第6話
「どうやら無事にギフトを授けられたようですね。おめでとうございます。ステータスと唱えると自分のステータスを見ることができますよ。ステータスオープンで他者にもステータスを見せることが可能です」
恐る恐るステータスと唱えてみる。
するとゲームのようなウィンドウが現れる。
クロード・フォン・プロミネンス
ゲルマン王国プロミネンス家三男 5歳
その後には筋力や俊敏などゲーム時代に見慣れたステータスやスキルが表示されていた。
「クロード。父さんや母さんにも見せてくれるかい?」
「あ。うん。いいよ。ステータスオープン」
両親が両側から表示されたステータスを覗きこんでくる。
自分でも改めてステータスを確認しているが凡そ子供とは思えないステータスだなと自分でも思ってしまう。
あまりのステータスに両親はフリーズしてしまったようだが程なくして現実に戻ってくる。
「聡い子だと思っていたが神様によほど気に入られたようだね。これは教育方針を早々に決めなければ」
「ふふ。クロードは三男で家を出なければいけないけれどこれほどのステータスがあれば何の心配もないわね」
「神に愛された子の誕生に心からお祝い申し上げます。どうか正しい道を進まれることを願っております」
神父さんに見送られ教会を後にして乗ってきた馬車に乗り込む。
「クロード。よく聞きなさい。まずステータスは軽々しく人に見せてはいけないよ。本当に信頼のおける人にだけ見せるように」
「はい。父様」
「ステータス以外にも何かアイテムは授かってないのかしら」
「装備品や色々なアイテムを頂けたようです」
「強力なステータスや装備品を授けられたことによって、自分のことを特別なんだと勘違いしてしまう人もいるけど力の使いどころを間違ってはいけないよ。我々は貴族なんだ。人々の模範となるべくね」
領主として様々な人と触れ合ってきたのだろう。
父様の言葉には重みがあった。
圧倒的なステータスにアイテムを得て浮かれていた自分にハッとする。
能力は得た。
だけどこの圧倒的なステータスを得て自分は何をしたらいいのだろうか。
「難しいことを言ってもまだわからないでしょう。5歳の子供なんだから。色々やってみたいことをやってみたらいいわ。多くの失敗もすると思うけどそれも含めて経験なのだから」
母様のその言葉で道筋が見えたような気がした。
恐れずに挑むこと。
様々な経験を積んで自分のしたいことを探してみようと心に誓ったのだった。
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