第12話 エルフにも求婚されてしまう
俺はティターンを連れて村の中を歩いているとティターンが聞いてきた。
「この建物はなんなんですか?中にオークがいるようですが」
「繁殖用の建物だよ。そこでオークを家畜にしてるのさ」
「繁殖させてどうするのですか?」
「肉を作ってる。オーク肉はうまいからね。うまく繁殖が進んでいくようならもっと小屋の拡張をするつもりだよ」
そう言いながら俺は中にいたオークを一匹だけ倒して生肉に変換した。
それを持っているとティターンが叫んだ。
「それですよ!それ!私が聞いた美味しい肉というのは!」
「え?これ?」
「はい!」
「誰に聞いたの?」
「魔王様に聞きました。私たちエルフとはそこまで仲が悪くないので魔王が教えてくれたのですよ。ここの肉が美味しかったって」
(食レポ魔王様じゃん)
とか思いながら俺はティターンに聞いてみた。
「食べる?肉」
「はい!お礼はしますので!」
そう言われたので俺は近くの広場の肉焼き機でオーク肉を焼くことにする。
最近は村人にも肉を食わせることが出来るようになったのでバランスよく肉焼き機を置いているのだ。
ジュー。
オーク肉を焼いてみると非常においしそうなにおいがする。
「おー、うまそー」
俺はオーク肉に関しては割と好きな方なのだ。
なのでこのにおいはいつ嗅いでも癖になるし、好きだった。
そうしながらアイテムボックスから香辛料を取りだして味付けしていく。
「おー!香辛料!一流の料理人はやはり使うのですね!」
その様子にもティターンは反応していた。
俺は一流でも料理人でもないんだが、って思いながら焼け上がった肉をティターンに渡す。
「どうだろうか?」
「はむっ。おおおお?!おいしい!」
叫んだティターン。
「ほっぺたが落ちそうです!」
「そんなに?」
「はい。こんなに獣臭くないオーク肉を食べたのは初めてですよ。なにか秘訣があったりするのですか?」
「食べ物に気を使ってるかな。こいつら雑食性なんだけど、くさくなりそうな食べ物は絶対に食べさせてない」
「そこから気を使ってるんですねぇ。はむはむっ。さすがでございますねぇ!」
そんなに気に入ったのかペロリと食べてしまっていた。
「うん。こんなに美味しいなんて、ルイス様のお嫁さんになる人が羨ましいですぅ。こんなに美味しいものを毎日食べれるんですよね?」
「さぁ?」
俺は料理は好きな方ではあるけど、毎日するかって言われると微妙だし。
そんなことを考えていたらティターンは言った。
「あの、ルイス様私のお婿さんになりませんか?」
「はっ?」
いきなりのことで戸惑う。
「ぜひとも私と結婚して毎日ご飯を作って頂きたいのです!」
そう言ってくるティターンの顔は大真面目だ。
さらに続けてくる。
「医療の知識も十分にあり、そして戦闘能力もずば抜けて高く、お料理もおいしい。それにかわいい!結婚相手としてこれ以上の相手はいませんよ!」
俺の手を取ってくるティターン。
「結婚しましょう!どうですか?」
「あ、えーっと」
前も見たことあるなこのパターン。
そう思いながら俺は首を横に振った。
「あ、いや。ごめん。今んとこ考えてないし、俺そもそも12歳なんだけど」
「気にする事はありませんよ?!歳なんて。私はエルフですから100は超えてますよ!」
とは言ってるけどこのティターンっていう子はどう見ても10代にしか見えない。
(さすがエルフ。いつまでも若くいられらってすごいよね)
これがもっと早い段階で成長が止まってたら合法ロリなんだろうなぁとか思いながら俺は口を開いた。
「ところでさ、この村に来たのはこれ食べるだけのためなの?」
聞いてみると首を横に振った彼女。
「実は私追われていましてね。逃げてるうちにあの森についてたのです。それでどうせならお肉ご馳走になりながら匿ってもらおうと思いまして」
「誰に追われてるの?」
聞いてみると予想外の名前が出てきた。
「勇者パーティですよ!勇者パーティ!エルフの森は焼き討ちだ!エルフは性奴隷だ!とかって追ってくるんですよ。どう思いますか?」
「最悪だな」
「ですよね」
俺がそう言ったときだった。
今まで上の方で寝てるだけだったドラゴンが口を開いた。
「ご主人様。西の方角から怪しいヤツらが近づいてきています」
「怪しいヤツら?」
「はい。あれは勇者パーティですね」
ティターンが頭を抱えてた。
「うわー!!!!勇者パーティだ!!!!追いかけてきたんですよきっと。私を性奴隷にするために!」
俺はドラゴンを見た。
「あとどれくらいで勇者パーティはくる?」
「数時間あればここまでたどり着くと思われます」
「そうか」
さて、どうしようかな。
そう思いながらティターンに聞いてみた。
「ちなみにだけど勇者パーティの勇者の名前は?」
「ユージンですね」
なるほど。あいつか。
俺以外にもクソみたいなことを言っているらしい。
さて、どうしてくれようか。
そう思いながらとりあえずドラゴンに指示を出した。
「俺が直接対応するよ。リヴァイアサンと一緒に大人しくしてくれてていい」
「「御意」」
2匹の声が重なった。
俺としてもユージンとはそこそこの腐れ縁があるからな。
あの時の借りを返してやろうと思ったのだ。
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