転生します!その一番大きな惑星に飛ばしてください!【転生して過去の地球に戻って、未来を変えたら地獄行き、 新たな惑星に転生したら、 何に転生するか不明⁈】

斜目 卯枝子

第1話 「はい!。その一番大きな惑星に飛ばしてください!!」

私は私立の女子校に通う高校2年生。名前は桃華。趣味は映画鑑賞。

特に好きなジャンルはSFファンタジー。

転生系とか未来の異世界とかも大好き。

もちろん昔の名作や大河も大好き〜〜!


今日は学校の創立記念日で学校は休み♪

水曜日の平日の昼下がりでも、この街は活気にあふれていた。

家具屋の私はI, the furniture shop owner.かぐや姫"I am Princess Kaguya."〜」って異世界転生系の映画を観に行くため、

映画好きな友人と渋谷で待ち合わせていた。


「桃華〜〜 待った〜?」と、友達の琴音が走ってきた。

「全然〜、私も今来たところー」

「やっぱ渋谷は人が多いよねー。電車一本乗り遅れちゃった。」

「乗り遅れても5分程度だし、ぜんぜ〜ん〜」私はウキウキしていた。

そんなことよりも、映画が楽しみだった。

「それより早く映画行こー」

きゃっきゃっ言いながら、私たちは交差点を歩いていた。


私たちは少し変わっていた。


きゃっきゃきゃっきゃ話している内容。

それは、清洲会議の出席者の中で誰が一番好き?って話題。

桃華「私は柴田!」

琴音「わかるー! 私は丹羽かな〜」

二人揃って「わかる〜〜〜〜〜〜」

桃華「琴音が丹波なら私をこれからも支えてね♡裏切りはなしだから笑」

ってな具合で、女子高生なんだけど、きゃっきゃ内容がいつもこんな感じだった。


そんな二人のきゃっきゃとは違い、、一際大きな悲鳴が聞こえた・・・


「きゃーーーーー」

「ぎゃーーーー!」

っと大きな悲鳴があたりで鳴り響いた。


かと、思った瞬間。


近くにいた人が車で跳ね飛ばされ、いたる所で悲鳴がしていた。

と同時に私も車に跳ね飛ばれていた。




お父さんとお母さんが笑顔で笑って話している昨日の風景。


姉が私の手をひいいて歩いている。


学校の教室で友達と盛り上がって話している景色。


運動会の思い出、


幼稚園で泣いている私。


あれ、これって死ぬ前にみる、アレ、なんだっけ、、、え〜っと、

「あっ!」そうそう、走馬灯ってやつ?


って思っていたら、


エキスポ70で太陽の塔を背に歓声が沸いている風景。

紙吹雪はすごくアナログで人が屋根裏から撒き散らしている。

 これ、人力だったの・・・?

戦艦大和が呉港から出航し、私は甲板で手を振っている景色。

そして魚雷と砲弾で沈んでいく・・・その光景と重なるように、

夏目漱石が執筆してる部屋が現れ、

 その横ではまマリリンモンローがスカートをなびかせ、

坂本龍馬が何やら同盟を結んでいる・・・これって薩長同盟?

 イギリス兵を薩摩藩士が殺しちゃって、アーネストサトウとか出てきて、

黒船が通り過ぎながら、秀頼が震えてる・・・、

大坂城が燃えている・・・これは夏の陣か!



次々現れる歴史の出来事の数々に私は少し戸惑った。


走馬灯そうまとうにしては、さかのぼりすぎじゃ無い?? 

しかも私の知らない裏事情までちらほら見えてる・・・


と思ったけど、目の前の景色は、

プラネタリウムの真ん中で映画を見ているかのようで、

私は内心少しワクワクした。


何やら東軍と西軍で弓矢が宙を飛び回っている風景が現れ、

私はそのど真ん中に佇んていた。

これって、運動会の玉入れみたい・・・


私の頭のすぐ横を矢が通り過ぎる、

「ちょっと、危ない! 私死んじゃうじゃん!」とか思いながら、

厳島いつくしま神社やら、幻の都、「福原京」などが通り過ぎていく。


そして、私の胸を矢が突き抜けた!!


次の瞬間。平安京の美しい街並みが現れ、平城京に移り変わり、

奈良の大仏が笑顔で微笑み、

一遍上人いっぺんしょうにんが念仏を唱え踊っている。


かと、思えば、前方後円墳が空を飛び、

あたり一面には刺青をした人たちであふれていた。

黥面文身げいめいぶんしんす・・・これって何?? 横ではシャーマンが銅鐸どうたくの前で飛び跳ねていた。

と、次の瞬間、私の前を卜骨が通り過ぎ、

大きな影が私を踏み潰そうとした。


私は間一髪で避け、何??と辺りを見渡したら、

ほぼ全裸の人たちが、マンモスを罠にかけて、倒しているところだった。


その風景の遥か向こうには何やら先が尖った三角形の光が見えた。


それは、どんどん私に近づき、突如私の目の前に大きな石が現れた。

なんとそれは、ピラミッドの大きな石だった。


ピラミッドがどんどん完成していく様がタイムラプスのさらに高速バージョンの速さで、映し出されて、「ほー、ピラミッドってこうやって作られたの・・・・と思っていたら、私はそらを飛んでいた、どうやら翼竜になって空を飛ぶというか、滑走しているような感じだった。


そのまま当たりは真っ白になり、雪と氷に覆われ、次には真っ赤になり、灼熱しゃくねつの溶岩と大地が現れた・・・





すると、、、

どこからか子供ような声がした。


「お姉さーん、そろそろ良いですかー?」


振り向くと、小さな白いカラダに大きな半透明の(磨りガラス風の)羽をつけた天使のような存在が姿を現した。


「アーカイブは終わりましたので、こちらにお越しください〜」


なんだろう、、この状況・・・ 

私は何が起きているか把握しきれず、、でも、天使?は続けて話しかけてきます。


「とりえず、こちらへ、そこの椅子に座っていただけますか?」


「あっ、はい・・・」とりあえず天使?が指差した先にある、透明の椅子に座った。


「では、今後の流れを説明しますね。」と言うと、

何やら決まり事のルールを話し始めた・・・


突然の出来事で、いきなり説明されても、何も理解できない・・・

まずは、ここがどこで、私はどうなったのかを知りたかった。


私は話をさえぎり・・

「ちょ、ちょっと話の途中ですみません・・・ちょっと質問いいですか?」



「どうぞどうぞ〜 時間は無限にありますので〜」楽しそうに、

軽〜い返事が返ってきた・・



「あのー、ここは何処ですか?」

「私は、死んだのですか? 

「ここはあの世ですか?

「さっき見てた映像はなんですか?

「これは夢ですか?

「あなたは誰ですか?・・・」

私の頭の中は疑問だらけだった・・・


「あー、やっぱりお忘れですね。

まだ思い出せないと言うことであれば、もう少し説明しますね。


「ここはあなたの世界と地獄の境目で我々が存在する世界ですー♪」と、

天使みたいな子が楽しそうに答えました。

そしてテンション高め&嬉しそうに続けた。


「あなたの肉体は先ほどリセットされました〜」

「それは、あなたの世界の言葉でいうなら「死」と表現されています。」

「あなたの意識が肉体から離れ、精神だけの状態といいましょうか、わかりやすく表現するなら今のあなたの状態は「霊」としておきましょう〜」


ってことは、私は車に撥ねられ、死ぬまでの僅か5秒ほどの時間で、

人類の起源まで一瞬で走馬灯してしまったのか?


しかも、その情報量は1000TB《テラバイト》はありそうだ、、と、

色んな疑問があるはずなのに、何故かデジタル容量で感じてしまった。


「いい感、してますね〜♪ 少し思い出しましたか〜? 

あなたは今、あなたにアーカイブされている情報にアクセスしていたのです。」


ちょっと、まだなにも質問して無いのに、なんでこの天使みたいな子は答えてるの?


アーカイブ? 思い出??

アーカイブって言われても、私が生まれる前の出来事とか、世界のこととか、どうして関係しているの??それにアクセスしたってどういうことよ・・・?


「では、もう少し簡単に説明しますね。

あなたが今ここに存在する事実。

肉体は存在しないんだけど、意識はここにある状態ね。

今、あなたは、何に輪廻転生するかを選ぶ状況にいます。」


「そして、あなたはアーカイブを確認し、どの世界に誰・何?として転生するかを決めることができます。」


へぇ〜、先ほど見た走馬灯の中から生き返る時代と場所と人を選ぶのか。

「そうです、あなたは既に1万回輪廻転生しているのですが、その記憶を忘れているようでしたので、先ほどもう一度見てもらいました。」


「えーー!!!! もう1万回も生まれ変わってたの?私・・・」


「では、もう少し」

「すべての生きとし生けるものは転生します。

それは動植物・物体にいたる全てです。

と言うことは、人間はもちろん、鳥や犬・猫、昆虫や植物、土や液体・気体などの物質にもなれます。」


へぇ〜、これって質量保存の法則も絡んでそうな話ね・・・?


「はい、ごめいとう!。」

「そして、あなたが今ここに存在する確率は0.000000000………1%です。」


なにそれ、最後の話、

存在する確率。それほとんど0じゃん。


「では、今までの話は理解できましたか〜?」

「話を進めてもいいかなぁ〜?」

天使みたいな子がニコニコしながらまた話し始めた。


「あなたは1万回転生しましたので、次の領域を選択することが可能になりました。」


「ここに、3つの惑星があります。」青い惑星が3つ宙に浮いていた。

「どれかお一つお選びください〜」

「それか、今まで通り地球上にも転生は可能です〜」


なにそれ?新しい惑星??

地球以外にも生命はいるの??

ってゆーか、新しい惑星の件は全く理解できてないしーーー

嘘も休み休みゆーてよね!一万回も転生した??私が??


「それね〜、この広い宇宙には生命が存在できる惑星が13個ありまして、

まずは、その中の3つから1つを選ぶことが可能になりました。

あー、あと、あなたが今まで転生した世界(地球)ですが、残念ながら、そろそろ滅亡するんです。滅亡まであと24時間です。」

「なので、新たな惑星に行った方が楽しいかもですよ〜」




「・・・・・」私は思考が停止した・・・




じゃー、今まで見たアーカイブはなんだったの??

その中から選ぶんじゃなかったの?

地球上に転生しも、地球はそろそろ滅亡する。

それなら他の惑星に行った方が良いと助言をもらう?


ちょっとまてよ、それなら科学者として地球に戻って、

世界の滅亡を阻止できるのでは?

その可能性にチャレンジしても良いのでは、、

だってもう1万回も転生しているし、っていうか、1万回もやり直ししてきたなら、なぜ私は以前転生した時に環境問題に着手しなかったのかな?

謎すぎて.......謎解き冒険ファンタジー世界の果てまで異世界ですよ・・・


「あ〜、それ無理なんですよ〜〜

宇宙全体のバランスに影響を及ぼす事象を過去で犯すと、

ルール違反になりますので〜」

「そろそろ、地球はこのまま終焉しゅうえんを迎えてもらって、

 再起動の時期にきていますから。」


再起動ってパソコンじゃあるまいし、

そんな表現はナンセンス!

しかも、ルールなんて聞いてないし。


「いいんですよ、地球上に転生していただいても」

「初めにルールを説明しようとしたけど、とめたのあなたですよ。」天使みたいな子が少し、不機嫌になったような気がした。。



今までの話を頭の中でじっくり整理してみた。

私が存在する確率は限りなく0に近い、それは奇跡。


ならその奇跡の存在の私がさらに奇跡を起こしたらいいんじゃない?


では、その奇跡を地球に戻って起こすのか、それとも違う惑星で起こすのか。


でも、過去を変更するとルール違反となる。


まだ、ルール違反の話を聞いてはいないけど....

ん、、、どうしようか迷っていた。


「1つだけ教えてもらってもいいですか?」

「過去の出来事を変更して未来に影響を及ぼすことで、課せられるルール違反ってなんですか?」


「あ〜〜、それね〜。分かりやすく例えると地獄に落ちちゃいまーすー」

「えっと、地獄とは、蟻地獄?底なし沼?違うな・・・まぁ地獄みたいなところで、永遠輪廻を繰り返す空間です。2度と転生はできなくなります〜」


「あっ、あと、地球が消滅したら、あなたも消滅し地獄行き〜

もう2度と転生はできなくなります〜〜」



楽しそうに説明ししてくれるけど、、、それって人生詰んでるじゃん・・・


「はい。」私は地球を諦めた、


正確には一旦諦めた。


私は賭けに出ることにした。

私の存在自体が奇跡っていうなら、

今から起きることも奇跡につながるはず!!

地球を滅亡なんてさせないから!


「一番大きい惑星にします。」


「それで、いいですか?

一応お伝えしておきますが、この3つの惑星どれを選んでも同じなんですけど、

動物なのか植物なのか何に転生するかほぼ選べないんです。

と、言うことで、一番大きい惑星で、ファイナルアンサ〜でOK〜〜?」


ん、もうー、嬉しそうにいいやがって!!このクソがき!・・・

(失礼..ついイライラしてしまって・・・)

もう、嬉しそうなんだから・・・


過去の地球に戻っても、未来を変えたら地獄だし、地球が消滅したら、私も消滅し、2度と転生できない.....

新たな惑星行ったら、何に転生するか不明・・・もう、Just do me!勝手にしやがれ!!性的要素は無しね...


「はい!。その一番大きな惑星に飛ばしてください!!」


私は1400光年離れた、ケプラー-452bという惑星に飛ばされた。


その惑星はスーパーアースと呼ばれ、

宇宙文明レベル4に到達していた。

人類(生命体)は肉体から意識を分離することができ、

(肉体を必要としないレベル)不老不死に近いレベルまで到達している

1400光年先の惑星だった。





ナレーション

人類が誕生し私たちが存在する確率。

それは限りなく0%に近い、奇跡と言っても過言ではない確率。

この奇跡が存在する意味を知るために、

彼女は新しい世界へ転生を決意する。

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