少年は異界の世界へと誘われる

シンゴペンギン🐧

第一話 はじまりの話

龍堂ミロクはとある地方の小学4年生だ、父親は何の仕事をわからないけれど、持ち前の笑顔とコミュニケーション能力の高さから少なくとも今のとこ生活では問題はない。母親もまた年齢不詳の不思議な魅力の母で、職業は占い師、自宅兼お店でいつも占っている。


父親は銀髪でありながらも日本人の凛々しさとどこか異国のような雰囲気を纏い190センチで細身の筋肉質、出生国はどこかわからない国の名前を聞いているので多分、なんかあるんだろうかなあとはおもうが、ミロクは気にしない。うちに帰ってくるときはよくキャンプに連れてってくれたり、よく外食やスーパー銭湯やゲームをしてくれたり、ジムに連れてってくれたりしてくれてる。


母親にいたってはいつも美味しい食事を用意してくれ、ミロクの好きな事ができるように色んな事を教えてくれる。ミロクは学ぶ事が好きで母親が知る知識をいつも楽しくきいていた。


母親はオリエンタルな和風美人という感じでミロクは父母の魅力的な部分を受け継いだ中性的な雰囲気、落ち着いた美少年という雰囲気だ。黒髪に整った顔立ち、父親の好戦的なワイルドな空気もなく、母親にようにミステリアスな雰囲気でもなく、どこか愛らしくどこか成長したら素敵な男の子になりそうなそんな雰囲気の少年だ。


父親の名前は龍堂真一。母親の名前は龍堂トワ。ミロクが父母から聞いているのは遠い場所に母親違いの兄と姉がいること、兄と姉には定期的にミロクの姿を写真や動画をおくって、生まれてから今までの姿は知っているし、ミロクも写真で知っている。いずれも人間離れした綺麗でかっこいい人達だなあと幼いながらも思ったものだ。


兄と姉は兄が三人、姉が4人いて、自分を含めて八人であると知っている。自分の住む国では重婚はできないため、基本的には妻は母親であるトワだけということにはなっているけれど、父親には母と同じような関係の奥さんが七人いるというのを知って、ミロクは驚いたりもした。


それでも父親もトワと同じようにその奥さん達を愛し、トワもその奥さん達を親友のように思っているというのも聞いていた。


様々な話を聞いて、兄と姉達も自分に出会える事を楽しみにしているときいていて、その事を聞いてミロクも心を躍らせたのを覚えている。


そして夏の満月の夜



「ミロク、父さんたちの生まれた世界に行こうか、なあに、9年この世界に居たならば、残りの人生、あちらの世界にいっても問題はない」


「そうね、あの子達も彼女たちも私達の息子に会いたいと思っているからね」


父母の笑みが深まると同時にミロクもまた笑った。



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