第569話
クロードは精霊達に剣に宿ってもらいゴーレムをバターを溶かすように切り裂いていく。
精霊達がゴーレムの弱点属性を瞬時に判別して次々に入れ替わってくれるので非常にハイペースで狩ることが出来ていた。
ハイエルフ達があまり狩りに来ないということで最初はフロア全体を埋め尽くすようにいたゴーレムだが確実に数を減らしていった。
無尽蔵の体力を誇るクロードと言えど夜までに進んだ階層は10層だけだった。
ドロップ品を持ってファフニールの元へと寄ってからイフの家に戻り夕食を取って就寝した。
剣に宿った精霊は剣の性能を上げる方向性で悩んでいた。
他の精霊達を宿してわかったのは宿った精霊達の力を十全に使えていないことだ。
宿った力をロスしているだけでなく刀身にもダメージが入っていた。
一晩メンテナンスをすれば治る程度のダメージでしかないがそれでも問題は問題である。
第一目標であった耐久値は十分あげられたと判断して精霊達との親和性を高めることに決めた。
とはいえ親和性をあげるためのデータが不足している。
全てを能力へ割り振るのではなく保留して数日はデータ集めに集中することに決めたのであった。
クロは悩んでいた。
クロードが集めた魔力は人とは思えないほどのペースで溜まっている。
しかし、神としてみればそれは微々たるものだ。
このまま続けても神力を扱えるようになるには長い期間がかかるだろう。
ならばどうするか・・・。
クロが決断した方法は神力を使える力に変換してやるというものだった。
だが、クロは現在受け持っている他の神々への隠蔽などで手を離せない。
そこで、眷属の1人を起こすことにした。
起こすために大量の魔力を消費するが変換された力の方が役に立つだろう。
「白いの起きるにゃ」
クロが声をかけたのは白い蛇だった。
「なんだ、黒いのか」
「主様の為に仕事を頼みたいにゃ」
「む・・・。主様が目覚めたのか」
「完全に目覚めたわけじゃないのにゃ。頼みたいのは漏れ出ている神力を人の体でも使えるようにすることにゃ」
「それはいいけどどういう状況なんだ」
クロは今の状況を白蛇に説明した。
「なんだかややこしいことになっているな。だが、わかった。引き受けよう」
クロードの眷属は強大な力を持ち我が強い者も多い。
しかし、主に対する忠誠度は抜群に高いのである。
彼等の願いは主の為に尽くすことだ。
こうしてクロードの知らないところで眷属達は動き出したのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます