第2話 更新 Ver.2 「誰か教えて!!、私は転生したの?」

天使のような子A

「ケプラーに行っちゃったね〜」



天使のような子B

「行っちゃったねー」

「ちょっと、さっきのやりとりだけどさぁ〜、ゆる過ぎやしない?」

「ルールも勝手に変更しちゃうし〜 

そんなことしたら、後で辻褄つじつま合わなくなっちゃうじゃん〜」

「それに、選択はご自由にって言いながら、

もう地球以外の惑星しか選択肢ない感じで誘導してるし〜」



天使のような子A

「あれ〜、見てたの〜 笑」

「なんとなく、あの子、可能性ありそうだなぁ〜って思ってさ〜。

なので、地球には戻ってほしくなくて〜」

「まぁ、ルールは有って無いようなもんだから、別にいいじゃ〜ん〜」



天使のような子A・B

「でも、ケプラー-452bは、どの惑星よりも特殊だけど、

大丈夫かなぁ〜?」

「かなぁ〜?」

二人は大変嬉しそうです。


(天使のような子って言うのも、あれなんで、ここから「天使」とします〜)


まぁこんな風に、天使たちは、大雑把おおざっぱな、

ゆる〜〜いやりとりをしていた時。


一人の男性が白い広い空間にポツンと現れ、

真っ白な空間の真ん中で佇み、頭を左右上下に揺らし、

忙しげに何かを追いかけているかの様だった。


「あっ。次の人が来たね〜〜」

「来たね〜〜」

「あの人は何を選択するかな〜」

「楽しみ〜〜〜〜」天使たちの声がハモって嬉しそう〜です。




巨大な隕石、大きな爆音、大地を切り裂き、

あたり一面は核戦争でも起きたかのような・・・

150M、いや、200M以上ある津波、至る所で火山が噴火し・・・・

空は煙と灰と真っ黒な雲。稲妻がとどろき、世界は終わりを迎えた。

空から隕石が・・・ヒューーーーゴゴゴゴゴーーーーー!!

大地に落ち地面が裂ける!

ドン!ガラガラ!!!!! ボーーーン!ガシャーーーーーン

ズーーーーーーン!ヒューーーーーーー バーーーーン!バン!!

無数の稲妻が・・・ピカッ! ドーーーーーーーーン!ゴロゴロゴロ・・・・

何かがBoooooooM!!!!

どっかでドドドドドォーーーー!!!!!!


俺は隕石が地球に衝突する1日前にこの世を去ってしまった。


明日、地球が大変なことになるとは知りもせず、

俺は会社の盆休みを早めにとり、

実家(高知県は宿毛すくも)に帰ってきていた。


懐かしいなぁこの風景。


実家は最寄りのバス停から歩いて20分ほどの距離。

想い出に浸るには程よい距離だった。


懐かしい風景を見ながら18分。実家の門が見えてきた。

表札には見慣れた「浦島」の文字。

その表札は花崗岩かこうがん類(閃長岩せんちょうがん)を使用していて、

少し赤い粒々がありとても綺麗な石だ。

綺麗に磨き上げられた表面には明朝体で名前が掘られている。

家に帰った時はいつも、その表札を手で触る癖があった。


俺「ただいま〜〜〜〜!」

母「おかえり〜〜〜、まもる〜」


実家は先祖代々大工で家と木工作業所が隣り合わせだ。


母「早かったよ〜、くたびれただろう?」

俺「おら〜ぜんぜん〜」

 「こっちはやっぱ空気とか最高じゃねぇか。」

 「大阪の空気はあんまりじゃけんなー。」 

 「こっちは、まぁ、そらんとことんがんばらいとよな〜」


実家に帰ってくると、カツオのたたきは常に冷蔵庫の1/3を占領している。

うちの家ではおやつだった。いつ食べても格別にうまい!

俺はキンキンに冷えた麦茶をコップに注ぎ一気に飲み干した。


まずはご先祖の墓参りを済ませるか。


俺「ちょっと、お墓参りしよんで!」


俺は大好きなカツオのたたきを我慢して、墓参りに出かけた。

空は蒼く澄み渡り、うっすらと白い月が見えていた。



えっと、うちの墓はどこだっけ?

5年前の記憶を辿りお墓の奥へを歩みを進め、

ん〜〜、この墓も俺ん家と同じ苗字だな。

こっちもそうか、、と思いながら先に進んでいった。


お、これだ!今までじっくりお墓を見ることはなかったが、

社会人になり、就職が決まり大阪で一人暮らしをし始めたあたりから、

自分の先祖について関心が芽生えていた。


墓には今にも消えそうな文字がかろうじて読める程度・・・

ご先祖の名前は、、はっきり読めないな。。


唯一ちゃんと読めたのは年代だけだった。

一一三八年 一月

一二一五年 八月

一三〇一年 二月

古いなぁ〜鎌倉・室町時代あたりか。


ふと、気になり、あたりの墓石も見てみたら、

あたり一面みな同じ苗字じゃん。

しかも九八九年とか、、さらに古いお墓もあるな。


そんなことを思いながら、墓参りを済ませて、

カツオのたたきに思いをめぐらせながら、

舗装も何もされていない石を並べただけの階段?この石は普通の花崗岩かな?

と思いながら階段を軽快に降りていた。


降りていたつもりだった・・・が、


俺は足を滑らせて階段から落ちてしまった。

石の角で頭を強打し、ご先祖の墓の近くで帰らぬ人になってしまった。

(よくある話の展開ですみません…!)

両手には桶と柄杓ひしゃくを持っていたとはいえ、

頭より柄杓が大事とかないっしょ・・・


でも、俺は柄杓を大事に握りしめて、死んでしまった。


死ぬ直前の記憶は墓参りとカツオのたたきって・・・無性に残念な気持ちだ...

でなくしてかよ!!


そんなことなので、

地球が消滅しそうになっている事実を俺は知る術もなかった・・・



会社の同僚と朝まで飲み明かし泣いて笑っている俺。

 広島サミットで総理が慰霊碑に献花している。

大学の合格発表で喜ぶ両親。

 元号が「令和」へ

高校の時、生徒会長だった俺が朝礼で全生徒に話している景色。

 熊本地震で熊本城が崩れ・・・加藤清正がチラ見している。。

親父とお袋がまだ若いときに家族で海水浴にいった記憶。

 東日本大震災で原発建屋が爆発する瞬間。


これって走馬灯ってやつか・・・。


まだ小さい俺、たぶん3歳くらいか?

俺は高熱を出し、お袋があたふたしている。

 テレビから無音映像で流れているアメリカ同時多発テロの瞬間・・・

阪神淡路大震災で僕は倒れそうな高速道路に佇んでいる景色。

東京オリンピック1964の聖火が揺れていて、その横を零戦紫電改が飛び去っていく。

ドイツ兵が第九を演奏している・・・

内閣制度で伊藤博文が演説をしている、その後ろから黒船でペリーが来航したかと思えば、

杉田玄白が解体新書を執筆している。江戸の街並みが流れて行き、

解体新書が燃え、あたりは火の海・・俺は本能寺にいる。目の前には織田信長が・・・


ほう、走馬灯ってやつは、ここまで見せてくれるのか〜〜

実に興味深い!


龍馬が手を振り、三好長慶が現れ・・・足利義満と永楽帝が手を握り、

足利尊氏と楠木正成が激しく激突し、

重源が材木を運ぶ、永尊が町民(ほぼ女性)に囲まれ照れている、

遣唐使が荒海を渡り、羅城門を潜り平安宮さらにその先に平城宮

時代はどんどんさかのぼっていく・・・

俺の左右で三国時代の名場面が再生され

卑弥呼と共に俺は金色の大地に立ち、その横をイエスキリストが旅をしている。

激しい剣と剣のぶつかり合う音がしたとき、

コロッセオの真ん中で俺は剣を持ち大観衆の中で英雄になっていた。

かと思えば、棺の中で黄金のマスクをかぶっていた。

あたりは星がキラキラと…俺はピラミッドから火焔式土器と一緒に転がり落ちていた・・・

アンモナイトが空を飛びストロマトライトが大量に現れ、あたりは一面赤く染まった…

そしてハピダブルゾーンが浮かび上がっていた…




すると、、、

どこからか子供ような声がした。


「お兄さーん、そろそろ良いですかー?」


振り向くと、小さな白いカラダに大きな半透明の(磨りガラス風の)羽をつけた天使のような存在が姿を現した。


「アーカイブは終わりましたので、こちらにお越しください〜」



「一番大きい惑星にします。」



ナレーション

彼もまた、彼女と同じように一番大きな惑星を選んだ。

地球を救うために。




その頃、ケプラー-452bでは、


かすかに聞こえてくるメロディー

その音楽は次第に大きくなり、

視界がパッと開けた瞬間。


そこは、キャンディード序曲のような軽快で活気に満ちた音楽が流れていた。

音楽トゥートゥーン、トゥートゥーン🎵タタタン、タタタン🎶トン・トン・トン、クラッシュ!キラキラ、トゥーン、トゥーン、タタタン、タタタン、トン・トン・トン ♪

風が心地よく吹き抜け、

その中にはデジタルコードのような複雑な模様が浮かんでいた。

音楽と情報が共鳴し記号のような何かと共に風と一体になり、

噴水がデジタル魔法をかけられたように美しく渦を巻いている。


近未来的というか、どこか懐かしいというか、

なんとも幻想的な世界。


その光景は目を見張るものでした。



その中央付近で私はリボンのような何かに包まれて宙に浮いていた。

リボンだと思って良くよく見ると、それはデジタルコードぽかった。


桃華は、その記号でできたリボンに触れようとしたが、


あれ?手がない!!!?


手が存在する感覚はあるのに、実際にはない・・・


うわぁ、足もない〜!!!!!!!!


ってことは体もなくって、あれ?私って存在していないのかな・・・

宙に浮いているのも気のせい??


でも意識はしっかりしている・・・


待てよ・・・。

この惑星は生命が存在するって言ったよね、

天使が言っていた事を思い出しながら、、、


って、言っても、そういえば、それしか聞いてないや。。


いやいや、


確か、そういえば!! 何に転生するか判らないって言ってた!


うわっ。私、木か草か何かに転生してしまったのかな・・・

自分の意思で動けない物にはなりたくなかった〜〜〜悲しみ……



これはまず、第一関門だな…!?


Q「さて、私は何に転生したでしょ〜か?」


A「気体!? 葉っぱ! もしかして岩?」


「そんなの辞めて〜〜〜!岩とか・・・動けないじゃん!!!!!」いゃ〜〜〜〜っ〜って…


一人でボケツッコミも虚しいし、寒っ・・・・


誰か教えて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!



私の体は確かに存在していない様だ・・・



風に乗って流れる記号みたいなコードとか光や音楽が私をすり抜けていく、

すり抜けた一つが戻ってきて、

私の前で止まりふわふわと浮遊してどっかに消えたり。


消えたかと思ったら次の光がすり抜けたり・・・


ん・・・・   

ミステリーだ。不思議発見!だね。

と、心で思ったその時。


一つの光が私を通り過ぎたかと思うと、

Uターンして戻ってきた。


「ログインしたばかりなの?」


その光が話しかけてきた・・・!


やった〜〜〜〜!!!


「え!? 私が見えるのー? ログインって何?」私に話しかけてきた!

私は飛び跳ねた!! つもりで喜んだ! 


喜びも束の間・・・

「あっ。ごめん、僕もう行かなきゃ〜 またね〜」


ちょ!ちょっと〜〜〜!!!、質問しといてなによ〜〜〜!


その光は、一瞬で消えてしまった・・・

あ...んもう〜!、色々聞きたかったのに〜〜〜!!


ってことは、私は石とか植物とかではなさそうだな。


だって私に話しかけてきたんだもん。

しかも、またねーって言ってた!

よし!とりあえずは何か知的生命体に転生しるのかな?!と、私は少しほっとした。



すると、また光が現れ、

「君のレベルはいくつ?」


え? レベルって何?と戸惑いながら、

「すみません。ちょっとすみません・・・」とモゴモゴしていたら、


「あーー、あなたはアレですね!」

「あっ!すみません。失礼します〜」


「あー、ちょっ・・ちょっと〜〜〜〜〜〜!」

その光はスーッと消えていった・・・


ほえー、もう最低〜! どうなってるんだろう・・・この世界。


この世界って質問したもん勝ちの世界とか?

ぴんぽんダッシュ他人の家の呼び鈴を押して、応対の者が出てくる前に逃げるいたずら。じゃあるまいし・・・


光や記号、この音楽・この世界。ログインとかレベルとか、、??

何かのゲームなの? 全く未知だわ・・・


その後、しばらく誰も現れなく、、

私は考えていた。まぁ考える時間はくさるほどあったし....


この惑星に来たのは間違いだったかもしれない。

もう一つ小さい惑星にしとけばよかったかな?


いまだに何に転生したかわかないよ。


自ら移動できれば色々探索できると思うんだけど、

移動すらできないもん・・・


さっき話しかけてきた人。「人かな?」はどんな仕組みになっているのだろう・・・・


誰か教えてよー、私は何に転生したの〜〜〜????

心の中で泣きながら訴えてみた・・・が、、、


その、心の悲しみとは裏腹に・・・




ナレーション

彼女の心の叫びとは裏腹に、

軽快で活気に満ちた音楽があたりを華やかにし、

風と共にデジタルコード風の何かが流れて渦を巻き噴水のように渦巻き、

彼女の悲しみは不思議な世界と美しく調和していた。

悲しみは風と共に去っていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る