情報収集
大量に余ったココアで俺たちは乾杯をし、称えあった。
その声を聴いてかはわからないが数は少ないが平日昼カラオケの衆たちが続々と会談付近に寄ってきた。
今後の方針を決める前にほかの人から現在の世界の状況を聞くこととなった。
まず俺たちがいるここは東京・新宿。とはいっても俺は大学進学に伴い上京したため土地勘もくそもない状態である。地元に帰りたい。
そしてゴブリン戦前にちらっとみたSNSからこのファンタジー的な出来事が世界中で起こっていることまでは把握している。
世界中のある程度人口の集まっている都市には例外なくモンスターが出現しているらしい。
日本の場合は国がすぐに声明を発表し自衛隊が対処に当たっているが一部の地域では銃が通用しない敵が現れたため、撤退を余儀なくされている状態と聞いた。
そして他の地域ではメディアが謎の穴を発見したという情報がたった今入った。
信じられないほど早いスピードであるため、俺と沼沢さんを含めた全員が信じることができなかったが、その映像が公開されたとき皆息をのんだ。
その映像はヘリコプターからとられているものであり、モンスターが出てくる漆黒のように黒く先が見えない、おそらく地下深くまで続くと思われる階段を映していた。
また鮮明な映像はないものの、多くの人が空を飛ぶモンスター、ドラゴンを見たとつぶやいていることからファンタジーの侵略は地上のみではないことを知った。
ただ絶望の知らせで終わりではなかった。
良いニュースは3つあり、一つ目は全人類が自分の「ステータス」というものを見れるようになったらしい。ちなみに俺はまだ見ていない。弱かったら嫌だからだ。
二つ目はモンスターを倒すとアイテムをドロップする可能性があるということだ。
ドロップされたアイテムの詳細は分からないが、現代の火器が効かない敵に対し有効であると推測することができる。実際SNSでもそのアイテムが挽回のカギだと考察している人を一定数見かけた。
無論なにも詳細が明かされてない状況でそのような言葉をうのみにするようなことはしないが、少し前向きな気持ちになったのも事実だ。
三つめはとても個人的なことであるが、悪友であるばか一号二号、奥田と加茂の生存を確認することができた。
ちなみに地元は田舎過ぎてモンスターの襲来はなかったらしい。
ある日、モンスターが現れた 卯月宰 @lovine
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ある日、モンスターが現れたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます