7話


「彼始まって間もないのにあんなにすぐに拠点を作るなんて経験者なんですかね?」


俺は別室でモニターで確認をしていた。


「あいつの資料はあるか?」


「えーと確かこの辺に・・・」


私は書類の束から彼の資料を見つけ出し、先輩に渡した。


「なるほど

荷物持ちをやっていたのか。

だけど、それだけじゃこの試験は通過できないけどな」


「先輩また嫌な顔してますよ」


「ああ、すまん」


(スキル名ソウルイーター聞いたことないスキルだな)


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拠点を作ってしばらく平和だった。

ゴブリンは所構わず襲ってくるようなモンスターではない。

何処からかこちらの様子を伺い隙を探しているだろう。


「夜だな」


俺はゴブリンが襲ってくるのは夜になってからとみて少し目を瞑ることにした。

予想通りその後襲撃などはなく夜になった。


あちこちの茂みから気配を感じる。

完全に囲まれていた。

しかし、まだ仕掛けてくる様子がない。

俺は果物を口にして水分と栄養を補給した。

このままだと長期戦になりそうな予感がする。

襲撃してこないなら放っておいてもいいけど、これが試験なら見られているはずだ。


「少し身体動かすかな!!」 


俺は茂みへと歩みを進める。

ゴブリンは接近するのを察すると戦闘態勢をとった。

目に見えるだけで5体はいる。

俺は短刀を取り出し構える。


接近して行くにつれて緊張感が高まっていく。

距離が縮まり攻撃の範囲に入った時ゴブリンが一斉に動き出した。


「ガァダァダァ!!」


飛びかかってくるゴブリンを一体一体確実に斬りさいていく。

ゴブリンくらいなら短剣の斬れ味だけで問題ない。


「魂を吸収します」


魂(ソウル)を回収し周りを見回したが、今のを見てゴブリン達は逃げたようだ。


「しばらく休めそうだな」


拠点に戻り身体を休めた。


ーーーーーーーーーーーー


「先輩!!!!今の見ましたか!?」


「ああ、見たよ」


あの武器とんでもなく斬れ味がいいな。

スキルを使用していないから底がまだわからないな。


「スキルなしであそこまで戦えるなんてあの子合格でいいんじゃないの?」


「いや、その判断はまだ早い今回は有望な奴が多い」


俺は別のモニターも見た。


「オラーーーー!!ゴブリンども蹂躙してやるよ!!!」


「タイガくんですか!彼は確かバーサーカーのスキルですね。

凄まじいほど暴れてますね」


「それでも自我を失わずにスキルを使えている珍しい体質の持ち主だ」


「確かに・・・」


「そして1番目を引くのが・・・」


「シズクさんですね」


「ああ、とんでもない魔力量と魔法だ」


スタートと同時にゲート内の森を魔力の結界で覆い、中にいたモンスターを一掃しやがった。


「あんな奴ら今まで何処に眠っていたんだよ」


「ええ、現時点でランクがついてもおかしくない実力ですよ」


「俺の要望が通るならこの3人は合格にしたい」


しかし、今年は定員が2人・・・

どうなるかな


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