ある日、モンスターが現れた
卯月宰
2025.09.18
こんなに好きなんです~仕方ないんです~
今俺はカラオケにいる。しかも一人だ。
上手くなって友達にドやるためだ。バカたちの顔をほうけた顔を思い浮かべながら歌うのは最高だ。
って思ってました。強烈な揺れが来るまで
まあまあ地震耐性があるはずなのに立ってられなかった。まじびびったわな。
そんで気になってガラス越しの景色見たんよ。雑貨ビルの五階だから地上を見下ろす感じになったんだけど幸運なことに被害は少なかったんだ。不幸中の幸いだろう。
被害の少なさに安心して平日の昼からカラオケで遊べる大学生のすばらしさに浸ってたんだけど、その余裕は続かなかった。
だって駅のほうからなんか緑色の人っぽいのがたくさん来たんだもん。
大人ほど大きくはなかった。ぱっと見小学校高学年から中学生くらいの背丈かな。
いやちっちゃいけど怖いわ。たくさんおるし全員なんか担いでんだもん。
地上の人はすぐ逃げた人、スマホを構えて撮影してる人、
なにかのイベントと勘違いしてんのかな?俺だったら絶対すぐ逃げるよ。地上にいたらさ
でもその時は雑貨ビル内にいるから正直めっちゃ油断してた。俺もスマホで撮影してる側の人間だった。
緑色の連中が近づいてきてようやく見えた。
背負ってるものはこん棒や剣などで、さらにそれらには血がべったり付着していることを。
地上の連中も俺に少し遅れたタイミングで気付いていた。さきほどまでイベントだと思っていた連中もほとんどが逃げ出した。
それでも少人数はスマホで撮り続けてた。どんな度胸してんだ。
そっから先は地獄絵図だった。平日の昼間ではあるが、イベントだと思ってかなりの数の人間が集結していたからだ。
地震だけでなくなにかしらのイベントが始まると騒いでいたら仕事に手がつかなくなるだろう。俺もそうなる絶対。
昼休憩の人も多かったのではないか。
まあとにかく地獄だった。
その光景をみてようやく何かアクションを起こす意思が固まった。
まず緑色のやつら。ゴブリンだろう。あんな非現実的なことが目の前で起こったんだ。普通なら信じられないはずが、すんなりと受け入れることができた。
武器を持ってるが体格的にはこちらが圧倒的に有利。ここにも探せば武器はあるはず。対抗できるはず。
でも俺は刃物で完全武装することを選択肢から除外していた。
だってミスったら自分のことも切っちゃいそうじゃん。
いやだよ痛そうだし。
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