第014話 『野いちごを摘(つま)む』ってなんかこうエッチじゃね?
「もうしばらくこのまま農地を増やしていってもいいかもしれないけど、生活水準をもう少し上げたいんだよな」
「食べ物以外は縄文時代以下の生活を送ってますからね……いえ、貴方が作ってくださったクーラーだけでも十分に贅沢なんですけど」
「贅沢というか、アレは無いと生死に関わるやつだからね……てことで、これから数日掛けて拠点である洞窟の拡張を行いたいと思います!その後は衣類の充実……夏場に向けて、高温耐性のある服を用意しておかないと死んでしまうからね?」
「確か『60℃』とか言ってましたよね……服だけでどうこうなる気温じゃないと思うんですけど……」
「ふっ、俺とスターワールドシステム、つまりシスティナさんを信じろ!」
そこから三日間かけて拡張した拠点だが、
岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩○岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
↑これ(スタート時の拠点、横穴に扉だけ)が、
岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩○岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
壁□□壁 壁▲▲壁
壁 ○ ○ 壁
壁■■壁 壁△△壁
壁壁壁壁 壁壁壁壁
↑こう(作業小屋が二棟追加)なって、
岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩○岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩 岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
岩岩岩岩岩岩岩岩岩○岩岩岩岩岩岩岩岩岩岩
壁□□壁 壁▲▲壁
壁 ○ ○ 壁
壁■■壁 壁△△壁
壁壁壁壁壁○壁壁壁壁壁
□:原始的な竈門
■:石切台 ○:扉
▲:鍛冶台 △:炉
↑こう(奥に大部屋を追加)!
穴掘りだけなら2日で終わったんだけどね?農作業(刈り入れと種まき)もあったし、工作レベルを上げたかったから石材の加工もしてたんだ。
なぜ工作を上げたかったのか?レベル5を超えると『普通品質以上』の製品が出来やすくなるからである。
繰り返しになるけど、夏に向けての洋服も、近隣の探索のための装備品も整えておきたいからね?
まぁそのためには技術研究もMODの追加も必要なんだけど……ミッション、少しはクリアできてるかな?
久々に……というほどでもないけど、開いた画面には、
『初めての農業:1ポイント』
『レベル10達成:3ポイント』
『拠点範囲50突破:3ポイント』
『農地範囲10突破:1ポイント』
『農地範囲30突破:1ポイント』
『生産作物5種類:3ポイント』
合計12点か、思ったより多かったな。
でも初めてシリーズはあんまり期待できないし、範囲シリーズもここからはキツくなりそうだよな。
やっぱりコロニーの人数を増やすことを考えないといけないのか……それはそれで面倒なんだよなぁ……。
まぁそのうち大量ポイント獲得出来ることもあるかもしれないしな!前向きに使い切っちゃうのが一番だよな!いや、使い切るのはよくないな、うん。
隣からこちらを覗き込んでいる葵ちゃんに顔を向けて、
「んー、今回は食べ物関連と衣料品関連の技術とMODにポイントを使おうかと思ってるんだけどどうかな?」
「そう……ですね、私は横から何か言える立場ではないと思いますが、食べ物に力を入れるのはとても良いことだと思います!」
同居人さんの許可も出たのでまずは食べ物……ではなく衣料品から。
前回技術を獲得した時に、どうせ必要になるからと『お針子』はすでに入手済みの俺。でも、それだけだと原始人、昔なつかし『ギャー○ルズ』みたいな衣装しか作れないんだよな。
……葵ちゃんが着てくれるならそれも有りかもしれないんだけど、間違いなく汚いものを見るような視線を向けられるだけなので控えておくけどさ。
てことで追加する技術は、作成できる衣類の種類を増せる『中世の衣装』。でもこれ、あくまでも平民の衣装っぽい物しかないんだよなぁ……確かドレスとかスーツとか大量に追加されるMODが……あった!『皇帝の仕立て屋(姫様の耳はネコ耳!)』。これなら下着もドロワーズ(ちょうちんパンツ)だけじゃなくて、それなりにセクシィなパンティも追加されるからな!
……パンティ、チョッキとかシュミーズと同じくらい最近は聞かねぇ単語だよな。
『中世の衣装』だと消費は1ポイントだけど……てか『皇帝の仕立て屋』も1ポイントじゃん!迷わずこっちだな!
続いて食べ物系……というかまずは調理MODだな。米はあるんだから和食……確か『料理の木人(ウッディ・シェフ)』を取れば技術ツリーに『和の木人』が追加されたはず。
本体(料理の木人)が3ポイントで『和の木人』が追加で1ポイントか……よし、いっとけ!
5点使っちゃったから残りは8ポイントだけど……調理系の技術を取ったからには食材を増やすMODは絶対に取っておきたい。
いや、食材もだけど調味料も必要だな。最悪『味噌汁とおにぎり』があれば一年は戦えるし。
「とりあえず洋服が作れるようになったのと、お米……銀シャリ、おにぎり、お粥なんかは作れるようになったよ!」
「おにぎりさん!?おにぎりさん!おにぎりさんっ!」
「わかった、いや、わからないけど後で作ってあげるから一旦落ち着いて?まぁ、ごはんは炊けるようになった……と、思うんだけど、隣で見ていて分かるように残りのポイントが8しか無いんだよ。でもほら、二人の寝室を広げたじゃん?」
「『二人の』と強調する必要性はまったく感じませんが、随分と広いお部屋になりましたね」
「スペースが広がったし……どうせならお布団を敷いたベッドで寝たくない?食事の時も椅子とテーブルがあったほうが食べやすいしさ」
「えっ?お布団なんて作れるんですか!?そんなの、もちろん欲しいに決まってるじゃないですか!」
「ならその二つ、『アンティーク家具』……いいや、『皇帝の仕立て屋(姫様の耳はネコ耳!)』が1ポイントだったし、もしかして……ああ、やっぱり!『富士山・桜家具(親子喧嘩はしない)』も1ポイントじゃん!これと『近代的な寝具(きょうとやまかわ)』で2ポイント使って残り6ポイント、っと」
「相変わらず意味の分かるような分からないようなルビですね……」
「欲しいものは4つあるんだけど、全部消費が3ポイントなんだよ。だから今回はそのうちの二つしかとれないんだよね……。野菜、くだも」
「果物一択で!」
「早えよ!せめて最後まで聞いて?野菜、果物、香辛料、調味料の4つなんだけど、その中からだ」
「果物一択で!」
「だから早いってば!一つ目に果物を選ぶと、あと一つは必然的に野菜になるかな?果物に香辛料、果物に調味料は組み合わせとして無いと思うし」
「やった!野いちごですらあの美味しさ……それが高級フルーツ……メロン、マンゴー、シャインマスカットになればどれだけの……想像しただけでよだれが出そうです……」
「確かに……でも食べるのは一日に一つだけだからね?」
「あ、貴方は鬼ですか!?わかりました、つまり体を差し出せと……」
「ちげぇよ!毎日運動もしてるし生きてるだけでもカロリーを消費しそうな環境だから、ちょっとくらい糖分を摂っても大丈夫だとは思うけど、成人病……糖尿病とか気を付けておかないと駄目だろ?」
「うう……確かにそうですけど……せめて、せめてお昼と夜の二回……」
「まぁそのへんは収穫してから様子を見るってことで」
野いちごとか葵ちゃんの摘(つま)み食いというか、摘(つ)み食いだけでほぼ無くなってたからなぁ。
「んー……じゃあ今回は果物と野菜の追加で!『瓜売りが瓜売りに来て瓜売れ残り売り売り帰る瓜売りの声(スイカはギリギリ果物!)』と『サラァデの国のトメィト姫(スイカは野菜です!)』にしておこうか?」
「えっと、貴方は一体何を言ってるんでしょうか?」
「そういう名前のMODなんだよ!」
技術とMODの獲得も終わり、さすがにこれ以上葵ちゃんを待たせて暴動を起こされでもしたらかなわないので、この世界で二度目の『お米』の調理である!
もっとも今回はちゃんと調理リストに『塩むすび』があるので安心感はあるんだけどね?
いつもは大人しく料理(トウモロコシとジャガイモの焼いたのだな)が出来るのを待ってる葵ちゃん、竈門の近くでかぶりつきの見物である。
「おじいちゃん、お昼ごはんは昨日食べたでしょ!」
「誰がおじいちゃんですか!というかそんなベタなボケはいらないです!いえ、向こうで待っててまた『炒り米』を出されたら今度は本気で泣くかも知れませんので調理風景を見ていようかなと思いまして。本当にその竈門で料理を作るんですね?私、竈門とか教科書でしか見たことないですよ」
「もちろん俺だって日本では時代劇ぐらいでしか見たこともないし、当然触ったことなんてまったくないから普通に料理しろって言われても絶対に出来ないけどね?でもシスティナさんの補助があればきっと乳幼児でも料理できると思うよ?」
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