第16話友達との日常会話

穂乃果の視点。

私は、カフェにみんなで行き、スマホで可憐ちゃんと、また話がしたいと、チャットに書き込んだ。


「ねぇ、いつも変な子だけどさ、ジェットコースター乗ったあとからもっと変なの。ぼーとしてると言うか。」

甘利ちゃんが私に訴えるように言う。


「変な子って酷いです。さすが甘利先輩は、毒吐きますね。それは私先程、ナンパされたんです。それが原因なんです。」


「はぁ? ナンパって、瑠璃がされた? 本当に?」



「本当ですよ、可愛いって言ってくれて、飲み物まで奢って貰ったんです。」


「ふーん…いくつぐらいの人?」甘利ちゃんが聞いた。


「16歳ぐらいですかね。結構かっこいい人でした。優しくて、褒めてくれて、私好きになっちゃいました。」


「ねぇ、穂乃果…この子誇張してるよね? そんなんあり得ないよ。」


「誇張してないです。本当にあったことです。西条先輩は、信じてくれますよね?」


「瑠璃ちゃんが嘘つくとは思えないけど? その人に恋しちゃったんだね。」



「はい、西条先輩に凄い似てました。優しくて、人の話しちゃんと聞いてくれる人でした

。どこかの誰かさんと違いました。」


「瑠璃、それって私の事だろっ。信じられないなぁ、そんな若くてイケメンの子が瑠璃をナンパねぇ?」


「ただ具合悪くしてて、それを気を遣って声かけただけだったり?」


「気を遣って声をかけてくれたのは、そうですけど、可愛いってどう考えても、ナンパです。」


「こいつ…誇張どころか嘘ついてやがったー。」


「嘘じゃないです。私泣きそう。」


「でも、ナンパでも、違くても私には、どうでもいいんです。私は、彼に恋しました。」

 

「瑠璃ちゃん、そんな好きなんだ、その人。可愛いって言って飲み物奢るなんて、それで、連絡先とか、交換したの?」私は瑠璃ちゃんに聞いた。


「それが、しなかったです。すれば良かったんですけど…私の名前も伝えれなかったです。」

瑠璃ちゃんが残念そうに言う。


「そうなんだ、じゃあその人スマートな人だね。連絡先交換しないで、そんなこと言ってくれるなんて、それは瑠璃ちゃんが好きになっちゃうよね。」


「はい、スマートな人です。下心無さそうで、そこがまた好きになっちゃいます。今日初めて会った人なんですけどね。」


「その人1人で来てたのかな? また会えると良いね。」私は彼女を励ました。



「はい、私また会えるって予感します。その人、女性と一緒でしたけど、彼女じゃないって言ってたので、まだ私にも、チャンスありそうです。」




「このティラミス、美味しいよー。2人とも頼んだ方がいいよ。」甘利ちゃんが叫んで言う。


「へー頼もうかな。とりあえず私頼んだ、メロンソーダ飲もうっと。」



「で? そのイケメン君、名前は分かってるの? 名前も分からないんじゃ、どうしようもなくない?」



「名前分かってます。連れの女子が、晴人〜って呼んでたので、晴人さんだと思います。」


ぶっはー。私はメロンソーダを吹き出してしまった。それは晴人って名前に反応してだった。


「おわっ、穂乃果が、瑠璃の嘘話に我慢しきれなくて、吹いちゃったぞ。」

甘利ちゃんが茶化した。


けれどそれは誤解。私の好きな人の名前だったから、びっくりして、飲み物を吹き出したのだから。


私は、2人に謝りながら、テーブルを拭いた。



「甘利先輩なんで、信じてくれないんですか? ちょい傷つきます。」



「ごめんごめん、可愛い瑠璃がナンパされたんだね。信じるよ。ちょっとからかっただけだよ。」


「ならいいですけど…西条先輩大丈夫ですか? むせたんですね。」


「う…ん…その晴人って人の苗字分かる?」私の知ってる晴人君かどうか、苗字を聞けば、確定できる。


「すみません。苗字も分からないです。名前だけです。」


「そっか、分かんないよね。初対面だもんね。」



「ですねぇ、うっかりしてました。話してて好きになったので…一目惚れだったら、聞いてたんですけど。」



ほぼ晴人君だよね。ちょっと待って、整理しよう。私の友達可憐ちゃん、瑠璃ちゃんが晴人君を好きに…美咲ちゃんも、晴人君好きだよね。



って事は…私の友達みんな晴人君が…好き…なんてこと。


晴人君と付き合えたら、友達がいなくなっていくんじゃ? って…付き合えるのかな…ん?


着信が…晴人君!


「ごめん、ちょっと電話…席外すね。」私はびっくりしながら、そう言った。


「おやー瑠璃見た? 穂乃果の慌てっぷり。あれは、どう考えても彼氏でしょ?」


「ですね〜西条先輩もなかなかやり手ですね〜。まぁ西条先輩に彼氏がいない方がおかしいですから。」



「ということは…彼氏いないの私…だけ。」


「大丈夫、高校生なったら彼氏、瑠璃でも作れるよ」


「珍しく甘利先輩が優しい言葉を…ありがとうございます」


「いつも優しいんですけどね? 瑠璃がそう受け止めてくれないんだよ?」



「まぁそういうことにしておいてあげます。」


「うん、そういうことよ。瑠璃は、体型はともかく、顔は天使みたいよ。」


「体型気にしてるんですけど? 身長もっと伸びると良いんですけどね。」


「天は二物を与えずって事よ。瑠璃に身長があったら、女優になれるわよ。」


「ありがとうございます。甘利先輩…見直しました。甘利先輩も、私よりは劣りますけど、可愛いですよ。」


「劣るだと〜人がせっかく褒めてやったのに〜こいつめ!」


「ひぇー」


「にしても、穂乃果遅いわね〜彼氏とラブラブ電話かな?」


「うーん、甘いですねぇ、イチャラブってやつですね。」


「あんたって結構、ロマンチックよね。」


「はい、それは認めます。私、そう言うの大好きです」


「私も彼氏に電話しようかな。」


「彼氏のいない私の前でするのは、腹立ちますけど、嫌いではないです。」


「ごめん、戻りましたー。」私は2人に謝り席に座った。


2人がニヤけて私を見ている。何故だろ?

ちょっと怖いんですけど。


「彼氏なんて言ってたの? 惚気話聞かせなさいよ。瑠璃も聞きたいって」

甘利ちゃんが茶化した。彼氏にしたいけど、彼氏じゃないよーと心で呟いた。

  


「まだ、彼氏じゃないよー。修学旅行の事話してた。」

私は2人に説明した。



「まだ…それは、その人西条先輩のキープ君ってやつですか? 何人もキープ君がいるんですか?」瑠璃ちゃんが分かってる癖に、私を揶揄ってるんだなと思った。


「こら、先輩を揶揄っちゃ駄目だぞっ。」瑠璃ちゃんに人差し指で額をツンとこづいた。


「はは、ばれちゃいましたか。すみません、西条先輩。」

瑠璃ちゃんが両手をついて謝った。


「修学旅行かー。2人でまわろって彼氏に言われたの? 聞かせろー」恭子ちゃんまで、私を茶化す。


「2人でまわれないよ〜学校のルールで、グループでって決まってるから。」私は彼女達に説明した。


「まぁ基本的にそうだよねぇ、何かあったら大変だもんね。でも…ってことはだよ?

グループでまわろって彼氏に提案されたのね? 穂乃果白状しろ〜」


「ふふ…私は白状することにした。」

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