第2話

 アリーシア学園の生徒会。

 多くの上級貴族が名を連ね、下級貴族が入れさえすれば確実な成功が約束されるとまで言われているアリーシア学園の生徒会。

 僕はローズ嬢に誘われる形でヘラと共に生徒会へと入ることとなった。


「ふんふんふーん」

 

 僕は誰もいない広々とした生徒会室で鼻歌を歌いながら魔導具の制作に取り掛かっていた。


『はぁ……はぁ……はぁ……わ、私の目が、左目がアルスに使われているぅ。役に立っている、あぁ、痛い。無いはずの左目が疼く……ぁあ!』

 

 何故か興奮しているサクラの声をBGMに。

 無限に魔力を供給してくれる便利な魔導具『サクラの瞳』と繋げば魔力を込めなくともすべての魔導具が使用することが出来る。

 当然、今作っている僕の魔導具もサクラの瞳と繋いでいる。


「まぁ……こんなものかな?」

 

 魔導具の基本的な構造が出来上がったタイミングで僕は手を止める。


『……ず、随分と高性能なのを作ったわね』


「情報は宝だからね。それを得るための魔導具ならどれだけ凝っても足りないよ」

 

 最終的に出来上がったのは自分の左目が魔導具担っていることに対してちょっとドン引くくらい性的興奮を覚えていたサクラが引くような仕上がりとなっていた。

 僕の作った魔導具は簡単に言うと監視カメラだ。

 ただし、その姿がこの世界で最もポピュラーな鳥を象り、鳥の群れに自動で紛れるとともに鳥の群れを支配すると共に、観測者に魔導具であると知らせない効果がついているだけの。


「このあとはこれと同タイプのものを数十個作って、他の動物のモチーフも。最終的に百くらいを作れたら……」


『ど、どれだけ時間をかけるつもりなの……?』


「いや、僕の制作時間一つ一時間もかからないから、どんなにかかっても百時間しかかからないから」


『……それじゃあ平気なのか。寝る時間はちゃんと確保してね?』


「僕はショートスリーパーだからね。あんま寝なくても案外平気なんだよね」


『それでも寝てね?……にしても、本当に魔導具の開発うまいわね。うちの軍で雇っていた魔導具のスペシャリスト以上……実は貴方の家系、研究者だったりしない?」


「うちの家は魔導具制作なんてやっていないよ。上に立つ貴族だからね」


『まぁ、それもそうか……』


 前世における僕の姉は超優秀な科学者だった。

 姉に比べると劣等生であると思っていたのだが、僕もそこそこ優秀だったのかもしれない。


「入るわよー」

 

 僕がそんなことを考えていると、生徒会室の扉が開かれ、ヘラとローズ嬢の二人が入ってくる。


「あら?私たちが一番早かったと思ったのだけど……」

 

 ローズ嬢が二人よりも先に生徒会室にいた僕を見て首を傾げる。


「午後の授業が汎用魔法の実技であるからな。余が出る意味はない」

 

「あぁ。そういうこと。アルスは汎用魔法使えないし、たしかに出る必要はないわよね」


「うむ」

 

 僕はヘラの言葉に頷く。


『はぁ……はぁ……はぁ……は、話している。あ、アルスが私以外の女とぉ、あぁ……す、捨てられちゃう?あ、あぅ……あぅ、だめ、なのに。興奮するぅ』


『黙れ』

 

 僕は心の中で黙るようサクラに告げてから口を開く。


「汎用魔法が使えない余にとって実技の時間など何の意味もないからな」

  

 魔導具作りに筆記の汎用魔法は使えるため、授業に出席する意味はあるのだが、実技となると本当に意味がない。

 僕が参加しても異能で全部焼き払うだけであり、そんな僕を指導出来るものなんていないだろう。


「午後の授業に参加していないなら私たちよりも速いのは納得ね」


「して、汝らは何故にここへ速く来たのだ?自分たちが一番であると断言出来るほどに」


「……なんでも無いわ」


「……何でもないわよ?」

 

 僕の言葉にヘラとローズ嬢は共に目をそらす。


「それならば構わんが」

 

 別にそんな知りたいわけでもない。

 僕は素直に誤魔化されることにする。

 二人が何やら魔導具で記録した写真が入っていると思われるファイルをいそいそとカバンの中に仕舞ってから椅子へと腰掛けるのを素直に待つ。


「して?本日は何か職務があるか?」


「ん。特にないわ。今日はフリーね。何かイベントごとがあったり、生徒からの頼みがあったりしたら忙しくなるんだけどねぇ」


「うむ。そうか。では余は引き続き魔導具を作るとしよう」


「あっ、それじゃあお茶を淹れてあげるわ」


「感謝する」


「待ちなさい!私が淹れるわ!」

 

「ふふふ。これは私の仕事。もう感謝もされたしね?」


「婚約者は私!素直に譲りなさい!」


「ふふふ……嫌よ」

 

 何故かお茶を淹れるためのポットを共に掴み、にらみ合っているヘラとローズ嬢を横目に魔導具の最終調整に入る。

 もっと見た目にこだわりたい。


『んっ……ぁ、はぁ……はぁ……』

 

 サクラよ……僕の言葉に従って黙っているのは良いことだが、色々と漏れちゃ行けない声が漏れているから。

 僕は足を組みながら魔導具作りを続けるのだった。




 あとがき

 小説フォローしてぇ!星くれぇー!!!なんでも良いからレビュー書いてぇ!!!

 ランキング上がらなくなっぁたぁ!!!助けてぇ!マジでなんでも良いからレビューほしいよぉ!

 あっ、でもぜんぜん違う人のレビューはやめてね?向こうに迷惑だから(一回、勘違いなのか全然違う小説のレビューついた)


 ちな、本文についてやけど、男の諸君なら主人公が足を組んだ理由が当然わかるよなぁー?

 つか、うちの読者に女っているのか?いない気がする。

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