第15話 平原ウサギでの鍛錬 in 王都リア
朝、目が覚めると両腕をホールドされていて身動きできない状態だった。
昨日は凄かった。何がというとエレノアがエロかった。フォノンが初めてということもあって最初が大変だったのだが、そこをエレノアが手伝ってくれた。そういうシーンは知識として知ってはいるが、実際に見てみると物凄く興奮してしまった。そのせいでフォノンは大変だったかもしれないが。
今も両腕から幸せな感触が感じられるが、そればかりに囚われていると堕落の一歩なので起きることにする。天井付近にライトをつけて明るくする。
「おはようございます。シオン様」
「おはよう。エレノア」
エレノアが顔を寄せてきたのに応えて口づけを交わす。そうしてしばらくイチャイチャしていると、隣でフォノンも起き上がった。
「主さま、おはようございます」
「おはよう。フォノン」
フォノンに口づけしてから獣耳を見てみると、いつもの通りで元気にピンと立っている。昨日は少し怖かったのか、獣耳が伏せていた。今はしっぽも元気にゆらゆら左右に揺れている。
全員にクリーンを掛けてから準備を行う。
今日ももちろん鍛錬に行くがその前にフォノンの防具を買う必要がある。防具はエレノアと一緒でハードレザーでいいと思うんだが、武器はどうすればいいのか。魔法使いとして杖を使わせてみてもいいかもしれない。もちろん殴る方の杖じゃなく、魔法を補助する方の杖だ。魔力を収束しやすくなり、発動速度が上がるということらしいが、俺の場合は剣を持ってる方が良かったので興味がわかなかった武器だ。
みんなの準備ができたので、まずは階下に降りて朝食を食べることから始める。
武器屋ではハードレザーアーマーの他に、予定通りメイジスタッフを購入してフォノンに持たせている。これでどれくらいの効果があるのかは使ってみないと分からない。
武器屋を出てから昨日と同じく南門から外に出た。特にどこの門がというのはないのだが、南門が一番人通りが少ないので出入りに便利だからだ。とはいえ王都なので人通りは結構あるのだが。
外に出て安全そうな所を3人で走っている。一応走りながら気配感知で調べているが、危険そうな気配は全然いない。
エレノアのスピードに合わせて走っているが、フォノンも問題なくついてきている。さすが獣人というか言っていた通り、身体能力は優れているようだ。体力強化もあるし、体力面には問題ないだろう。
残りメンバーがどうかは分からないが、ダンジョン都市には走ったり歩いたりで向かっても大丈夫な気がする。俺の気持ちが馬車を避けているので決定的なところだ。
走り終わったらフォノンはひたすら魔法の鍛錬だ。魔力が無くなったら休憩。魔力が回復したら魔法を撃つ流れだ。
メイジスタッフの効果はちゃんと有るらしく、少なくとも俺より発動が速くなった。その効果に俺も心揺さぶられたが、やっぱり大剣を持ってる方が好きだ。
俺とエレノアは武器の鍛錬をした後に、フォノンに合流して魔法の鍛錬を行った。
エレノアはフォノンと違って、生活魔法と時空魔法の鍛錬なので見た目では地味だ。でも時空魔法は将来の期待度大の魔法なので頑張ってほしい。俺も人の事を言えないが。
俺の氷魔法と雷魔法も将来の期待度で言えば大なのだが、相変わらず☆0の間はショボイ。そんなことを言っても始まらないので、水に手をつけては冷やし、手から小さな稲妻出したり、地味な鍛錬を続けた。
フォノンの治療が終わって早く宿屋に戻る必要もなくなったので、この日は夕方遅くまで鍛錬漬けの1日だった。
◇ ◇ ◇
今日からは通常の鍛錬が終わった後に、鍛錬の友、平原ウサギを狩りに来ている。
南門から出て西方面に広がる平原を突き進んでいるが、ここもサルビナと同じく平原ウサギの気配は芳しくない。気配感知を全開にしながら探すこと20分、やっとそれらしい気配が3体現れた。
「やっとこの先に平原ウサギを3体ほど見つけた。エレノアには前に言ったが。フォノン、無理に倒すことは考えなくていい。動きに慣れることを優先だ。よく見て避けてみてくれ」
「頑張ります」
フォノンはしっぽを振り振り張り切って言った。
フォノンにはウィンドシールドを見せたが、フォノンの風魔法は☆0だ。はっきり言って対処のしようがない。まあ頑健強化は上がるので頑張ってくれ。
2人はゆっくり俺が示した方向に進んでいく。
エレノアは前にもやったので少しは慣れていると思うが、フォノンは初めてだ。慣れるのは時間が掛かるかもしれない。
2人が近づくのに気付いた平原ウサギが、少しずつ移動し始めた。
2体がエレノアに向かって体当たりしてきたのを、エレノアは1体を避けた後、もう1体は盾で受け流した。残り1体は、他とは別方向からフォノンに突っ込んで来たため、完全に違う方向を見ていたフォノンには避けることは無理だった。
「ううッ」
足に体当たりを受けてしゃがみ込んだフォノンに1体が突っ込んできたが、エレノアが正面に立ってメイスで受け流した。
「フォノン、まだまだ来ますよ。立ちなさい。屈んでいるとすぐ狙われます」
「はい」
我慢して立ち上がったフォノンを見て、エレノアはすぐに前方を警戒した。
エレノア結構やるな。今後、戦闘中のフォノンの守りはエレノアに任せるかな。
さすがに3体を相手にするのはエレノアも初めてなのもあって、2人とも結構体当たりを受けていた。疲れが見え始めたのもあって、すぐにショートソードを構えて2人の前に割り込んだ。
「2人ともお疲れ様。エレノアは動きがかなりよくなったな」
「いえ、まだ多数だとどうしても対処が遅れてしまいます」
「これも鍛錬だから徐々に慣れていけば十分だ。フォノンも初めての戦闘はどうだった?」
「焦ってばかりで思い通りにいきませんでした」
「俺も最初は焦ったからな。それが普通だから気にしないでいいぞ」
「はい」
獣耳もしっぽも垂れ下がってるな。それはそれで可愛らしいが。
2人の体当たりの怪我を治しながら話していたが、回復魔法の効果が段違いだ。前回まで打撲箇所を何度かヒールしないと治らなかったが、今は1回で治っている。これはいくら打撲を負ってもすぐ治せるから鍛錬が捗るな。本人たちは痛いのは嫌かもしれないが。
それからも気配感知を駆使して平原の中を探しまくった。
合計で12体を発見して、エレノアとフォノンに狩りという名の鍛錬を行ってもらった。2人とも弱音を吐かずに頑張ってくれた。
平原ウサギの狩りを始めて3日目。
2日目も合計で10体を狩って、今日もここまで11体を狩っている。今も体当たりは受けているが、動きにもだいぶ慣れてきた感じだ。と言っても倒してるのは俺だが。
「フォノン、次動きを止めてみます。狙ってみてください」
「はい、お願いします」
エレノアが正面から突っ込んできた平原ウサギを盾で叩き落とした。それを準備して待っていたフォノンが魔法を撃った。すると平原ウサギの動きが止まった。
ん? 今、魔法でトドメを刺した?
「フォノン。今の魔法って何の魔法だった?」
「火魔法です。主さまが前に見せてくれたニードルを参考に、もっと細く針のようにして撃ってみました」
ほう。平原ウサギを見てみると確かに目から頭に小さい傷が穿たれている。よく考えてるな。俺はニードルというとどうしても土魔法のイメージが強いからな。
◇ ◇ ◇
ベッドで横になりながら2人のステータスを確認する。
ステータス
================
名前 エレノア
種族 人間
年齢 20
スキル
戦闘 短剣術☆0 ( 0.01 )
槌術☆0 ( 0.25 ) △0.04
盾術☆0 ( 0.24 ) △0.05
身体 体力強化☆0 ( 0.34 ) △0.05
頑健強化☆0 ( 0.23 ) △0.04
筋力強化☆0 ( 0.31 ) △0.05
器用強化☆0 ( 0.24 ) △0.03
敏捷強化☆0 ( 0.26 ) △0.05
魔力強化☆0 ( 0.47 ) △0.04
特殊 料理★2 ( 0.17 )
調合☆0 ( 0.00 )
良否判定☆0 ( 0.25 ) △0.02
真偽判定☆0 ( 0.25 ) △0.02
気配希薄☆0 ( 0.15 )
解体☆0 ( 0.32 ) △0.04
魔法威力☆0 ( 0.00 )
魔力回復速度向上☆0 ( 0.49 ) △0.05
魔法 生活魔法☆0 ( 0.49 ) △0.04
時空魔法☆0 ( 0.32 ) △0.03
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
================
さすが鍛錬の味方平原ウサギを狩ると、色々なところの熟練度が上がる。今後もお世話になりたいところだが、明日からは別の依頼をする予定だ。
ステータス
================
名前 フォノン
種族 獣人 (狐系)
年齢 16
スキル
戦闘
身体 体力強化☆0 ( 0.21 ) △0.07
頑健強化☆0 ( 0.24 ) △0.08
器用強化☆0 ( 0.06 ) △0.02
魔力強化☆0 ( 0.17 ) △0.07
特殊 気配希薄☆0 ( 0.00 )
解体☆0 ( 0.06 ) △0.02
並列思考☆0 ( 0.00 )
魔法威力☆0 ( 0.20 ) △0.05
命中精度☆0 ( 0.16 ) △0.04
魔力回復速度向上☆0 ( 0.32 ) △0.07
魔法 生活魔法☆0 ( 0.19 ) △0.03
火魔法★1 ( 0.15 ) △0.05
風魔法☆0 ( 0.09 ) △0.02
氷魔法☆0 ( 0.09 ) △0.02
加護 生体掌握網 (スレーブ動作中)
成長促進 (スレーブ動作中)
火神の祝福
================
フォノンも色々上がってるが、魔法関連の上がり方が優秀だ。それとこの3日間で平原ウサギのタックルを一番受けた経験が数値に現れている。よく耐えてくれたと思う。
「シオン様、明日からはグラスウルフと大猪探しでしたか」
「ああ、一応その予定だがどれくらい狩れるかによるだろうな。あんまり狩れそうになかったら平原ウサギでの鍛錬を続行するかもしれない。2人は大変かもだが」
「いえ、これぐらいなら問題ありません」
「はい、主さま。全然平気です」
2人とも元気だな。この3日間、2人は大変だったと思うんだが、昼も夜もまったく問題ないようだった。2人が服を脱いで俺の服を脱がし始めた。そしてエレノアがライトを消すと、2人が艶めかしい体を絡ませ始めた。
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