第6話可憐とデート

映画館待ち合わせ当日


今日は可憐さんと、遂に2人で映画を観る。く〜心でガッツポーズ。


よし行くか。歯磨き完了! と。


そう言えば昨日の誕生日つい、おかあさんて、穂乃果のおばさんに言ってしまってたな。

おばさんよりは良いか。


さて今日デート…だよな。


俺は待ち合わせ場所に着いた。


「可憐さんこんにちは、今日はよろしくお願いします。」


「うん、よろしくね。晴人さん敬語じゃなくて、タメでいいよ。」

と可憐さんの優しい声が心地よく聞こえた。


「はい、いえ…分かった。敬語やめる。」

とぎこちなく答えた。


「ふふ、もっと早く言えば良かったかな?

私もタメで話したいから。」


「可憐さんじゃなくて、可憐で良い?」


「いいよ。でも、私も晴人って呼ばないとだね。」


「全然良いよ、むしろそう呼んでほしいし。」


「うん、すぐ映画館行く? 晴人お腹空いてない? 

先にご飯食べに行く?」



「先にご飯食べに行こう。可憐ナイス提案。」俺は、ありがとうと心でお礼を言った。


どこが良いかな、と思案した。

高1だし、高級レストランはまずい。逆に引かれるよな。


「やっぱり普通のレストランにしよう。」

俺は可憐にそう提案した。


「そうね、行きましょう。」可憐が同意して2人で一緒にレストランに入った。


「いらっしゃいませ、ご注文が決まりましたらお呼びください。」


「分かりました。」と俺は店員に言った。


「可憐は食べ物何が好きなの?」


「私は、パンケーキとパスタかな。」


「おーいいね。俺パンケーキ頼むかな。可憐は何が食べたい?」

と俺は尋ねた。



「そうね、何が好きか聞いてくれたから、パスタでカルボナーラにしようかな。」可憐が優しく呟いた。


「決まったかな? カルボナーラだね。」


俺は、定番のハンバーグステーキにしよ。


「すみません、カルボナーラとハンバーグステーキ、パンケーキと、可憐はデザート何がいい?」


「うん、ここのいちごパフェ美味しいって評判だから、それにしようかな。」


「じゃ、あと、いちごパフェ一つでお願いします。」


「いちごパフェここの、美味しいんだ?

写真の見た目も美味しそうだしね。

なんか、可憐のイメージに合ってるね。」


「へー、私のイメージって、晴人くんにとって、どんなイメージなのかな?」


「それは、清楚なイメージだね。俺清楚な人がタイプでさ。」


「ほほーじゃ、私が好きなタイプってことかな?」


俺はその言葉に、顔が赤らんだ。「うん、好きなタイプ。」と小さく呟いた。


「ふ〜ん、それは嬉しいな。彼女が優しい眼差しで俺を見つめた。」


「可憐さんのタイプは?

どんな人が好みなのかな?」

と俺は彼女に聞いた。


「目の前にいる人かな。な〜んて。」

と彼女が笑顔で言った。


「優しくて、スポーツマンの人かな。」


一瞬ドキッとした。

それに、俺サッカーやってたけどもしや?

と思ったけど今してないし…いやでも。ほんとに俺がタイプなんじゃないかと…冗談でも、気がない人には言わないよな?


俺は色々思考を巡らした。


「そうなんだ、そう言ったタイプになれるといいな〜なんて。」


「んー晴人は、優しいよね。勉強教えてくれたり、思いやりがあるもん。」


「見てて分かるよ。」


「それにサッカー中学の時やってた時、凄いカッコよかったよ。」


「穂乃果と一緒に試合に見に行ったら、バンバン点取るんだもん。」


えぇ、それって完全に俺がタイプって言ってるようなもんじゃ?



いや、落ち着け自分、まだ分からない。ただのお世辞かもしれない。



穂乃果か…今何やってるかな?

ん…なんで可憐とデート中に彼女のことなんて思った?


最低だな俺。


「ありがとう、可憐なんか、かっこいいって言ってもらえて、嬉しい。」


「ふふ、本当にかっこよかったんだもん。」


「お待たせ致しました。と店員が言い料理を運んできた。」


「お、きたきた、食べよう。と俺は言った。」


「うん、美味しそうだね。と彼女が微笑んだ。」


「可憐って何か、将来の夢とかあるの?」


「んー特に考えてないかな。

でも私中学の時、穂乃果に助けられて、救われたことあるから、教師目指そうかな〜とは、思ってるんだ。」


「教師かー先生見てたら、色々大変そうだけど、良い夢だね。」


さすが、可憐は、心が綺麗な人だなと俺は彼女の考えに、心の中で感心した。


「晴人は? 将来の夢聞きたいな。」


「俺は、聞いといてなんだけど、今のところないんだ。」


「そっか、出来ると良いね、将来の夢。」



「今はないって、晴人って正直な人なんだね。」


「ちゃんと、真摯に答えてくれて、私感動しちゃった。」

そう言う彼女の眼差しが、俺には眩しかった。



「はは、ありがとう。うん、夢出来たら良いな。」

俺は照れながら彼女に言った。


「これから映画楽しみだな〜。」


「けど、映画観たら終わりなのも、なんだか寂しい気もする。」

可憐がそう呟いた。


「そうだね、楽しみだ。けど、終わったら確かに寂しいかもしれない。」


俺は彼女に同意した。映画が見終わったら、違うところに誘うかな?

でも、名残惜しい気持ちも大切だよな。


そう俺は迷いながら、ハンバーグを口にした。


そうして俺と彼女はご飯を食べ終わり、映画館に向かった。


さすがに手を繋ぐのは、早いよな。いやでも、うーん。辞めとこう。


そもそも彼女に触れるなんて大それたことのようにも思えた。


それは、彼女の事が大切だからかもしれない。


俺と可憐は、映画観に入り、飲み物を買って、席に座った。


さすがに食べ物は、買わなかった。


映画が始まった。このアニメ映画は凄い売り上げがあるみたいだ、


ロマンチックなシーンが心をくすぐる。


「良いな〜私も彼氏欲しい。あんな素敵な人アニメ以外にもいるかな?」

彼女がそっと俺を見つめた。


えっ、それって? ここはキスするべき?

いやいや、まだ付き合ってもいないよな。



うん、少し冷静になろうか自分。


しかしこの返答どうすればいい?

可憐なら彼氏すぐ作れるよ。これじゃ興味ない人になってしまう。



あー分からない。

と俺は色々また考え出した。


「もちろんいると思う。絶対に!」

と俺が考えた結論の答えだ。


「うん、そう信じたいな。」

彼女そう呟いた。


「面白かったね映画。」

可憐が笑顔で言う。


「うん、あっという間に終わったね。」

俺は彼女に言う。


「今日は晴人一緒に映画観てくれてありがとう。

食事もだけど、楽しかった。」


「うん、俺も楽しかった。」


「主人公の恋が最後、実って良かったね。」

彼女言った。


「でも最近のって寿命系が多いよね?

恋愛ものは。」


「そうだね、どっちもいいところあるよ。」

彼女が微笑んで言った。


「またこうして一緒に今度は、色々なところ行けたらいいな。」



「うん、そうだね。」


「そういえば、可憐っていつもは休日って何してるの?

やっぱり勉強とか?」


「そそ、勉強ばっかりしてます。

でも、たまに友達と遊びに行くよ。」


「勉強と、友達の時間大切にしてるんだ。可憐らしくて、良い休日の過ごし方だね。」


「俺もそんな感じだな〜まぁ高校で友達らしい友達少ないんだけどね。」



「これから友達増やしていきたいとも思えなくて、自分の時間大切にしようかなと。」

俺は彼女に言った。


「晴人ってやっぱり正直で信用できる人だね。」


「カッコつけずにそう言うこと私に正直に伝えてくれてるの、嬉しいな。」

彼女が言った。


「そうかな…ありがとう。正直か、確かにそれが取り柄かもしれない。」


「うん、良い取り柄だと思うよ。

正直過ぎるのもどうかと思うけど、晴人のは、ちゃんとした、正直な人。」

彼女が褒めるように言った。


「照れるな。ありがとう、そう言ってもらえて、なんだか、気持ちが和らぐって言うか。」


「ふふ、あとこれ、誕生日に渡せなかったけど、今日渡そうと思って、誕生日プレゼント。」

彼女がそう言い、そっと渡してくれた。


「プレゼントありがとう。

本当今日は楽しかった。また一緒に遊べたらいいな。」


「また連絡する。」

俺は可憐に伝えた。



「うん、是非誘ってください。いつでも良いので。」彼女が言う。


「うん!」

俺は元気よく返事をして、彼女との別れを惜しんだ。


そして俺は帰路につく。


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