ブルー・ドッグ皇子の散歩道〜運命の出会いとは〜

文月紅凛

第1話 ブルー皇子の皇位引継ぎ準備譚!!

 クロンダイク建国100年…この国は今、皇帝と女帝がいない。


 皇位継承権第一席ブラッド・ドッグ皇女は、見知らぬ放浪の少女と旅に出て不在のため、引継ぎができない。


 第二席ソルティ・ドッグは天性の病で皇位継承は難しい。


 第三席ボロックス・ドッグ皇女は流産しており、今は亡き者である。


 第四席バーキング・ドッグ皇子は一番皇帝に近くそして遠い男。皇位継承を破棄し、これまた旅立った。そして無類の女好きでもあった。


 ならば、もう彼しかいない。そう皇位継承権第五席ブルー・ドッグ皇子である。


 彼は無類の姉好きシスコンであり、姉に褒められるが、為に国営を頑張っているのである!

 最初こそ、嫌がっていたが、[お姉ちゃん。頑張ってる子好きだなぁ。]と言われ、それに応えるかの様にブルー・ドッグは頑張っているのだった!


「お姉ちゃん♪お姉ちゃん♪可愛い可愛いお姉ちゃん!」


 ブルー・ドッグ皇子は今日、各国の帝王や王様との晩餐会へ出席するのだが、そんな事も忘れて姉に会いに行っていたのだった。

 姉の部屋の前に着くと扉を叩き入室する。

「お姉さま!ご気分はいかがですか?」

「大丈夫よ、いつも心配してくれてありがとうね!」


「はい!お姉さまの、いついかなる時も身を案じています!」


「それより、いいの? 今宵は各国の王様方が集まる晩餐会があったはずでしょう?」


「あッ…」

「私の身を案じてくれるのは、いいけど、皇子としての役割もこなしてね。今から行っても間に合わないでしょうし、手紙を出しておきます。次はしっかりと出席してね。ブルー、いいですね?」


「すみませんお姉様。」

「今の言葉は皇女としてですから、ソルティ皇女!いい?」


「はい、ソルティ皇女。」

ショボーンとして、俯くブルー皇子。国営の道のりは険しい様であった。







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