第566話
クロードはあっという間に700層まで世界樹を踏破していた。
フロアにいるハイオーク達だけでは目的を達するのに足りていなかったのだ。
世界樹の700層はフロアボスが2体いる珍しい構造だ。
配下を指揮し自信も強大な力を誇るハイオークキング。
そして、ハイオークキングが指揮する配下を無限に生み出すハイオーククイーン。
圧倒的な物量を誇るこの構成にゲーム時代ではよくレイドが組まれていた。
このフロアに挑むと知ったイフは止めてきたがクロードとしてはこのフロアを逆に利用するつもりだと言って足を踏み入れた。
足を踏み入れた瞬間にハイオークジュネラルが陣を組み突撃してくる。
クロードが剣を横に一閃すると斬撃が発生しハイオークジュネラル達を巻き込んでドンドンでかくなってゆく。
ゲーム時代にはこのような攻撃方法はなかった。
これはクロが戦闘技術系の記憶の一部を開放してくれたことにより使えるようになった技だ。
斬撃はハイオークジュネラルを半数ほど巻き込んだところで霧散した。
本来の威力であれば今の一撃で全てのハイオークを屠れるほど強力なものらしいが今はこれが限界だ。
空間が出来たので範囲系の魔法であるファイアボールを適当にばら撒き様子見をしていたハイオークスナイパーやハイオークハイウィザードなどの後衛系のハイオーク達を削りにかかる。
最初は混乱していたがハイオークキングが一声発すると混乱は立ちどころに収束した。
ハイオーククイーンは削られたハイオーク達を即座に補充してくる。
次の一手をどうするか考えていると天井から殺気を感じた。
即座に反応して避けると短刀を手にしたハイオークが落ちてきた。
暗殺を得意とするハイオークアサシンである。
普通の人では死角になりそうな場所から続々と攻撃される。
クロードはハイオークアサシンに取り囲まれていた。
不意打ちに失敗したというのにハイオークアサシン達は引く気配はない。
ハイオークアサシン達の目的は時間稼ぎのようだ。
初手で削られた軍勢を立ち直させるのが目的だろう。
クロードは剣を横にして一回転する。
それだけで周囲を囲っていたハイオークアサシン達を一掃してしまう。
だが、その動作をしたことによりハイオーククイーンによるハイオークの補充は完了していた。
振り出しに戻ったわけだがクロードはニヤリと笑った。
ドロップ品の回収はできないがクロードの目的はハイオーククイーンが無限に生み出すハイオークそのものだったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます