればいいのだから問題はないか。
「今日は樹海の探索は休みだな。聖域のおかげで濡れないし、鍛錬だけしよう」
「「「はい(了解)」」」
時間も有るのでステータスを確認しておこう。
ステータス
================
名前 シオン
種族 人間
年齢 16
スキル
戦闘 短剣術☆0 ( 0.64 )
剣術★2 ( 0.05 ) △0.01
大剣術★1 ( 0.58 ) △0.03
盾術☆0 ( 0.30 )
身体 体力強化★1 ( 0.82 ) △0.01
頑健強化☆0 ( 0.87 )
筋力強化★2 ( 0.38 ) △0.01
器用強化★1 ( 0.46 ) △0.02
敏捷強化★1 ( 0.88 ) △0.02
魔力強化☆0 ( 0.14 ) △0.01
魔抗強化☆0 ( 0.00 )
特殊 気配感知★2 ( 0.69 ) △0.02
気配希薄☆0 ( 0.94 ) △0.02
解体★2 ( 0.07 ) △0.01
並列思考★2 ( 0.03 ) △0.01
魔法威力☆0 ( 0.59 ) △0.03
魔力回復速度向上☆0 ( 0.28 ) △0.02
魔力視☆0 ( 0.01 )
命中精度☆0 ( 0.61 ) △0.04
遠見☆0 ( 0.24 )
魔法 生活魔法★2 ( 0.69 ) △0.01
土魔法★1 ( 0.39 ) △0.02
水魔法★1 ( 0.32 ) △0.03
火魔法★1 ( 0.32 ) △0.02
風魔法★1 ( 0.43 ) △0.03
氷魔法☆0 ( 0.36 ) △0.02
雷魔法☆0 ( 0.30 ) △0.02
回復魔法★1 ( 0.31 ) △0.01
時空魔法★1 ( 0.90 ) △0.02
加護 転移ランダム特典 金一封
転移特典 言語理解
転生ランダム特典 生体掌握網
転生特典 成長促進
================
いくつかのスキルや魔法が★が上がりそうになってるな。その中でも期待なのが時空魔法だ。鍛錬で無駄な努力に思われる転移や次元切断に挑戦しているが、今のところ実現する気配がない。昔、生活魔法が☆0の時に、必死にクリーンに挑戦していたことに大変似ている。それでも挑戦しているのはクリーンの時と違って、魔力を消費している気配があるからだ。少しは希望があると思っておこう。
ステータス
================
名前 エレノア
種族 人間
年齢 20
スキル
戦闘 短剣術☆0 ( 0.01 )
槌術☆0 ( 0.49 ) △0.04
盾術☆0 ( 0.46 ) △0.03
身体 体力強化☆0 ( 0.73 ) △0.02
頑健強化☆0 ( 0.71 ) △0.06
筋力強化☆0 ( 0.67 ) △0.02
器用強化☆0 ( 0.51 ) △0.02
敏捷強化☆0 ( 0.66 ) △0.03
魔力強化☆0 ( 0.78 ) △0.02
魔抗強化☆0 ( 0.26 ) △0.04
特殊 料理★2 ( 0.19 )
調合☆0 ( 0.00 )
良否判定☆0 ( 0.51 ) △0.02
真偽判定☆0 ( 0.51 ) △0.02
気配希薄☆0 ( 0.35 ) △0.02
解体☆0 ( 0.65 ) △0.02
魔法威力☆0 ( 0.00 )
魔力回復速度向上☆0 ( 0.91 ) △0.03
魔力視☆0 ( 0.26 ) △0.04
魔法 生活魔法☆0 ( 0.80 ) △0.03
時空魔法☆0 ( 0.61 ) △0.02
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
================
エレノアは数日で★1に到達しそうなスキルが多いな。生活魔法も★1になりそうだ。これでクリーンが使えるようになれば更に熟練度を稼げるだろう。エレノアと逢ったときは全然戦闘をさせるつもりが無かったのに、今ではリリーと並んで立つことも多い。人生本当に予想がつかないことばかりだ。まあエレノアが一番そう思っているかもしれない。
ステータス
================
名前 フォノン
種族 獣人 (狐系)
年齢 16
スキル
戦闘
身体 体力強化☆0 ( 0.56 ) △0.02
頑健強化☆0 ( 0.73 ) △0.05
器用強化☆0 ( 0.23 ) △0.01
魔力強化☆0 ( 0.81 ) △0.05
魔抗強化☆0 ( 0.33 ) △0.05
特殊 気配希薄☆0 ( 0.17 ) △0.02
解体☆0 ( 0.29 ) △0.01
並列思考☆0 ( 0.26 ) △0.05
魔法威力☆0 ( 0.77 ) △0.03
命中精度☆0 ( 0.78 ) △0.03
魔力回復速度向上☆0 ( 0.99 ) △0.04
魔力視☆0 ( 0.33 ) △0.05
魔法 生活魔法☆0 ( 0.34 ) △0.01
火魔法★1 ( 0.64 ) △0.02
風魔法☆0 ( 0.40 ) △0.03
氷魔法☆0 ( 0.33 ) △0.03
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
火神の祝福
================
エレノアと同じく数日で★1に届きそうだ。ただ、フォノンの場合はメインが魔法系だが。狩りの場所が森などが多い関係で、火魔法を制限なしで使う機会が無いので目立ちにくいが、間違いなく魔法火力は俺より上だ。並列思考を育て始めたので更に上がりそうだ。何気に命中精度は俺より鍛えているので頼もしい。
ステータス
================
名前 ミナサリアリリー・ルイーゼ・ファラダム
種族 人間
年齢 17
スキル
戦闘 短剣術☆0 ( 0.00 )
剣術★1 ( 0.57 ) △0.03
大剣術☆0 ( 0.00 )
槌術☆0 ( 0.00 )
盾術★1 ( 0.65 ) △0.02
身体 体力強化★1 ( 0.34 ) △0.02
頑健強化☆0 ( 0.35 ) △0.05
筋力強化★1 ( 0.23 ) △0.02
器用強化☆0 ( 0.24 ) △0.04
敏捷強化☆0 ( 0.30 ) △0.05
魔抗強化☆0 ( 0.27 ) △0.04
特殊 気配感知☆0 ( 0.18 ) △0.03
気配希薄☆0 ( 0.15 ) △0.03
解体☆0 ( 0.06 ) △0.01
魔力視☆0 ( 0.25 ) △0.04
遠見☆0 ( 0.01 )
魔法 生活魔法☆0 ( 0.20 ) △0.03
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
================
リリーは数日でというのは厳しいが、結構な勢いで熟練度が上がってきているので、ダンジョンに入る頃には成果を見せてくれそうだ。
今日は通常の鍛錬の後に、時間があるということで立ち合い稽古も行っている。フォノンは無理なので一人で魔法鍛錬続行だが、残りの3人で順番に組み合わせた。
リリーとの立ち合いも何度もやっていると動きを少しは理解してくる。基本躱すか受け流すのだが、そこを力押しや連撃を交えて態勢を崩すことに成功すると、体に当てることができた。それ以上にこっちが当てられているが。
エレノアは初めて参加することもあって、なかなかに苦戦していた。まあ対人戦なんてやったこともないだろうしな。
「さて主殿。そろそろ体も温まったし、2対1でいこうか」
一通り立ち合い稽古が終わった頃にリリーが言ってきた。否はないが本当に鍛錬好きだな、リリー。
「まあいいが、どういう組み合わせだ?」
「そうだな。最初は主殿対私とエレノアのペアだな」
やっぱりそうくるか。
「いいだろう」
特に準備することもないのですぐに始めたが、最初リリーはエレノアと相談していた。何を指示したんだか。
「では行くぞ」
「いつでもいいぞ」
そう返事すると、リリーは真っ直ぐに向かってきた。いつもは受けからの攻撃が多いリリーだが、積極的に攻撃してきた。
連続で振ってくる木剣を避けることをメインに捌いていると、俺が避けるのに合わせて後ろからエレノアが棍棒を振ってきた。なかなかに厳しいタイミングで攻撃を合わせてきたが、2対1ということでずっと気配感知を使って位置の把握には努めていた。エレノアが近づいてきていたのは知っていたので、棍棒を木剣で弾き返した。この事を予想していたのか続けてリリーが突きを放ってきたが、突きを躱しながら突き出された木剣に、木剣を叩きつけることで弾き飛ばした。
「お見事だ、主殿」
木剣を弾かれた手をひらひらさせながらリリーが言った。
「俺もなかなか上達してきただろう?」
「そうだな。私もどんどん鍛えていかないと置いていかれるな」
それは無いと思うがな。
「シオン様に完全に読まれてしまいました」
「いや、俺の場合気配感知という反則スキルもあるのが大きいけどな」
実際、並列思考と気配感知にはすごく助けられている。たぶんスキル無しだったら死角から叩かれまくってるんじゃないか。
しかし2対1の立ち合い稽古もなかなか良い鍛錬だな。エレノアとリリーも含めて、色々なスキルの鍛錬になるんじゃないか。
それから2対1も組み合わせを変えて何度も対戦した。
明日晴れればまた樹海探索再開だ。冒険者本来の目的である狩りを少し奥の方まで進めてみるか。
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