第2章 半グレ集団 Nomad Squad
第12話 立川市不死身町
(1章のあらすじ)
skystarでの銃殺事件に使用された銃弾から中国マフィア「蛇竜」の関与を疑い独自で探り始めた白神一行、その先には都議会議員「渡辺 翔」の姿があった。益々謎が深まる一方、白神達は半グレ組織「Nomad Youngers」の手によって攫われる。しかし歌舞伎町始め東京は白神の都合に関係なく、一層昏くなって行くのであった...。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目を覚ますと、見慣れない天井だった。いや、既視感あるようなないような...少なくともこれは初めて見る天井だ。木造だ。
ここはどこだ...まず、気を失う前どこに...そうだ、俺はあの奥羽に撃たれたんだ。だがその傷は見当たらない。それよりも、俺の全身に何やら...まず酸素マスクらしきもの、そして点滴が。木造の部屋に不相応な設備があった。
白神 恋「ここは一体...」
まだ寝起きなので考えても仕方ないと思い、しかし点滴やらを自力で外すのはなんとなく怖いので天命を待つことにした。周囲を見回すと、隣のベッドには慶が横たわり、俺と同じ状態になっていた。
白神 恋「(あ、いた...)」
乳頭 慶「お!起きたか恋!」
明らかにこちらと反応に差があるのは置いといて、
乳頭 慶「ここはどこだ?お前は...分かるはずないか。」
白神 恋「傷は痛まないか?お前も撃たれたような気がするんだが。」
乳頭 慶「俺は大丈夫。他のふたりは?」
そういえばもう2人いたんだっけ。寝すぎたのか頭が働かない。
乳頭 慶「ここはどこだ?確か俺たち...NYの連中に撃たれたはず。」
???「目を覚ましたようね。」
すると、突然恐らく上の年齢の方のお姉さんが現れた。
???「他の2人なら無事よ。別の部屋に隔離している。ちょうど目覚めたところ。」
白神 恋「ここはどこか、お前は誰か、話してくれるか?」
???「うーん。それよりも、今日が何日かわかる?」
白神 恋「今日が?えーと...11月は合ってるよな?」
???「それは間違いない。」
白神 恋「うーんと...3?いやもう少し寝てたかな。4とか5とか。いやもうそのくらいになるとピンポイントで当てるのは難しいな...」
???「30よ。」
白神 恋「30てわかるか...」
恋&慶「30!!??(°Д°)」
驚きの数字が返ってきた。まさか3週間眠っていたのか...
???「予想以上に目覚めなくて焦っていたわよ。こんな大掛かりな装置を導入するのも初めて。」
乳頭 慶「...ところで奥さん。名前聞いてもよろしいですか?」
???「はいはいどうぞ。私の名前は大館 幸。喫茶Gehennaのウェイトレスです。」
白神 恋「喫茶?」
大館 幸「今貴方たちがいる喫茶店です。」
白神 恋「なるほど。でも、なんで俺らがここに?知ってるか?俺らが目覚める前、NYと言う半グレ組織に撃たれてるんだ。」
大館 幸「そのNYのメンバーがここに運んできたのよ。ここはNYの所謂"ケツモチ"ってやつだしね。ケツってあんま綺麗な言葉じゃないから使いたくないけど。」
白神 恋「そ、そうだったのか...」
乳頭 慶「ていうことは、ボスの事も認知してるよな?」
大館 幸「うっ...そ、そうだけど、認知っていうか...」
急に歯切れが悪くなったな。あんまり聞かれたく無かったか?
乳頭 慶「わ、わかった。でも、この店にマスターとかいないのか?」
慶も察したのか、話を変えた。
大館 幸「い、いるわよ。私の父だけどね。呼べば来ると思うけど。あ、もちろん貴方達のことも知ってるわよ。」
乳頭 慶「そうか。いや、今はいい。いずれね。あと、これ外していいか?自分で外すの怖いんだけど。」
大館 幸「あ、確かに。ちょっと待って。」
そう言って大館は点滴やらを外してくれた。
乳頭 慶「あっ、あ〜確かに久しぶりに解放されたような気がする〜!」
白神 恋「そうだな。他の2人についても、外して貰えないか?」
大館 幸「うん。別に難しくないからいいけど。」
そう言って大館はこの部屋から去っていった。
しばらくした後、大館が2人を連れて来てくれた。
田沢 良「ああ恋〜。」
白神 恋「ああ、恋だ。久しいな。記憶の中では昨日のような出来事だが。」
玉川 好「ほんとに良かった...もうダメだと思って...」
白神 恋「そう言えば、俺らをここに連れてきた理由、この店がどこにあるのか聞いていなかったな。」
乳頭 慶「確かに。」
大館 幸「それが...私にもよくは分からないのよ。でも、壮には匿ってくれって。後、」
大館が一息入れて、
大館 幸「ここは東京都立川市不死身町
。NYのお膝元よ。」
そう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます