第13話 喫茶Gehennaの業務
喫茶店の壮観見ると、日本では見ないようなバロック調の建築様式だった。
白神 恋「立川にこんな店があったとは...」
大館 幸「まあ立川駅付近のイメージと全然違うと思うけど。だいぶ離れてるし、一応は立川ね。」
乳頭 慶「なんか昔見た作品で既視感があるような...でも川が無いから別の場所か。」
大館 幸「なんのことか分からないけど、よくフランスのコルマールにありそうと言われるわ。だからこの店の付近は半グレの溜まり場になってる実情と掛けてフランス語で悪夢を意味する"コシュマール通り"て呼ばれてるわ。」
田沢 良「それって、馬鹿にされてるんじゃ...」
大館 幸「有名になってないよりは良いの!」
玉川 好「にしてもこんな綺麗な場所なのに半グレがいるなんて残念ね。見たところそんな治安悪そうじゃ無いけど。」
大館 幸「まあ今やここら辺で半グレの組織と言えばNYくらいしか無いからね。そこまで治安は悪くないけど。ただ怖いお兄さんは沢山いるわ。」
白神 恋「そう言えば、確かNYの命令で俺たちを匿う事になったんだよな?そこら辺の経緯知らないか?」
大館 幸「うーん、よく知らないわ。NYに腐れ縁いるけど、最近あんまり会わないし。急に来たから。」
分からないか。まあ仕方がない。ここら辺がNYの本拠地なら、そいつらから話を聞けばいいだけだし。
白神 恋「ん、そう言えばNYに腐れ縁がいると言ったよね?」
大館 幸「あ、うん、幼なじみなんだけどね。NYの頭目が。」
白神 恋「そうなのか。もしかしてそいつの名前って、"奥羽 壮"だったりしない?」
大館 幸「そうそう!知ってるんだ〜。」
先程は言葉に詰まったような気がしたが、今度は感慨深そうにそう呟いてくれた。
白神 恋「俺たちをここに連れてきたのも多分そいつだ。」
大館 幸「あ、それはそうだよ。壮に直接連れて来られてた。」
玉川 好「その奥羽ってやつと、どういう関係なの?」
大館 幸「うーん。さっきも言ったけど幼なじみなのと、後...」
玉川 好「もしかして初恋だったりして〜?」
大館 幸「...まあでも、半グレになっちゃったけどね。昔は、警察とか公務員を目指してたのに。」
乳頭 警察「そうなのか...」
白神 恋「話してくれてありがとう。ところで、俺たちはもうここから出てもいいのか?今すぐは無理でも、都心に戻りたい。」
大館 幸「それはダメ。壮に立川から1歩も外に出すなと言われてるから。。じゃないと私が殺されて、あなたも殺されちゃうわ。」
白神 恋「そ、そうなのか...」
田沢 良「数日はお暇させてもらおう恋。彼女もそう言ってるし。どうせ向こうで出来ることなんて無い。」
まあどうせまず奥羽に会わないと行けないからな。
大館 幸「壮に会いたいなら、多分数日は会えないと思うわよ。あいつ毎日拠点を変えているようだし。でも...」
1呼吸終えて
大館 幸「うちの従業員に、彼の妹分が2人いるわ。だから間違いなくまたうちに来る。やっぱりそれまでうちにいた方がいいと思う。」
白神 恋「2人もいるのか。」
大館 幸「血は繋がってないけど、色々あってね。」
乳頭 慶「でも、タダで寄宿するのもな...」
大館 幸「安心して。もちろんタダで住ませてやる訳じゃないから。それぞれ週3くらい働いてもらう。」
田沢 良「週3でいいのか...それはありがたい。」
大館 幸「最初は苦労するかもだけど、慣れれば簡単だからね。部屋はさっきの2つ、この日とこの日に働いてもらうから、4人で話し合って決めてね。」
乳頭 慶「とんでもなくホワイトなアルバイト見つけたな〜」
田沢 良「その代わり安月給だけどね。流石半グレ組織の縄張り。」
白神 恋「まあでも週4自由に動けるならそれで十分だな。」
玉川 好「ところで、私一人だけ別の部屋でいい?」
田沢 良「ちょ、それはずるいよ。...ずるくない?」
乳頭 慶「あんまり話を拗らせたくないな...まあ好だけ女だし。その代わり好には沢山労働してもらえばいい。」
玉川 好「ちょっと?なんでそんな話になるのよ。」
白神 恋「そうしよう。どうせ1番調査に向いてないの好だし。」
玉川 好「ガビーン...れ、恋...」
田沢 良「まあそれなら仕方ない。」
玉川 好「仕方ないじゃないよ!」
労働日数など大まかなことは決まったし、とりあえず見学させて貰おう。
大館 幸「喫茶店の仕事には主にバリスタ、キッチンスタッフ、ホールスタッフの3つがあるけど、基本的に全部こなして貰うからね。」
そういって厨房に案内された。
白神 恋「でもバリスタの作業って、難しそうだな。」
大館 幸「大丈夫。大体いつも2人従業員がいるから、詳しいことはその子たちに聴いて。一応、これがコーヒーサイフォンね。」
田沢 良「蒸気を使って濾過するんだっけ。」
大館 幸「そうそう。他にも、カプチーノやカフェラテの原液を作るためのエスプレッソマシンとか、ドリップとかもあるわよ。」
ドリップと言えば、紙で濾過するやつか。実家の母もよくそれで飲んでたな。
大館 幸「後これがシェイカー。これに氷を入れて後ジンとかオレンジとか入れてからこれで蓋をして振ってカクテルを作るの。」
白神 恋「カクテルもあるの?」
大館 幸「うん。」
乳頭 慶「まあ別に喫茶店にアルコールがある所は珍しくないけど。カクテルは聞いたこと無かったな...」
大館 幸「キッチンでは、主にお菓子を用意するの。これが業務用のホワイトケーキ。これにホイップとイチゴを乗せてね。他にも...」
その後、様々な菓子類の提供の仕方を教わった。1から作ることは無いようだ。
大館 幸「あとはホールスタッフだけど、別に言われなくても分かるわよね?制服は用意してあるから、適当なサイズのを選んでね。洗濯したかったらコインランドリーでも使って。」
面倒になってきたのか、徐々に1文ごとの情報量が凄くなった。
大館 幸「こんな所かしらね。基本的に平日は半グレしか来ないから接客は丁寧にね。クレームが来たら土下座する。それを上層部に報告する。返信が来なかったら、どうにかしてね。」
ホワイト発言を撤回する。
白神 恋「その...戦闘力とかはどうなんですか?常連客の。」
研修でこんなこと聞いた人は俺が初めてじゃ無いだろうか。
大館 幸「そこまでね。幹部級とかも滅多に来ないし。」
こうして(爆速で)研修を終えた。
話し合いの結果、基本的に俺と良、慶と好と分かれて働くことになった。
田沢 良「なんか不安しか無いんだけど...労務は基本的に楽だけど、奥羽ってやつの妹2人と会うのが...」
乳頭 慶「可愛ければいいな。いやせめて大人しければいい...」
白神 恋「全くだな。」
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