第677話
『人間の諸君。聞こえるかね?私はこの世界を管理するオーディンじゃ』
「なんだ。この声は・・・?」
「頭に直接聞こえる・・・?」
クロードと建御雷神は自ら行ったこともあるので大丈夫だが他の人達は混乱しているようだ。
「落ち着いてください。これは神託です」
ヴァルキリーであるブリュンヒルトが落ち着くように言う。
『諸君。急に魔物が増え困っていることだろう。これは、この世界に異物が侵入したことによる世界の自浄作用である』
「ぬけぬけとよくいうぜ・・・」
建御雷神がそう言い捨てる。
「建御雷神。少し手伝ってもらっていいですか?」
「構わんが。何かするのか?」
「神託に干渉してゲストを呼ぼうかと」
「なるほど・・・」
その間もオーディンの神託は続く。
『その遺物はゲルマン王国のクロード・フォン・プロミネンスだ。人々よ元凶を断つために武器を取れ!』
『何が元凶だ!すべての原因はお前だろうが』
そう言って割り込んできたのは精霊王である。
『貴様。どうやって神託に割り込んできた?』
『この腐れ爺。よくもやってくれたな』
そう言って新たな人物が割り込んでくる。
その正体は邪神といわれるロキだ。
『お前まで・・・。お前達は自分の仕事をしておればいいのだ』
天上の方々が口うるさく神託で喧嘩をはじめる。
神託に口を挟めたのはクロードが神託に干渉したからだ。
『まさか・・・』
遅まきながら原因にオーディンは至ったようだ。
『少しばかり邪魔するぞ』
そう言って新たに神託に割り込んできた人物がいる。
その正体は天照大神だった。
『貴様!他神話に割り込むだと?』
『先に仕掛けてきたのはお主だろう?私の管理する世界に手を出しておいてぬけぬけと』
『ぐぬぬ・・・』
『役者は揃いましたね?オーディン。貴方はやりすぎた。貴方には罰を受けてもらう』
『この声はクロードか!人ごときが神に罰だと?恐れというものを知らんのか?』
『残念ながら人として告げているわけではありません』
『なんだと・・・?』
『クロードよ。あの方達から許可はとってきた。好きにせよとのことだ』
『お手数をおかけしました。では、神殺しとしてオーディン。貴方を討ちます』
『まさか貴様の正体は・・・』
『今更わかったところで遅い。我ら日ノ本の神はこの決定に従おう』
『すまぬが我らは下手に動けない。この世界を頼んだぞ』
精霊王とロキは現状を維持するだけで精一杯のようだ。
『予定は狂ったがそれならばはじめようじゃないか。ラグナロクを・・・』
オーディンの方も覚悟を決めたようだ。
ならばこちらも世界の癌の大掃除をはじめよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます