第15話 行きたくない

 精神疾患の方には悪いけど、どう考えても私が精神疾患には思えなかったのと、なりたくはなかった。



 だって普通に働いているんだよ。



 なんで?



 鬱とかならわかる。



 でも私、鬱じゃないし、記憶が途切れるだけで、上司にも良い評価をもらえていて。



 少し泣きながら私は訴えた。



 「私が精神疾患なわけない!」



 半ば怒鳴るように訴えた。


 でも聡美は私の手を握って前に進んだ。




 「駄々こねたって意味ないでしょ!」




 確かにそうだった。私がどんなに駄々こねたって意味が無い。




 そもそもこんな事態になったのだって私が泣きながら聡美に相談したのが発端なのだから。




 精神疾患かどうかは先生が決める事、私じゃない。診察を取り付けてくれた先生にも悪いし、嫌だけど行くしかない。

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