第16話 意外と平和
F8番についた。思ったよりどんよりはしてなかった。
でも周りを見渡すと手首に傷がある人や、この時期、まだ暑いのに長袖の人が目立った。
でも笑顔もたくさんあった。
付き添いの人との会話だろうか、笑顔で返している人もいた。
思ったより憂鬱な雰囲気ではなかった。
受付に聡美が行き、私は一人、待合室。
そこにチャラチャラした格好の男が隣に座ってきた。あんまり関わりたくない人種だ。
でも、彼は違うみたいだった。
「ねねね、君はどうしてここに来たの?てか若いよね?いくつ?俺は二十五!てか、何の病気?てかてか、この服いいでしょ。どこで買ったと思う?まさかのドンキ!すごくね?あ、そうだ君、何のキャラクターが好き?サンリオね。今度ドンキ行ったら買ってきてあげるよ。君可愛いから!あ、そうだ!LINE交換しよ」
なんだこいつ。
私の本音はこれだった。意味がわからない。
とっ散らかっていてよく話ができない。
もしかしたらこれが笑っていた人達の現状?
私は即座に逃げたかったけど、エレベーターの時にも感じたガクンという感覚がまた襲ってきた。
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