第34話 別人格と会議

 《そうだな。ま、ーンならかなり手こずるのは確定だな。俺も手伝おうか?》



 「そうだなあ・・でも、エルは荒っぽいから、暫くは彼女の観察を続けるよ」



 《そうか、でもお前じゃ無理な感じするけどな》



 「なんで?」



 《お前は優しいから。時には荒療治も必要だぞ》



 わかってはいる。特に『僕ら』のタイプは多少荒い方が早く患者が楽になる事があるのを、海外の論文で見たことがあるが、あるのだが、彼女にそんなことはしたくなかった。



 「ま、僕は僕なりの方法でやってみるよ」



 《全く、やっぱり問題点に気付いてないじゃん》



 「珍しいね、かがりが話しかけてくるなんて」



 《本当、何処の風の吹き回しだ?》



 頭の中で声が響く。今度は女性の声。彼女は『かがり』。




あまり話しかけてこない彼女が、僕に何のようだろう?




 《私だって一応、『当事者』だよ。しかも今回は『同性』。これはかがり先生の出番でしょう》




 「いや、『僕の患者』なんだけどね」




 僕は溜息をついた。実は『僕ら』は、おおよそ、教授が確認しただけでも、二十人以上はいる。



その中でも『女性人格』は三割ぐらいだ。あとは『男性人格』が7割となっている。これでも当時に比べたら減った方だ。当時は五十人近くの人格が存在していた。

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