20世紀の怪奇

プロローグ

第1話 光の果て、闇の兆し

2027年12月25日お台場海浜公園

ここでとある計画を企てている男性たちが5人程いる。

中低音声の男性「準備は出来てるか。お頭君?」

長ドス使いのの男性「だから、"お"を付けると盗賊の首領みたいになるだろって。...俺たちは大丈夫。それよりも、澪たちはどうなんだ?彼女らが鍵となるんだが。」

そう聞くと、トランシーバーから

中性的な声の男性「問題ないそうだよ。こちらが合図を送り次第、計画を実行出来る段階にある。」

屈強な男性「それじゃあ、問題ないか。」

一同は1人の男性に視線を移す。

総髪の男性「皆。今日は思い切りやっていい。過去の精算と、国、そして我々の未来のために。」

そして、一同はお台場に浮かぶ、リゾート地に侵入した。

外国人「(なんだあいつら)!?」

外国語の怒号と悲鳴が入り交じる中、一同はどんどん奥へ進んだ。

外国人「(ここから先へは行かせるな!)」

すると、青龍刀を持った輩が続々と集まった。

脚長の男性「ワッツ!?何処にそんなに武器を隠してたんだよ!」

長ドス使いの男性「ふはははは!血がたぎるな!」

屈強な男性「喧嘩上等だ!」

総髪の男性「無理は承知だ。その上でだ!皆仲良く狂い咲こうか!」

総髪の男性もそう言って日本刀を持ち出し、そして

総髪の男性「くらえ!」

総髪が一振りした時、青い閃光が走り、敵陣をあっという間に蒸発させた。

外国人「(くそう!まさか究極体か!)」

総髪の男性「ここで耐えれば勝利確定!行くぞ!」

抗争は泥沼になった。人海戦術で立ち向かう外国人たちに対し、少数ながら圧倒していた。すると突然、複数の爆発音とともに地面が揺れた。

中低音声の男性「ついに来たか...!恋!お前だけ行け!雑魚は俺たちが相手する!」

そう言うと、総髪の男は敵集の中を突っ走って行った。


総髪の男性「...成功か。」

総髪の男が目にしたのは、大量の札が空に散らばる光景だった。そして、その中に紛れて立ち尽くしている男がいた。

40前半の男性「最初チンピラだと決めつけた奴が、こうもな...。沢城の言う通りだった...。天下は、お前にふさわしい。」

総髪の男性「俺とて、そんな褒められたような事をした覚えは無い。でも、俺は、ひたすら自分がやるべき事をこなして来ただけだ。そしたらいつの間に...」


(半年前)


2027年10月中旬、歌舞伎町さくら通り、中華レストラン、紫竹園(しぢくえん)。そこに2人の男がいたが、一方の小柄の方は田沢 良、主に情報要員だ。年齢は知らない。そして俺は白神 恋。年齢は24だ。今日はとある仕事で紫竹園にいた。

中神 恋「...まだ連絡は来ないか?連絡漏れとかないかな...」

拝島 良「いや大丈夫だと思うぞ。まあ好は心配だがな。にしても上手いなこれ。もっと宣伝出しなよ。絶対歌舞伎町No.1になるって。」

中神 恋「やだよ。連中には顔が割れてるし、趣味で研究してるだけなんだから。」

拝島 良「恋。慶の方からだ。金龍閣。場所は区役所通りの付近だ。結構距離あるな。」

中神 恋「やっぱりそっちにいたか...慶をよこして良かった。それじゃ。」

そう言って紫竹園から立ち去った。


(金龍閣にて)

国立 慶「はあ...はあ...いい加減にしろ。」

厨房の男1「分かってんだよこっちは!貴様が米原会の残党だってことをな!」

国立 慶「勘違い甚だしいわ...」

厨房の男2「誰でもいいんだが、こんな大勢相手に怯まない奴が普通の奴なはずがないんだよ!」

俺が来た頃には既に乱闘になってた。どうやら、慶1人で5、6人は倒してるようだ。

乳頭 慶「おい恋!遅かったぞ!もう少しで骨を折ろうか考えてたところだったぞ!」

中神 恋「おっとすまん。」

こいつは国立 慶(くにたち けい)。こいつは古くからの付き合いだ。。

中神 恋「さて。本職の連中を出してもらおうか。いるんだろう?奥に。」

厨房の男3「誰が来たかと思ったら、もっと弱そうなのが。」

黒スーツの男1「くっくっくっ。ようやくお出ましか。米原会の連中どもよ!」

またそんな勘違いが...。まあ職業上は都合がいいのだが。

黒スーツの男2「2人だけで来たことを永遠に後悔するが良い!」

中神 恋「そうか...ならば仕方ない。」


手始めに左手の手袋をとり、その手を起点に、ルミノヴェルムの副作用を解放した。

黒スーツの男1「なっ...!?」

あまりにも自然と行うから忘れるが、これができる者は限られてるんだっけか。ルミノヴェルムの摂取量により、実験体、強化体、完全体の3種類に別れる。実験体はルミノヴェルム摂取し始めた頃で、ルミノヴェルムの主作用である肉体や能力の強化を一時的に受けられるが、死亡リスクが非常に高い。それを乗り越えて強化体になればリスクが少なくなり、恒常的な強化を受けられる。恐らく、目の前にいる奴らはまだ強化体にすらなっていないのだろう。

黒スーツの男2「脅しやがって!」

大きめのスイングをくらわしてきたが、軽くかわして、顔面に拳を入れてやる。

黒スーツの男1「てめえ!」

黒スーツの男3「ふざけやかって!」

2人同時に襲いかかってくるも、すかさず3人目にはカウンターをくらわす。

黒スーツの男3「ぐはぁ!」

そして...

黒スーツの男1「うぐっ!...何をするつもりだ...!」

1人目の男の首を抑え、そして

中神 恋「うおぉぉぉぉっ!」

黒スーツの男1「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

男は見る見る体を消滅していった。


黒スーツの男2「!!??」

黒スーツの男3「な、なんだ今の...。」

予想通り怖気ついたか。

中神 恋「最近はこの程度のが多いな...」

国立 慶「幹部諸共見なくなったよな。」

中神 恋「さて。ちょうど君らが出てきてくれたんだし。さあ。隠し持ってるルミノヴェルムを。」

黒スーツの男4「ぐっ...」

ルミノヴェルム。所謂麻薬の部類に入り、接種者の健康を急速に蝕むと共に死に至らしめるが、一方で接種者の力を大幅に増幅させることが可能なのだ。俺の知人は(ほとんど外圧により)接種者であり、究極体と呼ばれるルミノヴェルムの主作用に完全に耐性を付けている。

黒スーツの男1「本部の方たちに連絡入れるからな!」

黒スーツの男4「一昨日来やがれ!」

それは追い返す時に使う言葉だ...。

黒スーツの男3「くくく...」

国立 慶「ん?」

黒スーツの男3「くくくくく...」

中神 恋「どうした?何がツボにはまったのか。」

黒スーツの男3「お前らは自分が何しでかしたか、分かってないようだな...」

中神 恋「どういうことだ。」

黒スーツの男3「決まっているだろう。お前らはこの街を守れていると勘違いしてるようだがな...それももうじき終わりだ。」

国立 慶「なぜだ?」

黒スーツの男3「2ヶ月後...2ヶ月後だ!...今も着々と計画は進んでいる...終わりは...突然来るんだよ!ケケケケケ!」

男は立ち去った。

厨房の男2「果て...何のことでしょうか...」

国立 慶「さあな。ハッタリかそれとも...」

中神 恋「ああ...」

正直気がかりだが。俺にはもっと気にかけるべきことがある。まあ覚えてたらでいいか。ちょうどクリスマスと大晦日だし。

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