初めての戦闘

当たり前じゃ。俺はナイフを使った戦闘術なんて学んだことないしな。


でも俺、いいの見つけたんだ。


「マイクスタンド、今日から俺の相棒な!」


天才だと思う。リーチもこん棒や剣に負けてないし、なにより初心者が振り回すのに適してる。


これを相棒と言わずしてなんというか。


武器も見つけたし、ほかの場所の状況を確認しようとXを開こうと思ったけど緑色のちび助が雑貨ビルに入ってくるところを見逃さなかった。


この不可思議な現象はこの場所だけではなく、世界中で発生してることが分かった。トレンドのほとんどがこれ系だったからな。


バカ一号バカ二号の安否がすごく気になるけどあいつらなら大丈夫だと思う。

てか人の心配してるほど余裕ないし。


「防具も欲しかったけど、しょうがない」


防具なんてあるわけないしな。デパートならまだしも


俺はマイクスタンドのリーチを活かすために部屋から出て階段で待ち伏せすることにした。


階段に向かう途中で同い年っぽい人と出会った。ホットココアを大量に準備してた。ホットココアの熱さでちび助に挑むつもりなのだろうか。バカ三号に認定だ。


こんな状況じゃなきゃもっと色んな話をしたけど、お互い心臓バクバクで緊張してるのだろう。軽い自己紹介で会話はおわった。


同い年っぽい人は沼沢さんという名前らしい。


「沼沢さんがホットココアをかけてひるませたタイミングで」


「織戸さんがマイクスタンドで仕留める。」


そういえば俺の名前は織戸淳介と書いておとじゅんすけと読む。こんなことは初めてで自己紹介を怠わっていた。全部ちび助が悪い


この雑貨ビルにはほかの店もあるがおそらく扉をかたく閉ざし息をひそめていたのだろう。まっすぐこちらに向かってきた。


初めての命の奪い合いに心臓の鼓動はとんでもないことになっている。


ココアでひるんでいる間に仕留められなかったら死ぬかもしれない。今までの生活では感じることのなかった感情、いや恐怖に慣れなければこの先生きていくことはできないだろう。


「織戸さん、、織戸さん!」


そんなことを考えていたら沼沢さんに呼びかけられた。もう始まってしまう。



そこからは一瞬の出来事だった。姿が見えた瞬間に沼沢さんがホットココアをぶっかけた。


内心ホットココアで本当にひるむか心配だったが無事賭けに勝った。


俺はマイクスタンドをかかげた状態で階段から一気に飛び降り

全力の一撃をお見舞いした。


「グゲッ」


潰れたような声を漏らして地面に倒れたゴブリンが起き上がらないのを確認し、

初めての戦いに勝ったことを実感した。






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