4話

「み、みんな大丈夫」


「ええ・・・」


「大丈夫だ」


スズカとイカリは傷だらけだったけど何とか立ち上がれそうだった。

そして、キヨミは意識を失っているが、呼吸はしていた。


「そんなことよりあいつあんなに動ける奴だったのか・・・」


私は2人にミツルギくんのスキルについて聞いたことを話した。


「時間制限のあるスキル・・・あとどれくらいもつの?」


「ここに入ってきてから2分くらいたってるか・・あと1分・・・」


「短っ!?

それに戦い方が素人だぞ」


「そういえば最近スキルが使えるようになったって言ってた」


「大丈夫なのか」


「カケだっていってた・・・」


「マジかよ」


「今はミツルギくんを信じるしかないわ

もしもの時に備えて今は私達も出来ることをやりましょう」


「ミツルギ・・頑張って!」


ーーーーーーーーーーーーーー


どれだけ攻防を繰り広げたのだろうか

集中していると時間がとても長く感じた。

致命傷は防がれ再生を繰り返すリザードマン

恐らく致命傷を受けるのを避けてるのを見ると回復できるものの限界はあるはずだ。

もうソウルイーターの時間も少ない

覚悟を決めるしかない


「残り30秒」


残り時間が頭の中で響く。


俺はそれを合図に大振りの一撃を繰り出した。

リザードマンはその攻撃を避けて隙のできた俺の横腹に近づき致命傷となる一撃を放った。


「ぐはっぁあ」


「ミツルギ‼︎‼︎‼︎‼︎」


ミヨリの叫ぶ声が聞こえた。

俺は意識を失わないように踏ん張り接近してさらに追い討ちをしようとするリザードマンの腕を掴んだ。


「これで逃げられないだろう・・・ッ」


口からも血が溢れてくる。


「グガァァァァァァァア」


必死に離れようと抵抗するリザードマンの腕を渾身の力で握り放さない。

そして、俺は右手で握った短剣をリザードマンの喉元に突き刺して抉る。

再生をしようとするリザードマンに対して何度も突き刺す。


「残り10秒」


「終わりだぁぁぁぁ!」


「ソウルイーター解除」


次の瞬間倒れ込むリザードマン


「終わった・・・・」


致命傷を負ってしまった俺はその場に倒れ込んでしまった。


「対象の魂(ソウル)を吸収しますか」


「よろしく」


リザードマンは燃え上がり俺の中へと入ってくる。

その瞬間あの時と同じように傷も治癒されていく。

正直これがまた起こる確信はなかったけど良かった・・・

俺はその場で意識を失った。

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