炎の魔人

炎よ

意志よ

我が身を焼き付くさんと 

胸の穴から轟々と噴き出て

今も 未来も 自分すらも 平等に焼き尽くさんとする

炎よ 意志よ


しかし炎よ

お前は一度たりとも

我が身を塵には出来なかった

時に皮膚が炭と化し

時に道を塞いで 空も、何かも、 燃やし尽くしたが

それでも 炎よ お前は私を殺せはしなかった


ああ、そうだ

私の、この眼差しだけは燃やさせないぞ

この右腕を振り下ろす先を間違えることもない

見失ってなどいないさ

刺し違えるつもりもない

追い詰められているのは そう、私ではない

炎よ お前が怯えているのか?


例え炎の魔人になっても 誰も私に触れなくなっても

私はこの拳に炎を宿して

破壊する

凍り付いた今を

定められた呪いを


たまには見せてやろう

私の この おぞましき執念を

轟々と燃えさかる意志の炎を

不敵に微笑む 魔人の姿を


さあ、燃えろ

心も、世界も、宇宙も、意志も、現実も

眼前のすべてよ

燃えて 燃えて 燃えて

生まれ変われ

私は そのど真ん中で、あぐらをかいて

大口を開けて 笑ってやる




塵の花びら

咲き誇れ

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