もし、わたしに魔法が使えたなら。
ヲトブソラ
もし、わたしに魔法が使えたなら。
もし、わたしに魔法が使えたなら。
たとえば、
“魔”
この漢字一文字だと、とても不穏な印象がある。あまり良ろしくない雰囲気すら受ける。ひとによっては不快に、ひとによっては不吉にも感じるだろう。しかし、もう一文字付け加えて、
“魔法”
こうしたならどうだろう?
ふたつ以上の漢字から成り立つ“熟語”というやつだ。この“魔法”という漢字を見たり聞いたりするだけで、わくわくするひとも多いだろう。かく言うわたしもそのひとり………でありたいと思うのだが、残念な事にわくわくなどしない。何故なら、わたしはこの文章を打っている人間のワープロソフトなので、そう思いたくとも思えないのである。
だけど、ひとつ。何となくであるが、わくわくするという事が分かるような気はするのだ。それはこの文章を打っている人間のタイピング速度が速くなったり、遅くなったり、文字を消す回数で何となく分かる。
いま、どういう物語をさす文章が打たれているのか。そして、執筆者がどういう気持ちで、わたしを使っているのか。そのような見当は、だいたいつく。
もし、わたしに魔法が使えたなら、わたしはどんな事を可能にするだろうか。魔法を使う事が出来たなら、きっと“わくわく”する事をしたいと思う。
おわり
もし、わたしに魔法が使えたなら。 ヲトブソラ @sola_wotv
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