第567話
ハイオークキングとハイオーククイーンはあまりの実力差に絶望していた。
どれだけのハイオーク達を送り込もうと簡単に壊滅させられる。
しかし、いくら倒されようとも配下を送り込むしかなかった。
そうしなければ自分達も死者の仲間入りだとわかっていたからだ。
結局、クロードの狩りは心配して様子を見に来たイフが現れるまで続いた。
ハイオークキングとハイオーククイーンはどこか救われたような顔をして消えていった。
クロードはドロップ品である肉や魔石、ハイオーク達が装備していた武具などを素早く回収して帰路についた。
イフの家に着いたクロードは休むことなく料理にとりかかった。
野菜類はイフが用意しておいてくれたらしく豊富に揃っている。
適当なサイズに野菜カットしていき肉類も食べやすいように大きさを整える。
後はお好みで味を変えられるように数種類のタレを用意して準備は完了だ。
カットした食材を庭先に運び最後に魔道具の七輪を出してイフを呼びに行く。
「イフさん。準備できましたよ」
「そうか。今行く」
イフさんを連れて庭に戻り七輪を起動する。
十分熱されたことを確認して肉や野菜を網に乗せて焼いていく。
「クロードまだか」
「もう少しです」
イフさんの方からくぅ~と可愛らしい音が聞こえる。
どうやら腹ペコのようだ。
腹ペコの状態でこの匂いは確かに辛いだろう。
クロードは焼けた物を受け皿に乗せてイフに渡す。
「タレは数種類用意したので色々試してください」
「わかった」
言葉も終わらないうちから箸が動き肉は次々と消えていく。
クロードは野菜をちょびちょび食べつつ焼き役に徹した。
そこに鍛冶の師匠であるファフニールも加わり慌てて追加の肉を用意する。
二人は酒も入り機嫌が良さそうだ。
焼肉は好評のまま終わり酔い潰れたイフを寝室に運び後片付けをした後、自室に戻った。
自室に戻ったクロードは日課となっている自分の内側へど潜る。
来るのがわかっていたのか既にクロが待っていた。
「お疲れ様にゃ」
「今日の結果はどうだったかな」
「言いにくいんだけどにゃ。全然足りてないのにゃ」
かなりのハイオークを倒したがそれでもダメだったらしい。
「主様は頑張ってるにゃ。でも、目的にしている性質を考えれば仕方ないのにゃ」
漏れ出ている力の正体は神力だ。
現在は、漏れ出ているほんの少し神力を扱うのが精いっぱいだ。
無理して使おうとすれば存在そのものが崩壊する可能性もあると説明を受けていた。
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