第10話 平凡な日々を
数日後、聡美が働いている病院に私は来ていた。
聡美は先生に私の症状を話してくれると言っていたので私から話すことはない。
淡々と「そうです」「はい」を繰り返すだけであとはレントゲンとMRIを撮った。
聡美の働く病院は大きな市立病院なので紹介状のない私のお財布には大打撃になるが、背に腹は変えられない。
レントゲン代もバカにはならないし、MRIもかなりの高額。
でもこれで、私が『普通』の人間であると証明できればいつも通りの生活に戻れるわけだ。
もし病気であったとしても、早期発見ってことですぐ治ることだろう。
私はそう期待して診察を受けました。
検査の結果はまた後日とのことだったので、その日はバカ高い検査代を払って帰った。
それからも仕事はもうほとんど記憶がないうちに終わっていることが多く、帰りはいつも定時で、お菓子を何故か買っていることがほとんどだったが、帰れた。
上司も私のことを認めてくれていて、昇格の話も出てきた。ありがたいことだ。このまま、変なことは起こり続けるだろうけど、平凡に『普通』に暮らしていければ、と思った矢先のことだった。
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