第15話カフェに行き遊園地で遊んだ。

カフェにて。



「晴人こっち〜」美咲が手招きした。

俺は手を振り美咲の所に向かった。


美咲以外にも2人の女の子がいた。


「紹介するね、船木理沙ちゃんと、冬馬彩綾ちゃん。」


うん? 女子しかいないのかい。俺はそう思った。右の船木さんは、俺の苦手なギャルだ。清楚な人がタイプの俺には、気まずい。


冬馬さんは、眼鏡をかけた、おとなしそうな子だ。全く真逆のイメージの子達だな。


まぁ俺にはどうでもいいんだけど。


「初めまして、船木です。よろしくお願いします。」

意外に礼儀正しいので、俺は驚いた。


「初めまして、よろしくお願いします。晴人って呼んで下さい。」俺は自己紹介をした。


「初めまして、冬馬です、よろしくお願いします。」この子も礼儀正しいなと思った。


「まぁ座ってよ、晴人。私晴人と、沢山喋りたいからさ。」そう美咲は言った。



「なぁ男子はいないの? 女子だけ?」俺は美咲に小声で言った。



「そうよ、2人とも彼氏持ちだから、晴人に手を出す心配ないし。男子は、晴人だけでいいの。正直邪魔だから。」と彼女は言う。



「邪魔ねぇ…はっきり言うね。そんなになにを話したいのか? 俺そんなお喋りな方じゃないよ? 友達も少ないし」

彼女が買い被りし過ぎだと思って言った。 



「別に、無理に話ししなくても、そばにいてくれるだけでいいの。」彼女はそう伝え、他の2人が笑っていたように見える。



俺は、彼女の言葉にどう答えれば良いか、窮していた。彼女の好意は、ありがたいけど、俺には、好きな人がいる。


まぁ、深刻に考え過ぎか。


「そっか、ならいつもと普通に接していけばいいって事ね。」俺は彼女にそう言った。


「そうゆうこと。普段の晴人で接してくれていいよ。」


彼女の言葉に少し照れて、苦笑いした。


「晴人…可愛い。」そう言った美咲は、俺を見つめた。


いや、それは直接的過ぎませんかね。そう思って美咲の友達に視線を向けた。


「美咲…ちょっと、ここにいるの、私恥ずかしいんだけど?」船木さんがそう言った。


俺も恥ずかしいです。と心で同意した。


「ごめん、2人にせっかく来てもらったのに、不快な気分にさせちゃったかな。デザートでも、注文して、私奢るからさ。」

美咲はみんなに言った。


「お、悪いね。じゃあ遠慮なく、すみません。ティラミス下さい。」船木さんが笑顔で言う。


「冬馬ちゃんも遠慮しなくて良いからね。」美咲は言った。


「はい、ありがとうございます。」簡潔に冬馬さんは言った。


「いや、ここは俺が奢るよ。っても親の金になるけど。美咲も頼みな。」俺は、美咲に言う。



「私が無理して、晴人に来てもらったのに…あんたなんてイケメンなの。好き。」美咲はそう言って、顔を赤く染めた。


「好きってのは、無視させて貰うけど、別に無理して来たわけじゃないから。美咲は、俺の少ない大切な友達だからさ。」俺はそう伝えた。


「そっか、ありがとう。でも好きは…無視かぁ。」彼女はそう言って、俯いた。



「イケメン、ゴチになりやす。美咲振られちゃったな。」と船木さんが美咲を揶揄うように言った。


「ふん、振られても、私は好きなの。ほっといて」美咲は言った。



「このティラミスうめぇ〜。美咲、まぁどんまい。」船木さんが食べながら言う。



「ねぇ晴人…これから、遊園地に行く予定だけど、ジェットコースター平気?」


「分からない。子供との頃乗った覚えはあるけど。」

乗り物酔いやすいから、不安ではある。


「大丈夫? 無理しなくていいよ。他にもアトラクションあるから。まぁ乗って怖かったら、胸かすよ。」


そう言った彼女に周りは苦笑している。


「まぁ、なんとかなるさ。胸かすって、俺の台詞だな」


「マジで? 晴人の胸借りたいから、わざと怖がれってことね。」


「いや、そう言うわけじゃない」 



「じゃどう言うわけよ〜教えて?」美咲が口を尖らせて言う。


「わざとじゃなくて、本当に怖かったらってことに決まってる。まったく。」


皆が一息ついたところで、俺は切り出した。



「それじゃ行きますか。」俺はそう言って、カフェの料金を支払い、遊園地に向かった。



「いやー、ジェットコースター、やばかった。酔っちゃった。ちょっと休憩してくるから、みんなは先に遊んでてね。」


「えー、私も休憩、一緒にするよ。」


「大丈夫、一人で休むから。恥ずかしいし。」


「わかった。でも、晴人、早く元気になってね。」


「ああ、ありがとう。」そう言って俺はベンチに向かった。




「うー、ジェットコースターで酔っちゃっいました。ちょっとベンチで休みますぅ。」


「瑠璃ちゃん、大丈夫?」


「大丈夫ですー。二人は先に遊んでください。」


いやー、酔うとは思わなかったよ。俺は心で呟いた


「…はぁ」


車酔いはするけど、こういうのも酔うんだな。


「…はぁ」


でも、結構楽しめたな。彼女がいればもっと楽しいだろうな。


「…はぁ」


さっきから横に座ってる、女の子、ため息連発して具合悪そうだな。声かけてみるか。


「君、大丈夫?」


「え?  あっ、もしかして、ナンパですか?」


「いやいや、小学生をナンパしないよ。」


「なぬ!? 私、中3なんですけど!」


「いや、ごめんそうだったんだ。見た目より若く見えたから。」


「うぅ…どうせ私は、子供みたいですよ。なんの魅力もない、可愛くない私が口説かれるわけないですよね。」


いや、そんな事ないよ、凄い可愛らしいから、魅力がない、なんてことないから。


「本当ですか!  ふふ…やっぱりナンパでしたか。」


「違うよ、君が具合悪そうで、心配で声かけただけ。」


「はぁ…やっぱり魅力ない。」


「いや、なぜそうなる。可愛いって、うん。」


「はい、ありがとうございます。お陰で元気出ました。」


「そっか、なんか飲み物飲む? 奢るよ、それで買ってくるよ」


「へぁ…本当ですか? こんな…見ず知らずの女子に。」



「可愛い子には、優しくしろってね。俺も具合悪いから、ほっとけなくて。」



可愛いって言うと面白い反応だな。うーん好きな人いる俺が、そんな事言うのは良くないな。けど、それで気休めになるなら良いか。



「うーん。なんて優しい男の人なんでしょ。世の中捨てたもんじゃないですね。まさか睡眠薬が…いや、さすがに遊園地で…考え過ぎですね。」

彼女はぽつりと何やら呟いていた。


「はい、どうぞ。」俺は彼女に飲み物を渡した。


「飲み物ありがとうございます。

ええと、1人で遊園地にいるんですか? 彼女は飲み物を見つめそう言った。」


「いや、友達と来てるよ。ジェットコースターに乗って酔ってしまってさ。ここで休憩してるって訳。」



「あー、私と同じです。奇遇ですね、なんか運命を感じますよ。」

彼女は言った。


運命? 面白いこと言うな。何も感じないけど。


「そうなんだ、よくわかんないけど、ロマンチックだね。と俺は苦笑いした。」


「ロマンチックかもしれないです。私大好きな、尊敬する女子の先輩がいるんですけど、あなたがその人に似てるんです。」


「へーどんなとこが似てるの?」

俺は彼女に聞いた。


「はい、優しいところがそっくりで、ちゃんと人の話聞いてくれてるとことが、似てるんです。」


「そうなんだ、それは良い先輩だね。まぁ俺のことは褒め過ぎだけど。」



「そんなことありません! 褒め過ぎってことないです。」


「その…照れますけど、自信持ってください。自信がない私が言うのも、変ですけど。」

彼女はそう言って顔を赤くした。


「はは、そっか、ありがとう。確かに俺自信持つべきだよね。」


「君も自信持ってくれたら俺は嬉しいかな。」


「そんな…めっちゃ照れます…持ちます…自信。もう一回で良いので、可愛いって言って下さい。」


「君は可愛いよ。結構モテそう。なんで自信持ってね。俺はそう彼女を励ました。」



「ありがとうございます。救われた気持ちです。」


「晴人〜具合どう? 大丈夫?」美咲が駆け寄って来て言う。


彼女…さんですか?


「いや、違うよ。俺彼女いないから」


「それじゃあ、またね。」


「はい、また会えますよね?」


「まぁまたどこかで。」


「晴人〜なに女の子とお喋りしてるの? 私と話してよー。」


「美咲、いつも喋ってるだろ俺。」そう言って俺は、みんなと合流して、別のアトラクションに向かった。










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