観覧車

「こうやって2人で遊園地に来るのも久しぶりだね」

「そうだね。寒いけどこういうのもいいかも」

僕は彼女と久しぶりに遊園地にデートに来ていた。冬の寒い日だが、それでも人はたくさんいる。手から伝わる温度が不思議と体を温めている。

「あ、ねーねー、観覧車乗ろ?」

「いいよー」

大きなずっと回ってる観覧車に、2人で向かっていく。

気をつけてくださいねと、キャストの人が注意している。その声に返事しつつゴンドラに乗り込み、扉を閉めてもらう。

「やっぱこの観覧車すごい高いね」

「だね。遊園地を全部見れちゃう」

高く昇る観覧車は、周りの景色を眺めるのにうってつけだった。

「……」

「どしたの?」

「なんでもない」

ベタだけどキスしよ、と言いたかったがなぜか口から言葉が出ない。僕はそのまま、雑談しながら観覧車を降りてしまった。

「ねぇ、キスしよ?」

「…うん」

「変なのw」

いきなり言われた言葉に僕は動揺を隠せなかった。

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