9話
翌日アカデミーへと向かった。
シュン先生に案内されて教室へと向かった。
俺たちのクラスは高等部Dクラスになり、そこでハンターに必要な知識を受ける予定となっている。
高等部の中にはS~Dまでクラス分けされており、もちろん上のクラスに行けば行くほど評価される。
自分たちは当然編入なのでDクラスから始まるようだ。
まぁ、理事長の依頼さえクリアすればクラスなんて関係ないけどな・・・
教室に入ると約20人くらいのアカデミー生がいた。
年齢はバラバラだが、大体10代から20代くらいの人が集まっている。
編入してくることが珍しいってのもあるが、それが3人もいることに驚きを隠せていないようだ。
「それじゃ3人共簡単に挨拶をしてくれ」
「それじゃあ俺から」
赤髪の男が少し前でて話し始めた。
「俺の名前はタイガ
ここのトップは俺が潰す!!」
どこぞの不良漫画かな?
生徒たちがざわめきだす。
何人かの生徒が座席の後方のほうにいるガタイのいい男に注目していた。
「このクラスはお前がボスか...」
「編入性が調子に乗るなよ」
座っていた男が立ち上がりタイガの前にくる。
タイガは威勢はいいが少し身長が小さいので、大人と子供のような身長差になっていた。
「お前らやめろ」
シュン先生が止めに入った。
「後でたっぷりかわいがってやるよ!」
「俺は今すぐにでもいいぜ」
「おい・・・飛ばすぞ」
シュン先生の殺気が漏れて一瞬で静まり返った。
確かにシュン先生の飛ばすぞは洒落にならないからな。
「次シズク自己紹介してくれ」
「はい
私の名前はシズク
よろしく」
「フードは外せよ」
「はい」
フードを外すと整った顔が現れ男子生徒が少し沸いた。
しかし、その顔は身に覚えのあった。
あれは確かゲートで短剣を譲ってくれた人じゃないか?
「あまり顔は見られたくないのでこれでいいですか?」
「ああ」
そういうとまた深々とフードを深々と被ってしまった。
ただの似ている人なのかな?
あの時もぱっと見しか顔を見ていなかったから正直自身はない。
何かの機会があったら聞いてみよう。
「じゃあ最後ミツルギ」
「はい!ミツルギです。
よろしくお願いします。」
特に周りの反応もなく終わった。
インパクトに欠けたかな?
まぁ、目立つのは得策じゃないもんな。
「仲良くするようにな。
それじゃ、席は3人共後ろの空いてる席につけ」
俺たちは言われた通り席について数時間授業を受けた。
昼の時間となり、みな食堂や弁当など各々食べ始めた。
そういえば何も用意していなかったので、俺は食堂に行くことにした。
「ねぇ私もいいかしら?」
シズクが話しかけてきた。
「いいぞ」
「何も聞かないの?」
「気になっていたけど、話しかけてきたってことはやっぱりあの時の子か?」
「そうよ
あの後あなたたちの世界のハンター協会?の人と話をして私はこちらで魔法の研究もかねて協力することにしたの。」
「なるほどな」
あの時、ハンター協会の副会長が入っていってたからそれで交渉したのかな。
「私はこの世界のことわからないから一緒に行動させてもらうわ」
「ああ、案内するよ」
と言って食堂に来たが、まさか食堂が有料だとは知らなかった。
「どうしたの?ここで食べるんじゃなかったの?」
「無料じゃなかったのか・・・」
「え、お金ないの?」
「まぁ、スキルのせいで稼ぐのが難しくてね」
「あれだけ強くても稼げないなんて不憫ね・・・
仕方ないわね。」
そういうとシズクはポケットから何かカードをだした。
「なにそれ?」
「ハンター協会から自由につかっていいってこの世界のブラックカードというものをもらったの」
「マジかよ・・・待遇良すぎるだろ」
「私のお金じゃないからここは奢ってあげるわ」
「シズク様ありがとうございます。」
俺はお言葉に甘えて奢ってもらうことにした。
「その代わり私がわからないことは教えてね」
「もちろん!!」
食事を終えて俺たちは教室に戻った。
何やら遠くからでもわかるくらい教室が騒がしくなっており人だかりができていた。
「次はどいつだーーーーー!!!」
聞覚えのある声が響いてくる。
「まさか・・・・」
人ごみを避けて教室の中を覗いてみるとダイキがさっきの大男を床に倒しており、
教室内はボロボロになっていた。
「おい!流石にこれはやりすぎだぞ!」
「なんだ邪魔するならお前もこいつらと同じようにするぞ」
俺は間に入り大男を担いだ。
「シズクこいつ頼めるか?」
「わかったわ」
男を預けてダイキの前に立つ。
「やるつもりか?」
「そうだな」
短剣を構える。
しかし、背後から声が聞こえた。
「その必要はない」
振り返ると一人の男が立っていた。
「私はカイトハンターアカデミーの執行官だ」
「おい、執行官だ」
「関わらないほうがいいな」
そいつが現れた瞬間生徒たちが散り散りになっていく。
「お前がここの群れのボスか?」
「何をいっているんだ?」
「まぁいいや、やろうぜ」
タイガ間髪入れずに殴りかかった。
「正当防衛だからな」
男はタイガの打撃を避けて的確に拳を当てていく。
「強い」
「結構やるじゃん」
「いい加減落ち着け」
「嫌だね
まだ暴れたりねぇんだよ!!!」
「全く理事長は何を考えているんだか・・・・」
「バーサーカー!!!!」
「それは流石にダメだろ
アイスロック」
ダイキがスキルを発動したと同時に男もスキルを発動して一瞬でダイキを氷漬けにした。
「君こいつを担げるかい?」
俺は氷漬けになったダイキを見る。
「まぁ、何とか」
俺はダイキを担いだ。
「落としたら粉々になるから気をつけてな」
「マジですか・・・・」
俺は支持された通り担いで男の後について行った。
「ここでいい」
執行官室という教室に運び込み自然に解凍されるまで待つようだ。
「こいつは何かを勘違いしていたようだけど、俺は敵じゃない。
俺はこの学園の風紀を取り締まる役目を任されている。」
「そうだったんですか」
「まぁ、そいつがボコボコにした男はその群れの連中の一人で間違いないがな
だけど、教室であんな騒ぎを起こされたら困る。」
「そりゃ当然ですよね」
この人の言うう通りだ。
「君も編入性だろ」
「はい」
「この馬鹿をお前がコントロールしろ。
このままじゃ俺の仕事が増えてかなわん」
「流石こいつをコントロールするのは難しいと思いますよ」
「いや、簡単だ
こういうやつは力で屈服させればいい」
「それならあなたがやればいいんじゃ?」
「俺はこう見えて忙しい
何度もこいつの相手はごめんだ。」
「俺だってやらなきゃいけないことが・・・」
「知ってるか?執行官の命令って絶対なんだぞ」
「え・・・・」
すごい圧力を感じる。
断ったら俺まで氷漬けにされそうな雰囲気だ。
「わかりました・・・」
「それでいい!そんじゃよろしくな!!」
男はそのまま執行官室を出ていった。
さて、どうしたものか。
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