第12話、魔王の無知
ダルメシアは少し言いたくなさそうに口を噛み締めた、腕に力が入り険しい表情をした、
「なぜかか、そうじゃの、ワシらはそのとき人間と戦争をしていたんじゃよ」
戦争!人間と、そのダルメシアの険しい表情からこれは本物の戦争なのだと分かった、
薄々気がついていたこの世界の魔族は人間と共に生活をしていない、それどころかここにくまえの店に魔族が人間の王を打ち倒し英雄とまつりあげられている本を見た、そういう本だとそのときは流したが、今ダルメシアから聞いたことで全てが繋がった、
この世界では魔族と人間が、、、
「戦争していた」
僕はそう口に出した、それを見たダルメシアは続けて話し始めた、
「そうじゃ、魔族も人間も血が絶えることはなかった、長く続いた戦争は勇者と魔王様の最終決戦という形で一時的停戦した」
一時的停戦、それはまたいつ戦争が始まるか分からないということか、
「わしが、大将を受けなかったのは、、、」
言いにくそうに口を濁している、おそらくこれはレオンに頼み事をするため、それを飲ませるタモの前準備的なパフォーマンスの一種なんだろう、でも、そこには本心から出る言葉があった、
「人間の処刑ができなかったからだ」
人間を処刑するだと、
戦争において生き残った人間兵は大将が処分を決める、ただの一兵卒なら捕虜となり奴隷とされるが、それ以外の幹部クラスは、、、処刑または外交の道具となる、そしてまた人間側も魔族に対して同じことをしている、
「なぜ、なぜなんでしょうか」
なぜ処刑など、そんな、レオンは信じられなかった、人間と魔族が普通に生活していたのが当然だったレオンの世界からは想像ができない、戦争というものは政権戦争しかなかった、さらに復活魔法を前もって刻んでいる上での戦争、
「それは、魔王軍も人間軍もこの戦いに勝てば大きく優勢になるという瀬戸際の戦い、その戦いの指揮官は私、魔王軍中将ダルメシア・マストンだった」
魔王軍中将ダルメシアン・マストン当時の中将はかなり貴重だった、度重なる戦争で何人も殉職しているからだ、魔王軍もここが勝負どころと考えたのだろう、
そしてもし敗れたら最高戦力の大将を出陣させるつもりだったようだ、
ちなみに人間側の階級は、
(勇者軍階級)
勇者・勇者軍トップ全ての決定権を持つ人間側の最高戦力機関
勇者補佐官・勇者の側近勇者に次ぐ決定権をもち政権の副機関(勇者候補)
国王、王政・国のトップ勇者を任命する機関、政権を行う機関
国王直属護衛士・国王を護衛する国内での相当な権力を持つ機関
指揮官・勇者軍に勇者と共に指揮を出すことができる機関
司令官・勇者と指揮官の決定を軍に司令する機関
副司令官・司令官の代わりを務め隊長副隊長に指示を出す機関
隊長・軍を指揮して戦地で積極的に戦い兵士を指揮する機関
副隊長・隊長の指示で敵に攻撃をしたり隊長不在の時代わりに兵士に指揮をする機関
大体魔王軍も勇者軍も主力機関の戦士たちを多く失っていた、ここで魔王軍も中将クラス、勇者軍も指揮官や司令官クラスまでもが戦場に赴くほどになっていた、
「ワシは、その戦いで魔王軍の勝利を収めるのに貢献した、敵の主力戦力である勇者補佐官を打ち倒した、それでそこから停戦協定が結ばれた、魔王軍はワシの功績を称え対象に推薦した、ちょうどこの時総帥が辞任し新しい総帥がたち対象の座が開いたからだ、しかしその戦いが問題だったのだ」
その戦いは最後の戦いだけはり熾烈を極めた戦い、ここで全戦力をぶつけ合った戦い、その際劣勢になった人間側は、
魔族の捕虜を殺す映像を送りつけてきた、
『これ以上捕虜を失いたくなくば今すぐこちらの捕虜を返還しろ!』
そう人間は言い映像を送ってきた、その映像には魔族兵の無惨な姿が、そこにはかつてのダルメシア中将の同僚もいた、
『ダルさん、ぜっていに、屈しちゃいけね、あと少しで、俺たち、ガァァァァァァ!』
映像の中でダルメシアの同僚、親友は殺された、
『こうなちゃ仕方ない、こっちも腹を括らねーといけねーな、ダルメシアンさん』
もと魔王軍大将カザス・マグナ、若くして大将の座を得た、軍の命令には絶対ということを入隊以来一度も忘れたことがない、まさに軍のための戦士、
『まさか、やるというのか、あいつらと同じことを!』
『そうでもしないと、奴らはつけあがるだけです、大丈夫です、やるのは我々大将だけです』
そう言ってカザスは人間の捕虜の牢にいきその牢には大量の血が流れた、
これ以上こんな血を流すわけにはいかん!ダルメシアは総督に直談判しに行った、
『私を前線にだせ!私だ片付ける、人間ども全てを!』
こんなにすごい剣幕でダルメシアが本部に行ったのは初めてだった、そして
『デェァ!』
ダルメシアの重力剣は勇者補佐官の鎧を砕き、敵を撃った
それで戦いは終わったが、それで捕虜を両者虐殺したことで人間も魔族も関係は災厄、
「だがワシは、人間と魔族の友好を諦めることができない、それはもうあんな戦いをしないために、未だ停戦状況が続いている、いつかまた再戦になる、それまでに私と同じ思いを持つものをと、この学園を開いた」
そんなことが、この世界の世界状況の一端を知った、僕はこの世界では無知のもののようだ、この世界の常識と前世の世界を結びつけるのは良くない、
それでその話を僕に話して一体何がしたいんだ、
ダルメシアがついに本題を切り出す、
「ワシの学園に入学してほしい」
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