第7話

洗礼の儀を終えて家に帰ってきた後は部屋に戻り手に入れた装備を確認していた。


ゲーム時代に使っていた数々の装備を一つ一つ手に取り感触を確かめる。


扱い方は洗礼の時に理解したが実際に構えてみるとバランスが取りにくく違和感がある。


「やはりゲームの時とは違うということか。使えそうな装備とそれ以外を選別してっと」


アイテムボックスから瞬時に装備を切り替えられるクイックというスキルがある。


当然取得しており使えそうだと思った武器をクイックに指定して装備を切り替えてみる。


やはりこちらも慣れが必要なようでゲームの時のように瞬時に切り替えることはできずタイムラグが発生する。


防具も当然手に入ったのだが、サイズが合わずこちらは成長するまで諦めるしかなかった。


「坊ちゃま。お食事のご用意が済んでおります」


「ありがとう。すぐに向かうね」


使用人に声をかけられもうそんな時間かと出していた装備をアイテムボックスに戻し食堂に向かう。


食堂の中に入ると食卓の上にはケーキや鳥の丸焼きなどいわゆるパーティー料理が並んでいた。


「今日はクロードの5歳の誕生日だ。たまにはこういうのもいいだろうと料理長が頑張ってくれた」


「父様ありがとうございます。料理長もありがとう」


「5歳の誕生日おめでとうございます。言ってもらえれば料理は取り分けますのでご安心ください」


「それではクロードの今後の成長を願って。乾杯」


両親はワインを、未成年のクロードは果実を絞ったジュースを口につける。


普段の料理も当然美味しいのだが用意された料理を残すのがもったいなくてついつい食べすぎてしまったが、今は両親と共に食後の紅茶を楽しんでいた。


「クロードはギフトで色々な装備を貰ったようだが基本的な装備を用意しといた。後で運ばせよう」


「ありがとうございます。防具は頂いたのですがサイズが合わなくてどうしようか悩んでいたんです」


「あはは。それはよかった準備が無駄にならなかったようでほっとしたよ」


「私からはこれよ」


母様が一冊の分厚い本を手渡してくれる。


「百科事典ですか。ありがとうございます」


その場でパラパラとページをめくってみると絵付きで細かい詳細が載っている物だった。


「それでは僕はそろそろ部屋に戻りますね」


「あまり夜更かしせずにちゃんと寝るのよ」


本に夢中になるあまりよく母様からは夜更かしを怒られていたのだ。


「はい。少しだけ読んだら寝ることにします」


少しだけといいつつ百科事典に夢中になりすぎて当然怒られるクロードなのだった。

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