第10話 契約


 誰と誰が一緒に住むって?

「それは無理」

 速攻でマネージャーが切り返す。

「なぜ?」

「これからタレントとして売り出していくのにルームシェアはないでしょ!」

「だめ、タレントにしたらモテる」

「当たり前でしょ?こんなにかっこいいんだから」

「そしたら結婚できない」

「誰と誰が?あなたも可愛いけど、マネージャーと結婚って線もあるのよ!」

「それは無い」

「あるって言ってるの!

「いや無理でしょ?年齢的に」

「きー!ギリギリのギリよ」

「アウト」

 なんの話に発展してんだ?それより先にやることがあるだろ?

「社長に連絡しないと」

「あ、そうだったわね!」


 社長も来るそうだ。

「神谷!条件をまとめなさい、そして如月さんはウチで雇うからケジメをつけなさい」

「ケジメ?」

「親戚に言って事務所に入る事を言う」

「はい」

「あと勝手にこの部屋には入らない。隣の部屋は空き部屋だったはずだからそこに住んでもらいます」

「わたしは「ダメよ」」

「社長の言葉を聞けないならこの話は無しよ」

「はい…」


「千冬君も、分かったわね?」

「はい!」

「じゃあ。君たちはダンジョンタレントとして売り出しますから」

「ダンジョン タレント?」

 初めて耳にする言葉だ。

「ダンジョンを探索するタレントよ、この間の動画も再生数が伸びてるわ!このままタレント業だけじゃやっていけないから」

 戦闘ならまかしてくれ!

「「わかりました」」

「如月さんもダンジョンに潜れるのよね?」

「まだ、免許とってない」

「すぐ取る準備を」

「神谷?どう?」

「給料はダンジョンで得た物の三割が会社に入ります。動画の再生数による収入は会社に五割入ります。あとは自分の頑張り次第でしょう。17歳なんでその類に禁止する行為、喫煙や飲酒、及び交際を認めません」

 神谷さんは噛まずに上手に言えていた。

「これでどう?」

「最後の交際は?」

「それはタレントなんだからダメに決まってるでしょ」

「どこまでが?」

「ご飯を食べるなどはよしとしますが、手を繋いでデートなどは禁止します」

「えぇ…」

 ものすごく嫌そうな顔の玲奈ちゃん。

「嫌なら無理しなくていいですよ?こちらは神谷千冬君ともう契約してあるのですから」

「わかった」

 玲奈ちゃんも親戚の人に電話をしている。


「今後このようなことのないように!」

 社長が俺に言ってくる。でも泊めるしかなかったんだよ。

「はい!」

「千冬君を信用するわ」

「はい!」

「あとダンジョンに潜れるタレントは今のところ少ないわ!しかも最下層までいけるタレントはね」

 こんなに簡単なのに?

「レベルの違いを見せつけましょう」

 マネージャーさんがやるきをだしているが、

「はい。がんばります」

「千冬君は少しは加減してね」

「善処します」

 俺は手加減が難しいんだよなぁ。

「如月さんが忍者だったわね、なら彼女にも戦ってもらうわよ」

「それは大丈夫だと思います。僕より戦い慣れてるんじゃないかな?」

 魔王軍と戦ってたわけだし。

「それならなおいいわね!」

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