一人一人の日常世界

ロクボシ

盛夏と麦茶

「あークソ暑いー!」

私は今、祖母の家に遊びに来ている。夏真っ只中だ。とてもじゃないが外へは出たくない。

この家は大分古くて、イラストで出てくるような、まさに日本の家!って感じで風情はあるけど、そのせいで扇風機くらいしかないものだから障子全開で強にしても暑い。

「麦茶持ってきたよー。ここ置いとくね」

「あーありがとー助かる〜」

祖母が麦茶を持ってきてくれた。真夏の眩しい陽射しに照らされて、ガラスのコップに入った氷入りの麦茶は光を反射して明るくなっている。やっぱりこういう場所で飲むと、ただのペットボトルに入っている麦茶よりなんだか涼しくなれるような気がする。

そんなことを考えてるうちも、風鈴は鳴り続けていた。

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