第515話

世界樹探索は順調に進み200層まで到達した。


200層はフロアボスが存在しており土でできた巨大なゴーレムだ。


それだけでなく通常サイズの土のゴーレムが無限湧きしてくる。


通常ゴーレムは核が存在しておりそれを破壊することで討伐できるが巨大なゴーレムは核が存在せず体力を削ることでのみ討伐することが出来る。


クロードと精霊達は事前に話し合いをしており、通常のゴーレムを精霊達が。


巨大なゴーレムはクロードが相手をすること運びとなっている。


巨大なゴーレムはその見た目とは裏腹に素早く動き強烈なパンチを放ってくるがその動きは単調で確実にカウンターを決めてダメージを蓄積していく。


精霊達も通常のゴーレムに的確に魔法を当てて核を露出させ殲滅していた。


通常のゴーレムが無限湧きする為、ドロップアイテムがショボいということ以外は精霊達を鍛えあげるには適した階層と言えるかもしれない。


実際、過去のエルフの中には巨大なゴーレムを無視する形で通常のゴーレムだけを狩り続けた猛者もいるらしい。


クロードは危なげなく巨大なゴーレムの体力を削りきりフロアを眺める。


巨大なゴーレムが倒されたことにより通常のゴーレムが湧きが止まりフロア全体が静寂に包まれる。


ドロップ品を回収し安全地帯に移動したクロードは意外な人物に迎え入れられた。


「やぁやぁ。君がクロード君だね。初めまして僕はカラン・マスクウェル。土の大精霊ノームと契約しているハイエルフさ」


「はじめまして」


「まずは、一部とはいえ同胞であるエルフ達が迷惑をかけたね。謝罪しよう」


どこか事務的にそう言って頭を下げてくる。


「いえ、被害は受けていませんから」


「そう言ってくれると助かるね。実はメイアンから君宛に手紙を預かっていてね」


そう言ってカランは懐から手紙を取り出し手渡してくれる。


「拝見します」


手紙の封蝋は驚いたことにゲルマン王国王家の物だった。


封を破り手紙を読んだクロードは状況を整理する。


シンラ帝国が人を苗床にして魔物を量産していること。


それに対してゲルマン王国は各国に状況を説明し大同盟を結成。


近々シンラ帝国に対して宣戦布告し全面戦争に突入するとのことだった。


一度、世界樹を抜け出し戻るべきかとも考えたが手紙には続きがあった。


この戦争はクロード抜きで戦う為、修行に集中してほしいとのことだった。


「手紙、ありがとうございました」


「いやいや、この程度何のことはないさ。それはそうと、何体か上級の精霊になれそうな子がいるね。悪いけど回収させてもらうよ」


そういってカランは近づいてくるのだった。

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