2話
「リュウジ!どうしてあんなことをしたの!?」
「責めるのはいいけど助けに行かなかった時点でお前らも同罪なんだよ」
「それは・・・」
「リュウジの言う通りだ
俺達は一生恥ずべきことをしたんだ」
「別に荷物持ちくらい1人死んだところで関係ねぇよ」
「いや、俺はあの子の両親に報告しにいく」
「私もそうするわ」
「ご勝手にどうぞ〜」
俺達はゲートを通過した。
すると予想外の光景が目の前に広がっていた。
「出てきました!!彼等がこのゲートを攻略した英雄です‼︎‼︎」
「は?」
「何よこれ」
俺は振り返りゲートをみた。
入った時は確かに敵対を示す赤色のゲートだったはずが、友好を示す青色のゲートに変わっていた。
「どうなってんだ・・・」
俺は頭をフル回転させた。
これはチャンスだ。
なぜかわからないが俺たちが攻略したことになっている。
これをこのまま利用すれば俺は富と名声を獲得できる‼︎‼︎
「あの何か勘違いを・・・」
俺はテツの口を咄嗟に塞いだ。
「何をすんだ!!」
「俺に任せろ」
「皆さん!俺達がこのゲートを攻略しました‼︎
敵は黒い影のボスでしたが、チームの連携を屈指してなんとか討伐出来ました‼︎」
「うぉぉぉぉぉぉ」
歓声が上がり、称えられた。
ああ〜なんて気分がいいんだ。
「あのみなさんこれは!」
「あーーー皆さん2人は黒い影の能力で錯乱してるようなのでこれ以上の取材は控えてください〜」
「一言だけでも!!」
取材陣はそれでも群がってくる。
「皆さん落ち着いてください
ハンター協会の方で一度確認をさせていただきますので」
丁度良いタイミングでハンター協会の奴らがやってきてマスコミを統率した。
「お前どう言うつもりだ!」
「私はこのパーティーを抜けるわ」
「どうぞ〜ただ邪魔したらお前も殺すから」
「最低ね」
「リュウジ見損なったぞ」
2人は去っていった。
「クソ真面目な奴らだな」
ーーーーーーーーーーー
俺はゲートを抜けた。
ゲートの色を確認すると青色のゲートになっていた。
「あれ、もうハンターはいないんじゃなかったの?」
どうやらゲートが友好的になったことでハンター協会の人達が交渉に行く為に既に集まっていたようだ。
あまり目立ちたくもないからここは何か理由をつけて立ち去ろう・・・
「すみません!荷物待ちでゲートに入ったんですが、途中でパーティーの人達と逸れてしまってなんとか今戻って来たんです」
「てことはリュウジパーティーの荷物持ちの方ですか?」
「はい」
「そうでしたか!この度はゲートの攻略に尽力していただきありがとうございます」
ハンター協会の人が深々と頭を下げてくれた。
こんなただの荷物持ちに対してもこうしてくれるなんてとてもいい人だ。
「副会長!我々がやりますから‼︎」
「副会長!?」
「はい!ハンター協会の副会長サクラです」
「は、はじめまして!!荷物持ちのミツルギです」
「リュウジ様は今協会で報酬の受け取りをしてますが、ミツルギさんはどうしますか?」
「報酬ですか?」
「はい!リュウジ様のパーティーがこのゲートを攻略したとのことなので」
どうやらこのゲートはリュウジ達のパーティーが攻略したことになったようだ。
まぁ、あの性格ならやりそうだよな。
俺がここで何か言ったとしても絶対に信じてなんて貰えないだろうな。
「そうでしたか!自分はこの通り荷物持ちとして何も役割を果たせてないので報酬入りません!」
「よろしいのですか・・・?」
サクラさんは気遣うような顔をしていた。
「はい」
「うーーん何もないのは申し訳ないので、私から一つ送らせていただきます!」
そういうと彼女は腰につけていたバックを渡してきた。
「これは亜空間バックです。
ミツルギさんには必要なものだと思うのでもらってください。」
「そんな高価なものいいんですか!?」
亜空間バックは買うとなると何億とするものだ
「大分私が使い込んだ物ですが、お気に召しましたらどうぞ」
「ありがとうございます!」
俺は快く受け取った。
「はい!これからも頑張ってくださいね」
その日はそのまま帰路に着いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ねぇさっきのミツルギ君って子だけどゲートから1人で無傷で帰って来れるものかしら?」
「難しいと思います。
ゲートが友好的になったとしても安全地帯でなければゲートの周りにはモンスターが溢れていますから」
「だよね・・・」
あんな無傷で帰ってくるなんて
何かあるかもしれないわね
「クサカベくん一応彼のことは調べておいて!」
「はい!」
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