新NISAは、インカムゲインの節税効果を狙う
二人の投資家がいたとする。
① ( ゚Д゚) 新NISAでSP500を買うぞ~。
② ('ω') 新NISAで三菱UFJを買うぞ~。
①は、分配金利回りが低い。
俺の日興アセットマネジメントを参考にすると、
為替ヘッジなしで分配金利回りが0.9%。
三菱UFJが3.2%。その差は2.3%。
この差額分の利回りが、新NISAでは非課税となるわけだから、
この投資を、仮に自分が満70歳まで続けた場合を考える。
筆者の年齢は36歳。70歳まで34年ある。
この34年間を非課税で配当をもらい続け、再投資を続けたとすると、
複利効果による株式数の増加、配当金の増加の複利効果は大きい。
それに対する反論。
①( ゚Д゚)
おーい、ちょっと待ってくれ~。
SP500の株価上昇は長期ではたぶん銀行株よりずっと上だし、
大きなキャピタルゲイン(値上がり益)が得られるんだぞ~。
老後までのトータルリターン(配当と値上がり)で考えたら銀行株と
そんなに変わらねえだろ。
②('ω')
そうでもないですよ。あなたのSP500ですが、それをいつ売るのですか?
長期投資におけるみ実現損益の実現とは、老後にお金に困って資産を売却する時。
年金の受給開始時や、あるいは非常事態における生活困窮時が想定されます。
インカムは常に実現する利益。キャピタルゲインは、何かに困った時に実現する利益。インカムに対して新NISAを使用した方が効果的です。
ポイント
・インカム。年に半年以上(ETFなら年6回もある)実現する利益。
・キャピタル。おそらく実現するのは老後。
非課税効果が確実かつ高いのは、インカムの方である。
よってグロース株よりバリュー株に対して新NISAを使うのが適切。
またリート、インフラファンド、新興国債券などの高配当資産に対しても適切。
バリューのようなグロース株、任天堂やファナックに対しても有効。
ハイパーバリューとして生まれ変わるなら総合商社に対しても適切。
シーゲル理論によるとこうなっている
「株を売らない限りキャピタルゲイン税は発生しないので、
含み益を維持することは、税金の支払いを繰り延べする効果がある。
繰り延べ効果は、保有期間が長くなり、株価が上がるほどに高くなる」
「したがって、超長期保有でのキャピタルゲインの増加は税金負担としてそれほど
気にすることはない。問題なのは、毎月の配当に課税されることだ。
課税された分だけ配当再投資の効率が落ちる」
要約
・売却税は一生のうちに一度と想定。税の支払いは老後になる。
老後まで待てば含み益が増大するため、結果的に課税後の利益も増える。
・配当税は、個別株なら最低でも年に2回以上と課税回数が多すぎる。
課税回数が多いと毎年の利益が減ってしまう。
これに対する反論
①( ゚Д゚)
新NISAでインカム投資が有効なのは分かった。
それでもさ、仮に投資元本が100万くらいしかない少額投資家にとって、
PF全体の配当利回り3%だとしたら、年間配当は3万円しか入らないぞ。
それでどうやって新しい株を買い増しするんだ?
個別株の配当再投資戦略は、投資元本が最低500万くらいある人が
理想だとされてることは知っているがな。
②('ω')
ETFを使うんですよ。各国のリートや指数インデックスのETFは
1口が2万程度で買える商品が多い。投資金額が少ない人は、まずは
ETFによって分散投資。それである程度の資金が貯まったらETFを
売却して個別株に切り替えてもいい。
※
筆者の「低減」やblackさんの「覇権」のように、大きな資産を
運用しながらもあえて少額ETFによる分配金再投資を年4~6回くらいの頻度で
繰り返すことで、さらに複利効果を高めることができます。
配当再投資の複利効果 → 半年複利(年2回)、三ヶ月複利(年4回)
後者の方が資産増加のペースが速い。
買い付け回数が増えるほど、株価低迷時に保有株数を増やせるチャンスが多いので
長期的に有利。したがって個別株の場合も、12月権利銘柄を増やすなどして
できるだけ配当権利日を分散したほうが、複利運用では有利となる。
筆者の運用する「リスク低減型ETF」において、ブラックロックの債権ETFでは
1口2,000円以下の社債や国債もある。これは分配が入金次第、直ちに買い付けできる。マクロ経済も株価も関係なくどんどん買うのだ。現在は利上げ効果の後遺症により債権が評価損になってるのでナンピンし続けて来年の価格上昇に備える。
新NISAにおいて「安定」運用となる銘柄は、blackさんに指示したとおり、
配当額の大きな銘柄よりも、配当を下げない銘柄(花王など)
賃料収入(基礎収入)から確実に分配を出すリートなどが適当。
①( ゚Д゚)
オメーの言ってることは正しいんだろうが、しょせんは理想論だ。
来年から投資を始める素人たちにインカム投資の有効性なんて分かるかよ。
流行に乗ってSP500やオルカンを買う奴が大半だろ。
そもそも株価低迷時に配当再投資なんてできるのか?
②('ω')
問題はそこですね。今年のTOPIXは30%もの大暴騰。
23年度に蔓延した株価暴落説におびえて、大半の投資家は今年の8月までに株を売ってしまったか、あるいは新NISAに期待して初めから株を買ってません。
来年から新NISAで買い付けた株が、わずかでも買値から下がるなら、
そこで買い増しをするのではなく売ってしまうでしょう。
( ゚Д゚)
なあ俺気づいたんだが、配当再投資戦略って上級者にしかできないん
じゃないのか? 再投資するのは長期投資をしないといけない。
どんな優良株でも急なIRひとつで株価は暴落する。
長期投資って株価下落に耐えるメンタルも必要になってくるじゃねえか。
('ω')
そうですね。現に今年の米20年債のスレでも、なぜか今年の夏場(債権価格の
底)に含み損が大きかった20年国債を手放してしまった人が散見しました。
債権は、価格が下がると逆に利息が上がるので(価格とクーポンレートが逆相関の動きをするのが債権の特徴)再投資の大チャンスだったのですが。
同じことが株にも言えるでしょう。
例
(^o^)「IHIが減損損失を発表し暴落した~。全部売ってすっきりするぞー」
(^_^)v「でも配当金の引き下げはしてないよね~。買いだよ」
(^o^) 「ふ、ふん。俺はIHIの業績が回復したら買い直すんだ!!」
(^_^)v「それって債権スレでも同じこと言ってたよ。でもその頃には
置いてかれてるよ。なぜなら、株価は半年先の業績を織り込んで上昇を
始めるからさ。タイミングを見計らって買い直すなんてできるわけない」
( ゚Д゚)
分かりやすい例だな。IHIを最近売ってしまった奴って馬鹿じゃないのか?
それでも自分が当事者になると冷静でいられなくなるのが資産運用の世界だ。
('ω')
新NISAの運用で最も必要になるのは、資産の額や、銘柄の選定術でもなく
株価低迷が長く続いても我慢できる「メンタル」なのかもしれませんね。
我慢した分だけ配当と含み益が増えていく。
投資家の精神的な強さと知性が、トータルリターンを押し上げるのです。
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