第4話自意識過剰?
授業が終わり放課後だ。
また図書室に誘うか? うーん
「晴人ー!」
そう声をかけて来たのは…工藤美咲か。
「なんだよ?
大きい声で呼んで?」
「うん、私に勉強教えなさい。」
「笑うだろっ、教えてもらうのに教えなさいって。」
「ごめんごめん、勉強教えて下さい、晴人様。」
「分かったよ。」そう言い2人で机に座り、ノートを開いて、準備完了。
「ありがとうー。晴人って勉強教えるの上手いよね。先生より上手いと思う。」
「褒めすぎ、さすがにプロより上手いわけないって。」
「じゃあ相性の問題かなー。まぁいいや、この問題教えて。」
「あぁ、ここは…こう解く。」
「なるほど〜助かる〜。」と美咲が頷いて言う。
「おう、教え甲斐があるな。」
「ふふふ、教えられ甲斐があるぞ。」
「威張るとこじゃない。」
「あはは、そうでした。」
俺は後ろで音がして、「なんだろ?」
後ろを振り返った。
穂乃果が何も言わずに帰ろうとしていた。いつもなら声かけるのに…なんだろ。
違和感を感じた俺は、「美咲にちょっと待ってて」と伝えた。そして俺は穂乃果を追った。
教室のドアを出て、廊下で穂乃果を引き止めた。
「なぁ、最近穂乃果なんか変じゃないか?
もしかしていじめられてる?」
彼女を心配して聞く。
「ううん、いじめられてないよ。もしいじめられたら、晴人くんとお兄ちゃんに相談するから。」
「覚悟しといてね。」
「はは、分かったその時は、いつでも言って。なんとかするから。」
「も〜優しすぎ! 泣いちゃうから。
パンチと彼女が言う。」
「うわぁ、やられた〜。
とよろけながら言う。」
「え〜よわすぎ。」穂乃果が微笑んで言う。
「はは、穂乃果の笑顔は、ほんと可愛いくて癒されるな。」
ちょっとキザだったかなと思った。
「あわわ…」
穂乃果顔が赤いぞ、もしかして熱があるんじゃ?
「違うよ〜」
「じゃあもしかして…穂乃果俺の事す」
「晴人…くん。」
「おーい穂乃果ちょっと!」
声がした方を見ると、透だった。
彼女も呼ばれた方を見た。
「何怖い顔してるの?」
透が驚いた表情で言った。
怖い顔? なんだ、ただキザな台詞に怒っただけか。
穂乃果、俺の事好きなのかと。恥ずかしい…そんなわけないよな。
「ごめん穂乃果ちょっと勘違いした。透と話しして。また!」
そう言い、俺は恥ずかしさから、逃げる様に教室に戻った。
「ごめん美咲。」と謝る。
「晴人おそーい、まちくたびれたよ。」
「おい、まだ5分くらいしかたってないぞ。」
「その5分の遅れが勉強に差が出るんだよ?」
「普段勉強してないやつがよく言うな〜。」
「それは言わない約束。」
「はいはい、じゃ勉強して。」と子供をあやすように言った。
「うん、そうだ。勉強教えてくれるお礼に今度、お弁当作ってきてあげる。」
「おっ、いいね。ありがたいけど、美咲料理できるの?」
「あんまりしてないけど、なんとかなるでしょ。」
「おい、変な物食べさすなよ。」と笑って言う。
「それは大丈夫。ちゃんと親に味見させるから。」美咲が親指を立てて言う。
「なら心配いらないな。ありがとう。」
ちょっと待てよ、手作り弁当…なるんだよな。
それって俺に好意があるってこと?
いやいや、さっき穂乃果にも俺気があるって勘違いしたばかりだ。
ちょっと今日は、俺自意識過剰だな。恥ずかしいなと思った。
「んー? 晴人何考えてるの?
エッチなことかな?」
「違うよ。そんな事考えてない。」
と俺は美咲に答えた。
「じゃあ〜私のことだったり?」
ごほっ…
確かに考えてたけど。と心で呟いた。
「図星かーい。どんだけ私のこと好きなんだよー。」
「いや…勉強教えてるんだから、美咲のこと考えるの当たり前だろ?」
間違いではないよな? と心で呟いた。
「それもそっか…私ってば自意識過剰だねー。でも動揺してたの怪しいな。」
自意識過剰か…今日の俺の事だなと思った。
「それより、勉強に集中しろよ。」
「はーい。」と美咲は答えた。
今日は可憐さんと話せなかったな。まぁ帰宅部だから、いつでも話せるしな。
透の視点。
「穂乃果何怒ってるんだよ?」
「もーお兄ちゃん良いところで声かけるんだもん。」
「ん??
説明してくれないと分からないよ。」
と俺は妹に教えてと伝えた。
「あれ、西条兄妹じゃない? めっちゃ美形の2人が並んでると華があるよね。」
と周りの声が聞こえた。
穂乃果は、事の経緯を説明した。
「えー俺めっちゃ邪魔してんじゃん。ヤバっ、」そう思った。
でも笑顔が癒されるって言われたのか。そりゃ分かる、兄から見ても、天使の様な可愛さだ。
「おー、それってもう彼氏彼女じゃん。
イチャイチャしやがって〜。」
「そうかな〜ふふふ。」と妹は、ご機嫌になったようだ。
よし上手く誤魔化せたと思った。
「ところでなんの様で話しかけたの?」
と妹が腕を組んで聞く。
誤魔化せなかったかー。と俺は残念がった。
そりゃ晴人が、穂乃果が自分に気があるか、聞きそうなところで、俺が話しかけたんだもんな。ご立腹のようだ。
「いやサッカーの試合の観戦日の確認。」
「そっかー。」
「サッカー掛けたギャグ?」
と俺は聞いた。
「お兄ちゃんと一緒にしないで。違います。」と妹は笑って言った。
「あは、そうだな。あとタイミング悪く、話しかけてごめん。」と俺は妹に謝った。
「ううん、気にしないで、そんなタイミングなんてわかんないし、私の考え過ぎかもだし。」
「でも、良い感じじゃんか。もう彼女にしてもらえるかもよ?」
晴人もこんな美少女の妹に言い寄られたら、ころっといくだろうな。俺はそう考えた。
もっとも彼女がいたら、なびかないだろうな。そう思うのは、俺が彼女持ちだからだ。
晴人も浮気はしないだろう。浮気するタイプなら、穂乃果の勝ちだ。
しかしそんな浮気やろうに、大事な妹は、やれない。複雑な心境だ。
「だといいですけど、新たなライバルというか、晴人くんって改めてモテるんだな〜って。」
そりゃ当たり前だ。お前が好きになる奴なんだからモテる。
結構、穂乃果理想が高いのかもな。妥協すれ
ば、いくらでも彼氏作れんのに。
「まぁ、学校は彼氏彼女作るとことじゃなくて勉強するとこ。って誰かが言ってたが。」
「うん…誰が言ったのか知らないけど、それはその通りだと思う。」
「でもね…好きになったら止められないよ?
駄目って言われるとますます燃えちゃうかも。」穂乃果が俯いて言った。
「廊下でふたりとも、何話してるの?」
と可憐が聞いてきた。
「あぁ、恋愛について語ってたんだよ。」正直に俺は言った。穂乃果のライバル、確かに相応しい相手だな。
「恋愛かぁ。私そういうのしたことないな。」と可憐が呟いた。
「そうなんだ…可憐ちゃん、あ…私もまだ彼氏いたことないよ。」
「そっかー、じゃあ彼氏いない者同士で、今度遊びに行かない?」
「うん、いいよ。遊びに行こ。」
うーん、ライバルと遊びに行くのか。まぁ親友だからな。
可憐が晴人好きなのかは、不明だが…そこ弄りたいとこだけど…好きなら聞かなきゃ良かったってなるしな。
色々俺は考えた。
「俺は5月中旬は忙しいからな…またな2人とも。」
「うん、またね。」と可憐が手を振って言う。
「はーいお兄ちゃんまたね。」穂乃果も同じく。
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