13話

3年前俺はハンターアカデミーに入学した。

実力主義のアカデミーでは俺の特異なスキルではなかなか認められることが出来なかった。

生き残るためには力が必要なのはわかっていた。

だからやれる限りの努力をした。


周りから馬鹿にされながら自分の信じる正義を全うするために


「君の才能ではハンターは諦めたほうがいい」


ハンター試験で理事長に言われた言葉


「ふざけるな!!!」


「待ちなさい話を・・・・」


自分の全ての努力を否定された気分だった。

俺は子供のころから憧れていたハンターになるためにここまで努力をしてきたんだ。

周りに馬鹿にされたけど努力をしてトップに上り詰めたんだ。

今更諦めるなんてできるわけがない!!

それから何度かハンター試験を受けた。

しかし、何度も落とされてしまった。


それなら、認めてもらえるまで邪魔をしてやる。

そう俺の心は歪んでいってしまった。


それからの俺は派閥を作りアカデミー内の個人の競い合いをなくし強いものが支配するそんな状況を作り上げた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「復讐か・・・・まぁそれなりのことがあったんだな」


「同情か?」


「復讐したいって気持ちはなんとなくわかるって感じかな」


「わかるわけがないだろう!」


「そうだなお前の気持ちはわからんが、誰かに復讐したいって気持ちは何度も経験済みだってことだよ!!」


俺は再び地面を蹴る。

なんであいつの言った通りになるのかはわからないが、もう考えたって無駄だ。


「いい加減諦めろ!!!吹き飛べ!!!!」


身体が何かに押し込まれる感覚を感じた。

その瞬間俺はさらに踏み込み抵抗する。


「なんだと!?」


「耐えた!!!!」


スキルに万能な能力はないってスズカさんが言っていた。

何かしら弱点はある。

今回はわからなかったから力技だけど攻略できなくはない。


「くそ!!腕よ折れろ!!」


腕に力をこめる。


「ふん!!!」


「なんてやつだ・・・・」


「魂(ソウル)残量600」


「もう終わりだ!!!」


「あーあ見誤ったか・・・・」


俺は拳を強く握りガインの頬をぶん殴った。

ガインのやせ細った身体は簡単に吹き飛び教室の壁に激突した。

周りにいた生徒たちもその光景を見て驚いていた。


「ガインがやられた??」


「嘘!?」


「すげぇーーーーー」


「これで解放されるんだ!!」


支配から逃れた人たちが歓声を上げていた。


「おう!!終わったんか??」


タイガが上半身裸になって筋肉を強調してやってきた。


「タイガ・・・なにしてんだ??」


「あ~いいトレーニングだったぜ」


「お前なんか馴染んでないか??」


「あれ??お前知らないのか?」


「??」


「元凶はすべてこの男が原因だったんだ。

だからこいつさえ倒せたら他は解散するって話だったぞ」


「マジかよ・・・」


俺一人苦労しただけかよ。


「ダメそうなら協力するつもりだったが、俺を倒したんだからこれくらいは余裕だろうと思ってな」


「それじゃあシズクも知っていたのか・・・」


「だろうな」


俺は大きなため息をついた。

ガインが気を失っていたのでとりあえず担いで保健室に向かった。

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