ことこと煮物
肌寒くなってくると、食べたくなるもの。お鍋、湯豆腐、野菜のたっぷり入ったスープ、おでん……。いろいろありますが、我が家の食卓によく登場するのは煮物です。
私のようなズボラでも、簡単にできちゃいます。だって、材料を切ってお鍋にぶち込んでことこと煮るだけですからね。休みの日はお昼ご飯の後から煮込んじゃいます。しかもアレンジ自在。冷蔵庫に眠っていたものや、スーパーのお値打ち品も、あっというまにメインの一品になります。旬のお野菜を楽しむのも良いですね。
はふはふしながら湯気のたつ具材を口にいれます。どれだけ口の中をやけどしようと、あつあつの煮物が良い。具材を噛みしめた瞬間に、じゅわりとあったかいお出汁がしみでる時の至福さといったら!じゅうぶん出汁を吸ってぷるぷるのしいたけ、大根、油揚げ。歯がいらないほど、とろっとろに煮込んだ長ネギと玉ねぎ。旨味の出る、ほろほろのお肉。
しみしみの具材をそれぞれよーく味わい、飲み込むと……。お腹に優しい温かさがじわーっと広がります。だんだん体がぽかぽか温まってきて、なんだか眠たくなってきます。いい意味で力が抜ける。これだから煮物は大好き。
煮物は主菜だけでなく、副菜としても大活躍。私の十八番はひじきの煮物。水戻しがいらないひじきを買ってきて、大豆・油揚げと一緒にごま油で炒め、だし汁でさっと煮込みます。にんじんや枝豆を入れると、彩りもばっちり。若者言葉で言うところの「映え」ですね。あとはパッケージの裏に書いてあるレシピ通りに調味料を入れてぐつぐつすれば、あら不思議。あっという間に副菜の出来上がり。よく冷やしてもおいしくいただけます。
私が主菜として煮物をつくるときは、よくかぼちゃやさつまいもを入れます。ごろごろ、ほっくり。お出汁もほんのり甘い。七味をかけても絶品です。お気に入り。
でも、やっぱりいちばんいいのは、両親に作ってもらう煮物。レシピは一緒でも、なんだか味が違う。食べた時のほっこり具合が違うんです。私がいないところで隠し味入れてる?それとも「おいしくなあれ」の魔法が足りないのでしょうか?もしくは人生経験が足りないのかしら?
「我が家の味」を習得してからじゃないと、ひとり立ちしたくないなあ。
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