第4話
「一体何が。」
そう聞く声はとても震えていた。
あの行動が間違えだったとしか思えなくなってくる。
でも、もうしてしまったことである以上引き返すことも出来なかった。
「ちょっと昔話をしようか。」
その声はどうしてだかとても落ち着いていた。
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よっちゃんが引っ越して、1年くらいは何もなかったんだ。
ほかの友達とよく遊んでたし、よっちゃんがいない寂しさはあったけれども楽しい日々を送り続けていたんだ。
でも、ある日。
その日々が壊れることがあったんだ。
お母さんがね、交通事故で亡くなったんだ。
もちろん、事故ですぐに死んでしまったわけじゃないよ。
だからこそかな。毎日病院に行くようになって、病院でお母さんが目覚めることを信じて生活してたのに、お母さんは帰ってくることがなく、そのまま命を引き取って、それからの生活がおかしくなっていったんだ。
最初は、悲しんで、それでも普通に過ごしてたんだ。
でも、やっぱり、受け入れられない気持ちが強くなっていってね。
徐々に徐々に無気力になっていって。
時間の経過で、徐々にお母さんが亡くなったことを受け入れていって。無気力状態では無くなっていったんだけど。
友達とかとの関わり方が分かんなくなっちゃって。
それからずっと一人でいるようになったかな。
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正直、これを聞いて、彼の行動の仕方が昔と変わらなかったのは、昔の自分を真似してたからと思うと、自分の軽率さをより感じてしまう。
無理して関係を一気に変える必要性なんて元からなかったんだ。
「ごめんな。」
「いいよいいよ。これは僕が原因の問題だったからね。でも、言わずに過ごすよりかはよかったかな。」
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