第12話 力加減


 少なくても数秒前までそこにいたモンスターはドロップ品に変わっている。

「あはは、また力加減を間違えたな」


 もう笑うしかない、だって弱すぎるんだから仕方ない。あとはこの防具に傷をつけたくないのだ。あの時騎士団長がくれた防具と剣は俺を守ってくれた。

 あの人が父親だったらと何回も思った。


 新しい防具を買うことになった。今風の軽い防具だ。スポンサーがついたそうで。そこの防具と剣をもらったのであの防具と剣は綺麗にしまってある。


 こんなソードで斬れるのか?試しに斬ってみたらサクっと斬れた。なんでもないようなおもちゃみたいな剣なのに切れ味が抜群に良いな。


 後防具も衝撃はあるもののなんの傷もない!これは凄いといったらスポンサーさんも満更ではなく手放しで喜んでくれた。


 千冬チャンネルと普通の名前だが登録者数がえらいことになっているらしい。

社長もマネージャーも嬉しそうだ。

 忍々玲奈チャンネルもそこそこ伸びているようでこちらもいい感じだ。


 こちらではダンジョンへ入ると職業が決まるらしい。俺たちは変わらずノージョブと忍者だ、こっちの冒険者は何もしないわけではなくレベル上げに必死になっているそうだ。


 もうこちらでレベルが上がることのないだろうと思っていたがつい最近またあがった。


 やはり二分の一が効いているみたいだし、経験値もそれほど変わらないようだ。

 これなら他にも色々取れるだろうな。

 あまりにも速いと指摘があったのでゆっくり斬るようにしている。そうするとスローモーションの様な動きになってしまう為、いまでは普通に倒していいことになった。まぁ手加減してだけどね。


 玲奈ちゃんとは毎日電話をしている。しないと怒るのだ。好意は嬉しいし嫌いじゃなくどちらかと言うと好きな方なのだが毎日電話するほどの話題がないからどちらとも無言になってしまう時があり、困ってしまう。


 玲奈チャンネルとのコラボ企画も準備されてる様なので嬉しい限りである。


 あとは父親だと言う人が多数出没する様になった。いまさら父親だと言われてもしょうがないんだけど無視するしかない。

 まぁ、逆に炎上してるから意味ないと思うけど、どうせお金革目当ての人たちばかりなのだから。信用できない。


 他のクラスメイトたちもダンジョンに行ったりしてレベル上げをしているようだ。生産職の人達もポーションを作ったりしているようでなによりだが薬草と言うものがない現代で作れるのかは不安だな?まぁ、材料さえ分かれば稼げると思うので良いことだと思う。


「あれ?天童君?」

「あぁ、千冬か」

「どうしたの?」

「ようやく親を説得できて今から免許を取るんだよ」

 天童君とこの親はしっかりしてるなぁ。

「あ、本気でやらない方がいいよ!」

「え?なんで?」

「僕がやった時壊れたから」

「嘘だぁ!なんか絶対壊れないって自慢してた先生がいたよ」

「なら、一応壊して良いですかって効いてからやったほうがいいね」

「本当にそんなレベル?」

「たぶんね」


 その後天童君はやっぱりやらかした。

「だからいったのに」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る