第34話 別人格と会議
《そうだな。ま、ーンならかなり手こずるのは確定だな。俺も手伝おうか?》
「そうだなあ・・でも、エルは荒っぽいから、暫くは彼女の観察を続けるよ」
《そうか、でもお前じゃ無理な感じするけどな》
「なんで?」
《お前は優しいから。時には荒療治も必要だぞ》
わかってはいる。特に『僕ら』のタイプは多少荒い方が早く患者が楽になる事があるのを、海外の論文で見たことがあるが、あるのだが、彼女にそんなことはしたくなかった。
「ま、僕は僕なりの方法でやってみるよ」
《全く、やっぱり問題点に気付いてないじゃん》
「珍しいね、かがりが話しかけてくるなんて」
《本当、何処の風の吹き回しだ?》
頭の中で声が響く。今度は女性の声。彼女は『かがり』。
あまり話しかけてこない彼女が、僕に何のようだろう?
《私だって一応、『当事者』だよ。しかも今回は『同性』。これはかがり先生の出番でしょう》
「いや、『僕の患者』なんだけどね」
僕は溜息をついた。実は『僕ら』は、おおよそ、教授が確認しただけでも、二十人以上はいる。
その中でも『女性人格』は三割ぐらいだ。あとは『男性人格』が7割となっている。これでも当時に比べたら減った方だ。当時は五十人近くの人格が存在していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます