芋むすめ

 我が家に常にストックしているもの。それは、さつまいも。私は、小さい頃から何故かさつまいも好きで、『芋むすめ』なんて家族から呼ばれていた頃もありました。いや、今も呼ばれますね。大量のさつまいもをお小遣いで買ってきた時なんかは特に。

 年中スーパーに置くようになったさつまいもですが、やはり秋から冬にかけては種類が豊富で、お買い物が楽しくなります。


 さつまいもの種類、意識されたことありますか?紅はるか、紅あずま、鳴門金時、安納芋……。挙げればきりがありません。ブランド芋なんていうものまであります。


 品種によって特徴があるのも面白いです。断面がカラフルだったり、食感が違ったり。ホクホクもねっとりも捨てがたい。うちの近くのスーパーだとよく見かけるのは、紅はるかとシルクスイート。たまに新しい品種が出るので、定期的に買い物について行っては偵察します。それくらい、さつまいもがだーいすき。最近ですと「栗かぐや」という品種がホクホクしていながらもパサつかず、しっとりむちむちで美味しかったです。見かけたらぜひ一度試してみてください。



 私はさつまいもを買ってくると、まず焼き芋にします。うちはいつも魚焼きグリル使用。お手軽でおすすめです。お店で買う焼き芋も捨てがたいけれど、この方法を覚えてから、特別な時以外はおうち焼き芋。まず、洗ったさつまいもを、濡れたままアルミホイルで巻きます。そして、グリルで弱火十五分。ひっくり返して、また弱火で十分。絶品焼き芋の出来上がり。

 さつまいもの香ばしい香りがキッチンに立ちこめるのも、おうち焼き芋の醍醐味です。しあわせの匂いがします。出来上がるのを今か今かと待つ時間まで楽しい。


 ねっとり系の紅はるかでやれば、アルミホイルを開けた瞬間に、紫色の皮まで蜜が染み出しているのがよくわかります。そっと真ん中にナイフで切れ目を入れてみると、とろりとした黄金色。スプーンですくって口に運べば、ねっとり。バターのようにしっかり濃厚。どんな高級スイーツにも引けをとりません。


 ホクホク系の鳴門金時も捨てがたい。こういうお芋は、ナイフよりも手で一気にふたつに分けたくなっちゃう。綺麗に割れて、まんまるお月様みたいに見える瞬間が好きなんです。ひとくちかじれば、あつあつ、ほくほく。たちまち笑顔になれます。噛み締めるほどになんだか懐かしい、素朴な甘み。思わず誰かにプレゼントしたくなるおいしさです。


 時が経つのは早いもので、少しづつ日が長くなってきています。この調子だとすぐ春がきて、キャベツや山菜なんて出てきちゃうんでしょうね。寒いから早く暖かくなってほしいけれど、美味しいさつまいもをまだ楽しんでいたい気持ちもちょっぴり。いまのうちに、さつまいもの他にも冬の旬を楽しむとしましょう。

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