第3話 無事のコロッケ
どうやって帰ったのか、どうやってあの状況を切り抜けたのか、私にはわからない。ただ、『私は無事に帰れた』それしかわからなかった。二日後、私はイヤイヤながらも会社に出勤した。あの上司は今日は怪我で欠席とのことでホッとした。
一体、あの夜、何があったのかは知らないが、とにかく、このことは心にしまっておこうと思った。仕事は順調に進み、今日は定時に帰れそう。上司がいないだけでこんなにも進むと思うととても気が楽だ。あの上司は私によく雑務を押し付けていたので、それがないだけでこんなにも楽だなんて。怪我をしたという上司の心配なんて一ミリも思わなかった。
後輩のサポートもしつつ、定時に上がり、私はいつもの帰路に着いていた。カツカツとヒールの音だけが聞こえるトンネルの中、私はウキウキしていた。定時に上がれたので、商店街の大好きなコロッケ屋さんのメンチカツとコロッケが手に入れることができた。今晩は美味しい食卓になるだろう。
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