第6話 フィオナ様のご采配-Ⅰ-

「順調だな」

 レグルスは馬の背に揺られながら、一人呟く。色々と騒いでいたが、結局ダーラーは安全で効率的な輸送計画を作り上げ、伯に提案した。

 伯領リートゥスデンスは広大な農村部を取り囲む四つの街、港湾都市リートゥスデンスとアロニア、コリサルビア、そしてトリフルーメンからなっている。各街に一つずつ城が建ち、城主を務めるのはサカリアスとその縁者だ。

 今までは各城が独自で輸送隊を編成してバラバラの日程で補給をしていたが、それでは輸送隊の数が増え、十分な護衛の確保が難しい。

 おまけに物を買う先は同じで、城同士で物資を取り合い、いざという時の不足を嫌って過剰な在庫を積み上げてしまう。

 そして、各目的地に他の城より早く輸送隊を出そうとすれば、部隊はさらに細かく分割される。かといって、供給元に持ってこさせれば道中の危険があり、護衛を雇わせれば結局高くついてしまう。

 護衛なしで済めば楽だが、広大な上に森や小山が点在する領地では、素性の知れない者をすべて締め出すことは難しく、どうにか護衛は付けておきたい。

 これに対してダーラーは、リートゥスデンス城と各供給元を結ぶ回収部隊、リートゥスデンス城を起点に三個の城とその先の関所を順番に回る配送部隊の二つに輸送隊を集約し、最適な経路と輸送頻度を設定した。

 そして、各城からリートゥスデンス城、そこから各生産者に注文を出す仕組みを構築した。

 各城での消費と需要をリートゥスデンス城で把握しているため、物資の取り合いと過剰在庫も改善される。その上護衛も十分に付けられるとして、巡回輸送と名付けられたダーラーの案はすぐに伯爵と軍幹部に受け入れられた。

 レグルスとしては、ダーラーが伯と話している時ですらへらへらとしているのが恐ろしかったが、かの砂漠生まれの商人は随分と伯に気に入られ、商会幹部がそろって夕食に招かれて随分な歓待を受けた。

 酒席で追加の改善案を求められたダーラーは、これまたへらへらと笑いながら各城の在庫数も点検させ、受払の記録を確認して一回の輸送量も見直した。

 不必要に積み上がった在庫の報告を受けた伯は「貴様らは包帯を積み上げて遊んだり、火薬を無駄に溜め込んで湿らせるのが趣味なのか?」と言ったそうだが、レグルスには膨大な品目を管理する担当者の苦労も理解でき、思わず同情めいた感情を持ってしまった。

 そして今、配送部隊の仕事を任されたヴァレリー商会が向かうのは、北東の要所トリフルーメン城。伯の長女フィオナ・ロベルティナ・バルカルセが城主を務める城だ。

 トリフルーメンはリートゥスデンスと比べると規模が小さく市壁もないが、代わりに広大な材木用の森林が広がる土地。

 周辺地域とは連山で隔てられた伯領の中で、北東に突出し、南北を繋ぐ石畳の道路がある。

 三方を海に囲まれたリートゥスデンスへの玄関口として三人の貴族と境を接し、防衛上の重要性は高い。

 なによりも、ミネルウァ神殿の内アウスティア大聖堂――王国南部の地域を統括する拠点は、軍隊の移動で二週間弱の距離にある。

「城が見えました!」

 先行していた斥候の声に視線を上げると、森の木々を挟んだ先に、青地に黒梟の旗が高々と翻っていた。

 すぐにシモーヌが指示を飛ばし、空色に黄色い斜線の商会旗――伯より与えられた識別票が揚げられる。

 そのまま森を進むと突然視界が開け、高い丘の上に聳える城が現れた。丘の周囲はまったく木が植えられておらず、円形の平地が広がっている。

 長い斜面を登り、城門を通る。広場に馬車を停めると、城兵が駆け寄り、荷卸と点検を始めた。

 作業が終わった所で、レグルスは監督役の士官に声を掛ける。

「今日は人が少ないようですが、外で何か?」

「アロニア城の部隊と合同で野盗狩りですよ。この辺りで活動してた連中の寝ぐらを見付けたんです。一気に潰してやりますよ!」

 留守居の士官はおどけて腕を振り上げる。

「それは……いい報せです。ところで、フィオナ様にお取り次ぎ願いたいのですが」

「は、お待ちを!」

 レグルスは馬から降りて伸びをすると、一日で最も重要な、夕食の内容に思いを巡らす。

 トリフルーメン城で一泊してリートゥスデンスの市壁の中に戻るため、夕食までに近くの村で酒を求めることはできる。

 魚か鶏ぐらいは戦勝祝いの恵みが降るかもしれないと思えば、酒で手を抜くことはできない。

 赤か白か、重いか軽いか、酸味、渋味、果実味はどうか。伯領リートゥスデンスでは、金さえあればいくらでも食事に悩むことができる。

 魚が食えるならそれは海の物か川の物か、脂も乗っていない季節だから鶏の方が嬉しいか。

 思い返せば手荷物に青カビのチーズを入れていた。それなら、飲むべきは何か。

 考えることはいくらでもあり、悩みの種が尽きることはない。

 黙考するレグルスがふと横に目をやると、空色の瞳がその顔を覗き込んでいた。

「何考えてるの」

「酒かな」

「そ。ねぇ……フィオナ様のお気に召すものがあると思う?」

 そう言って、彼女はフィオナ向けの商品目録を見せる。

 そこには砂漠や東洋の装飾品、北方の甘味のある岩塩、そして美しい物語を記した本のような、南部の港より砂漠の方が手に入れやすい貴重品が並んでいた。

「積荷の隙間に入る物ばっかりだな。空いた隙間で金儲けか」

「やだ、特別なお客様に特別な心遣いよ」

「ま、注文を付けてもらえれば儲けもんだな」

「バルカルセ家よ、お金持ってるもの。何も買わなかったら品性を疑っちゃう」

 シモーヌは大げさにため息をつく。

「金持ちは意外と使わないもんじゃないか?」

「まあね、だから持ってるんだけど。そこで欲を出させるのが私達の仕事。首飾りとかは現物持ってきたから、見ればきっと気に入る」

 彼女はそう言って辺りを見回し、天高くそびえる主塔を見上げる。

「それにしても……ここも大きなお城ね」

「確かにデカい、二千人は詰められる。設計は少し古いから、多分戦争続きの時代に建てた城だな。新しい城じゃ、あんな細長い主塔は大砲の的になるから建てない」

「へぇ、お城にも流行りがあるんだ」

「流行りもあるし、最近はあんまり城を造らなくなってきたかもな。造るのも維持するのも金がかかりすぎる」

「ま、お金はかかりそうね。そういえば、何かここの兵隊向けに何か売れそうな物とか……あ、戻ってきた」

 雑談をしている内に戻ってきた少尉に従い、護衛の騎兵達に待機を命じて主塔に向かう。空堀に囲まれた主塔の中はリートゥスデンス城に比べると快適さに欠けるが、レグルスの想像よりは随分と堅牢そうだった。

 螺旋階段の先、二階の城主の間には木の床の上に落ち着いた緑色の絨毯が敷かれ、多少は快適になっている。

 その窓際に据えられた席では、トリフルーメン城主フィオナ・ロベルティナ・バルカルセが机に書類の山を積み上げ、一部を熱心に読んでいた。

 彼女は顔を上げ、来客に明るい声をかける。

「あら! あなた達も紙を持ってきたの?」

「ご相談に参りましたが、手短にすませます」

 シモーヌは恭しく頭を垂れると、鞄から数枚の地図――争いの中で普及した測量技術の賜物を取り出す。

「輸送経路にいくつか変更の提案がございますので、ご説明に」

「良いわね」

 フィオナは立ち上がり、部屋の真ん中に置かれた長机に向かう。腰、脚と細く、濃い紫色の簡素なドレス。その裾が揺れて襞の濃淡が入れ替わり、焚き染めた香がほのかに薫る。

「文字ばかり見ていたから気分転換。それも……色々書いてあるようだけど」

 歩調に合わせて揺れる艶やかでまっすぐな黒髪に、色が濃く、それでいて透き通っている緑の瞳。精気に満ちて見えるが、丸く柔らかい目は充血気味で、端正な顔に疲れの色を差している。

 フィオナが椅子に腰かけるとシモーヌはその向かいに座り、手際よく地図を広げて話し始めた。

「まず、南東のコリサルビア城からこちらへの経路です。現在は距離を優先してこちらの橋を通過しておりますが、橋の前後共に林がよく育った複数の丘に囲まれており、伏撃されやすい地形です。橋はどうしても隊列が伸び切り、戦闘からの離脱が困難です。ですので、やや遠回りにはなりますが、ここで一旦街道に戻り、視界と道幅を確保します」

「この間輸送隊が攻撃された地形に似てるわ」

「仰る通りです。騎兵の展開も難しいので、極力避けるべきでしょう。次にこちらです」

 シモーヌは説明を続け、フィオナは順番に各経路の危険箇所を理解していく。あらかたの説明が済み、フィオナは大きく伸びをする。

 その様子を目ざとく捉えたシモーヌが、商品を書き連ねた目録と見本を入れた袋を手元に寄せてその口を開いた。

「ところでフィオナ様、フィオナ様は酷くお疲れに見えます。やはりトリフルーメンという要地を治めるのには、多くのご苦労がございますか?」

 柔らかく、どことなく甘さのある声音。シモーヌは目録を机に置き、袋から何種類かの香木や茶葉、瓶詰した蜂蜜を手際よく並べる。

 フィオナは一瞬驚いたような顔を見せたが、すぐにゆったりとした手つきで目録を手に取り、足を組んで読み始めた。

「香りや甘さにゆったりと身を任せる豊かな時間は、何にも勝る贅沢です。例えばそう、この蜂蜜などは特にお勧めできる品でございます」

 シモーヌは蜂蜜を売り込みながら、紅茶の詰められた薄い金属製の箱をフィオナの側に寄せる。フィオナの目は茶葉に吸い寄せられ、蜂蜜との間を往復する。

「その紅茶に蜂蜜を入れましょう、と?」

「仰る通りです、フィオナ様」

「悪くないわね。でもどうかしら? あなた達のことはとても信頼しているけど、良い物かわからない内はなんとも」

「もちろんです。中々数を集めるのも大変な物ですから、私も普段であればどうかご決断をと申し上げるところなのですが、えぇ、やはり伯爵閣下とフィオナ様に目をかけて頂いてこその私共ですので、少しお試しになってはいかがでしょうか。もちろん、その分は私からの贈り物とさせて頂きます」

 シモーヌの屈託のない笑顔にフィオナも思わず頬を緩め、気付けばメイドを呼び付けて茶の用意を命じていた。シモーヌは好機とばかりに首飾りや指輪を取り出し、机の上に並べて見せる。

「お茶を待つ間にせっかくなのでこちらも。夜会のご予定等おありでしたら、こうしたものもございます。このエメラルドなんてフィオナ様の瞳の色とそっくりで」

 大きな宝石の首飾りを手渡そうとした瞬間、メイドとは明らかに違う、急かすような音で戸が叩かれる。

 フィオナはただならぬ響きに目付きを険しくし、立ち上がって入室の許可を告げた。硬質で規則正しい足音と共に現れたのは、伝令の兵と士官が一人。

「北西より所属不明の勢力が接近中です。数は歩兵三百、騎兵二百、野戦砲四門!」

 フィオナは伝令の報告に長い溜息を吐いた後、片膝を軽く曲げて立っている士官に緑の瞳を向ける。その目つきは別人のように鋭く、士官はその威圧感に思わず背筋を伸ばし、踵を鳴らして足を揃えた。

「大尉。出撃した隊はまだ戻ってないわね?」

「はっ、伝令に二時間、そこから歩兵が戻るまで三時間は」

「ええ、そうね……我が方の状況は」

「砲兵隊は総員配置完了、二十門全て撃てます。歩兵第四中隊は総員集結し待機中。騎兵は中隊付きの軽騎兵三十が待機中」

「そう。関所からの報告は」

「ありません。恐らく山を越えたものかと」

「山から。まあ、越えられなくはない。西から来るならそうなんでしょう」

 トリフルーメン城は八百人からなる一個歩兵大隊と付随する砲兵、騎兵を預かり、約千人が配置されている。

 加えて、隣接するコリサルビア城の部隊もフィオナ指揮下として編成され、彼女の持つ兵力は本来であれば二千人程の大部隊。

 貴族間の小競り合いや野盗の討伐には、十分な数がそろっている。しかし、不運にもその大部分は不在。

「現時点で敵の数は我々の倍、予備戦力の有無は不明。目の前の敵に全力で当たりたいけど、周囲の偵察は必要ね」

 フィオナは眉をひそめて呟く。

「もっと騎兵がいれば楽なのに」

 溜息を飲み込み、シモーヌに顔を向ける。

「シモーヌ。悪いけど、あなたの兵を」

「承りました。偵察ですか?」

「いえ……斥候と伝令は、信号を理解する我々の騎兵で行う。せっかく百人まとまったあなた達を、細かく分ける意味もない。あなた達はとどめの一撃、最後に振り下ろす金槌よ。行きましょう!」

 フィオナは線の細いドレスのまま、裾や襞などないかのように早足に扉へ向かう。

 シモーヌはさすがに彼女の歩く速さについていけず、スカートを摘んで小走りで後に続く。

「あの、どちらへ?」

「現場確認、あなたは危ないから来なくていい。騎兵隊へ伝令! 周囲の偵察二十五、展開中の隊への伝令五で編成、完了次第指示を待たず出撃!」

 シモーヌはそこで足を止め、レグルスは早足で主塔の急な階段を降りる。彼は広場で騎兵に出撃待機を命じて、城壁の角にある円筒形の塔へ向かった。

 塔を登ると、すでにフィオナは北を向いて立ち、望遠鏡を覗きこんでいた。城がある丘の周りは植樹を禁じられているため、櫓からの見晴らしは良く、森から出てきた部隊の動きは隠せない。

 望遠鏡を下したフィオナは髪を後ろにまとめると、器用に赤いリボンで縛り、眼下の敵を睨みつけた。

「数が少ない。こちらに向かっているけど、まさかあれで攻城戦を?」

 彼女はそう呟いて周囲を見渡すが、目の前の敵以外には変わった物は見当たらない。

 森の中に援軍が隠されている可能性はあるが、それはフィオナが城から打って出なければ意味のない策であり、向こうから積極的に攻めることは考えにくい。

「こちらが全軍揃ってると思っているなら、さすがに少なすぎる。兵を出した隙を狙うにしても、半日で何を……」

 突如、大きな太鼓に似た音が聞こえ、風切り音が頭上を通り過ぎる。一瞬の間を置き、その場の全員がそれを敵の砲声だと理解した。

「遠すぎる!」

 フィオナが叫び、胸壁に駆け寄り身を乗り出す。その数秒後、立て続けに三度砲声が響き、一発の鉄球が主塔に命中した。

 細かい石の破片が散るのを見て、レグルスは訝しげに砲声のする方へ顔を向ける。

 砲兵が城に向けて発砲した。これは実に自然であり、何の不思議もない。問題はフィオナが叫んだ通り、砲の大きさからして射程が長すぎることにある。

 敵陣に並んだ四門の砲はこれと言った特徴のない、移動に都合の良い大きさの、金色に光る青銅の物。

 レグルスの知る限り、同じ大砲で砲弾の飛距離を伸ばしたければ、火薬の量を増やすしかない。

 だが、砲の重さに対して火薬が多すぎれば砲は暴れ狂う。そして砲の厚みに対して火薬が多ければ、それこそ惨事が待っている。

「大尉、我々の砲は届く?」

「高低差もあるので飛びはしますが、命中させ、破壊するのは困難です」

「そう」

 砲兵大尉が口にした専門家らしい控えめな回答に、彼女は黙り込み、腰に当てた手の人差し指だけを動かしている。

 大尉が次弾が来ると注意を促すが、黙考を続ける彼女は生返事しか返さない。

 レグルスの予想よりは長い間隔が空き、次の砲声。主塔に狙いを定めているのか、弾道は全て頭上高くをなぞる。

 生温い風が砲煙を吹き散らし、望遠鏡を覗き込んでいた砲兵大尉が声を上げる。

「敵騎兵、及び歩兵前進中! 一番から五番、砲撃用意!」

 鼓手が首から掛けた軍鼓を連打すると、砲兵は急かされながら火薬と砲弾を詰め込み、下士官が砲の照準を調整する。

 運搬役は軍鼓の音とずれた足並みで、次の砲弾を取りに走る。

「待ちなさい!」

 淀んだ空気を突き破る、よく通る澄んだ声。鼓声が止み、全員が足を止める。

「恐らくあの大砲は神殿が用意した物。なら、敵の目的は威力偵察と新型砲の試し撃ち。敵が十分に接近するまで発砲は禁止」

「フィオナ様、よろしいのですか?」

「我々の射程と装填速度の限界を、わざわざ教える必要はないわ」

 少し顎を上げ、目線で敵を示す。

「ご覧なさい。威勢は良いけど、まともに近づいて来ない」

 フィオナの言う通り、敵は城から数百メートルの所まで前進したが、今やその足は止まり、砲撃を避けて小さな班に分散している。

 それらしく銃を城壁の上に向けて構えているが、距離も遠く、引き金を引く気配は無い。

「しかし、砲撃を続けられても厄介です」

「そうね……」

 再び砲声。狙いが定まってきたのか、主塔に弾着が集中しつつある。半日近くこのまま撃たれた場合の影響は無視できない。

 砲の後方に数台の荷馬車が控えており、砲と一緒に大量の弾薬も運んできたのが見て取れる。

「レグルス。士官らしいのは少ないわね?」

「はい、断定は危険ですが」

「騎兵の武器はサーベルしか見えないけど、どうかしら」

 レグルスへ顔を向け問いかける。

「はっ。拳銃はあるかも知れませんが」

「練度については読み取れる?」

「多くは読み取れませんが、装備や馬を見る限りは……あまり儲かってはいないようです」

 フィオナが考え込むのに合わせ、レグルスも自身の頭の中で状況を整理する。

 敵の砲は優秀、その他装備の質は不明、練度も不明、敵の素性は不明だが、恐らくは神殿かその取り巻きが雇った傭兵。

 目的はフィオナの見る限りでは威力偵察と、新しい大砲の試験。

 さらに敵の士気、目的と考えを巡らし、レグルスの中で疑問が膨らむ。

「敵が受けた注文は何でしょうね」

「注文。命令の意味?」

「はい。傭兵はやはり命懸けですから、正直商売としては利が良いとは言えません。ですから基本的には注文に答えたか、あるいはどうやっても注文に応えられないと判断すれば帰ります」

 フィオナや士官達が耳を傾けているのを確認し、話し続ける。

「例外は都市や城の陥落が目的で、居残れば略奪できると思っているか、あるいは両軍共に傭兵を使っていて、裏で通じ合い戦闘を引き伸ばして契約を延長させる場合です。そして注文はすることだけでなく、してはいけないことも含まれます」

「重要なのは、敵を多く殺すことではなく敵の意図を粉砕すること。それは共通認識として、その上で?」

「私が考える限り、新型砲の存在は我々にとって有利に働きます」

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