第3話
朝
布団に丸まり震えている香奈美。
ギュッと目を瞑っている。
背中に衝撃が走る。
布団から顔を出す香奈美。
笑顔のレイスが居る。
香奈美
「お、おはよう。」
レイス
「良い朝だね!どうしたの?」
香奈美
「……何でもない。」
レイス
「そう。」
ベッドの上で体育座りをしている二人。
じっくりとレイスを観察する香奈美。
見た目は人間そのもの。
レイス、振り向く。
思い切り目が合ってしまう香奈美。
レイス
「ねぇ、地球にも “友達” って文化ある?」
香奈美
「あるけど……。」
レイス
「そうなの!?」
香奈美
「レイスの星とは違うかもしれないよ?」
レイス
「気の合った個体同士が交流を深める感じなんだけど……。」
香奈美
「それなら地球と一緒。」
レイス
「良かったぁ。」
レイス、急に様子がおかしくなる。
香奈美、小さく身構える。
レイス
「……私たちさぁ、なかなか気が合いそうな気がするんだよね。
だからさぁ、その……。」
香奈美
「……。」
レイス
「友達にさぁ、ならない?」
香奈美、レイスの声が余りにもか細いので、思わず笑ってしまう。
レイス、膨れる。
レイス
「何で笑うのよ!」
香奈美
「なぁんか拍子抜けしちゃったの!」
レイス
「……。」
香奈美
「良いよ、もちろん!」
レイス、嬉しさの余りハグをする。
香奈美、レイスの力が強過ぎて卒倒しそうになる。
レイス、香奈美の様子に気付いて直ぐ離す。
レイス
「地球人は脆弱だなぁ。」
香奈美
「レイスがガサツなだけでしょ。」
二人、笑い合う。
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